保育園を増やすための規制緩和にギモン


今、保育士不足が問題になっています。
皆さんは口を揃えて保育士の給料が安いからと言い、処遇改善として6000円支給される事になりました。
しかし、その6000円というのはよく見ると給料の2%という内容でした。

つまり6000円というのは全ての保育士という訳ではなく給料を30万貰っている人は、という事なのです。
公立の保育士であればあり得るのかもしれませんが、企業が運営する保育園の園長ですら30万も貰っていません。
しかも保育士は子どもたちの為に読みたい絵本やエプロンシアター等の教材はほとんど自分達で購入しています。
そしてそれらは皆、安くはありません。

そんな雀の涙ほどの金額が上がっても何も変わらないのです。

保育士の給料は全職種の平均の45%。全職種並みにするには8565億円かかるという試算も出ています。
保育園の運営費が一般財源化されたり、公立保育園が民営化されていく事を考えても国は保育園にお金をかける気が無いのだなと思ってしまいます。
何の期待も出来ません。

では国は何をしているのかというと保育園を増やす事に必死です。
2001年から規制緩和を始め、一般企業も保育事業に参入出来ることになりました。
保育士の待遇よりも施設を増やす事が先決なのです。

それは何故か?
子どもを預けて女性を働かせ、税収を増やしたいからです。

バブル崩壊後、税収確保の為にそれまで当たり前であった、子どもの為には3歳までは母親が育てた方が良い、
といういわゆる「3歳児神話」を「神話にしか過ぎない」と言い出して、当時の厚生省は女性の意識を変えようというキャンペーンを行ってきました。
そして確実に女性の意識は変わりました。

今やお母さんも働くのが当たり前の時代になりましたよね。
保育事業を運営する企業は園庭の無い小さな保育園を作ったり、働くお母さんにとって便利な様々な「サービス」を始めます。
24時間保育、延長保育、病児保育等々。今ではすっかり保育が「サービス」に変容してしまったと感じております。
そうなると親の要求も増えていく訳で、いわゆるモンスターペアレンツと呼ばれる親が現れたのも少なからずそういう背景があるのではないかと思います。

今後も保育園は色々なサービスをする所が増え、本来平等であるべき保育に差が生じると危惧しております。
規制緩和は本当に怖いもので、園庭無くてOK、子どもの人数増やしてOK、保育士の有資格者は職員全員でなくてもOK等々。
子どもの人数を増やすと保育士は一人一人と丁寧に向き合う事が難しくなります。
そうなると子どもの心的なストレスになり、落ち着かない子ども、暴力的になる子どもといった気になる子どもが増えるのです。

「過密は噛みつきに比例する」とはよく言ったもので、当然事故も増えます。
規制緩和による保育のサービス化や子どもの人数の増加で保育士の仕事は増える一方なのです。

ちなみに規制緩和が行われてから10年間で厚労省が把握しているだけで143人の子どもが亡くなっています。
こういった事故は報告の義務が無いらしいので、実際はもっとあるかもしれませんよね。
これは偶然とは思えません。起こるべくして起こったのです。
ほとんどが無認可での事故ですが、これ以上の緩和がすすめば認可でも起こりうる事なのではないかと思います。

以上の理由で保育士は万年不足しています。
そして負担が多い正社員よりも負担が少ないが時給の良い「派遣」という働き方をする保育士が増えているのが現状です。
現政策は 保育士と子どもの事を全く無視した政策である、という事は明白です。
国はとりあえず目先の税収なのです。
もっと長期的な目で見て頂きたいと思います。

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