ひょっとしたら先入観かも?モンスターペアレントなんていない?


保育士の仕事が「大変」と思う事の1つに保護者との関わりがあると思います。
モンスターペアレントという言葉も多く聞かれるようになった昨今、保護者から来るたくさんの要望に疲れている保育士さんもいるのではないでしょうか。

以前、私が担任を持ったAちゃんの家には、保育士だけでなく保護者の間でも話題に上がるほど厳しい目を持つお母さんがいました。
年少で入園し、年長に進級したAちゃん。
年少の時から何かと園に来ては担任と園長と面談を繰り返したり、年中の時には担任と合わないという理由で異例のクラス替えもありました。

正直、「私で大丈夫だろうか」という不安を抱えたスタートでした。
そうして迎えた初日。
例のAちゃんちはお父さんとお母さんと来ていました。

最初が肝心と思い「担任になりました、よろしくお願いいたします。」と、笑顔で挨拶。
その場はにこやかに終わった、はずでした。しかし

夕方、園の電話がなりました。
Aちゃんちからお電話です。」
早速?私何かした?職員室にいた、全員の視線を背中に浴びつつ電話に出ました。

内容は、私が他のお母さんとばかり話していてAちゃんちはほぼ無視だった、というクレームでした。
前情報もあっただけに、どちらかというと他の家よりも気をつけてたくさんお話ししたつもりだったので驚きでした。
(本当はそんなことで差をつけるのはいけないことですね)
その場はそんなつもりじゃなかったと言い訳しつつ謝りました。

その後もお母さんとのバトルは続きました。
友達とのトラブルでAちゃんばかりが被害に遭っているのではないか、怪我をしたのはいじめじゃないのか、等など。
絶対に負けるものか、と思っていた私は真っ向から戦いました。
勿論正直に状況を伝えたりもしていましたが、いつしか私はお母さんの言い分に対して論破してやろうという気持ちになっていたのです。

そうなると更にお母さんの私への不信感は大きくなり、「先生は園長に自分の都合の良いことしか報告していないんだろう」とも言われました。
そしてこんな状況の中でAちゃんは大人の顔色や強弱関係を伺いながら見えないところで友達に意地悪をしたり、嘘を言って良い子を振る舞うようになってしまったのです。

ある時、これではいつまでたってもお母さんの気持ちは収まらないという事に気付きました。
負けるものか、というのは間違いでした。
保護者との関係は勝ち負けではないのです。
例えこちらが正論だとしてもそれを訴えるだけでは、ダメでした。
そして言い負かすことは勝ちではないのです。

とある研修で言われた言葉があります。
「モンスターペアレントなんていないんだよ。
モンスターと言ってしまうのは簡単だけど、そうやって意見を言ってくる保護者の背景はきちんと見ているかい?」

仕事で園にはほとんど来れないお母さん。
園での様子を見ることが出来ず、そんな中で大事な娘が怪我をしている、心配するのは当然でしょう。
担任に不信感を抱いている中で「今日は大丈夫だった?何も無かった?」と尋ねるしかなかったのかもしれません。

それから私は小さいことでも手紙にして渡すことにしました。
良いことも悪いことも。
夏を過ぎる頃には電話も減り、面談でも特に心配は無いと言ってもらえるようになりました。
Aちゃん自身も子どもらしさを取り戻し、顔色を伺うことは減っていきました。

「モンスターペアレントなんていない」
この言葉はその後も深く心に残っています。

勿論、めちゃくちゃな事を言ってくる方も実際います。
しかし、最初から「あの人はモンスターだから」というフィルターを通して見て、否定してはいませんか?

Aちゃんのことはまずはその保護者の気持ちに寄り添い、背景を見ることが大切なんだと気付かせてくれました。
保護者は敵ではありません。保育士の粗探しをしているわけでもありません。
こちらが構えるとあちらも構えてしまうものです。
時にプロとして客観的な意見を言いつつ、保護者は子育ての先輩だという気持ちも持ち、意見や要望に真摯に向き合ってください。

そして、悩んだときは園長や先輩にたくさん相談してください。
きっともっと広い視野で見たアドバイスを貰えることでしょう。

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