保護者の本音【スマホの中にあり】


みなさんは、SNSやアプリのトークなどを見ますか?
現実の知り合いとつながるSNSもありますが、
顔も名前も伏せた匿名でトークするアプリもたくさんあります。

今はスマホで簡単にそのような場所にアクセスできます。

 匿名の書き込みは様々な内容がありますが、
悩んでいること、困っていることを質問している人がとても多く見られます。

その中にはとても危険だなと思う物もあります。

 「体の調子が○○のようになってるんですけど、どうしたら治りますか?」
という質問に
「私もそうなりましたが、ほっといたら治りましたよー」
とか
△△の薬で治りますよー」
のような返信が多いのです。

これ、怖くないですか?

もし全く違う病気が潜んでいたら?
それなのに安心して病院に行かず、
取り返しのつかないことになったら?
使った薬が合わなかったら? 

ネットの怖い部分がよく現れていると思います。

 それは子育てにも

病気の話をしましたが、
実は私たちに関わる子育ての話題でも
こういうやりとりがされているのです。

 「うちの子まだ歩かないんで心配です」
という書き込みに
「大丈夫。個人差がありますよ」
「うちの子も遅かったけど今は陸上選手です」

 「なかなか喋らなくて心配です。どこか悪いのでしょうか」
という質問には
「男の子って喋るの遅いですよー心配ないですよー」

 保育士の皆さんならこのやりとりがとても怖いことがわかりますよね?

 どんな子どもがどんな行動をしていて、どんな状態なのか
全く見ていないのに「大丈夫」と無責任な言葉を投げかけている人がいます。
10人中9人が大丈夫だとしても、
その書き込みしている人の子が大丈夫な保証なんて全くありませんよね。

 保護者はどこに救いを求めるのか

ここまで読んで
「保育園に通っている子の保護者は大丈夫でしよー。保育士に相談できるもん」
と思いましたか?

 確かに、信頼関係がしっかりとしていて
なんでも話あえるのであれば、問題はないかもしれません。

でもちょっと待ってください。
ネットの世界には、恐ろしい現実がありました。

 「担任が、うちの子と他の子を比べるんです。
あの子はこんなことができるとか、
うちの子はできないとか。保育士失格ですよね」

「お迎えに行くと、うちの子の悪いことばかり言われるんです。
私もうちの子も絶対嫌われてるんです。もう転園したい」

「うちの園の先生はお気に入りの保護者とばっかり話して、
ちゃんと挨拶してくれません。お迎え行くのが苦痛です」

「家でちょっと怪我しただけで、理由をしつこく聞かれました。
絶対虐待してると思われてますよね」

 匿名の書き込みですので、
これが本当のことかどうかはわかりませんが
(釣りというのもあるようです)
このような思いをネットにぶつけている保護者は
きっと少なくないと思います。

 担任の立場を考えながら読んでいると
「きっと発達の遅れをなんとか伝えたいんだろうな」とか
「クラスに対応が大変な保護者がいてそちらに時間を割いてしまうんだろうな」とか
「子供の様子から親との関わりの問題が見えていて、
解決の糸口をさがしているんだろうな」
などと理解できることが多くあります。

 しかしそれらは、保護者に全く伝わっていなかったり、
逆効果になっていることがあるのだなーと感じるのです。

だからこそ保護者は、誰かに
「えーひどい保育士ですね。発達なんて個人差があるのにね」
と言ってほしくてネットに書き込むのだと思います。

 そしてその保護者は、私たちから見ると
「信頼関係バッチリだわ」と思える人たちかもしれません。

 人は優しい言葉に流れて行くもの

時に発達の遅れなど厳しい現実も伝えていかなければならない保育士の立場ですが、
簡単に「かなり発達が遅れてますよ」などということはできませんよね。
(人としても、また医師ではないという点からもです)
なので、日々の姿を伝えていく中で気づいて欲しいと思いますし、
そうせざるを得ないですよね。

それは時として、厳しい言葉として保護者に突き刺さります。
(もしかしたらはっきりと「遅れています」
と言った方が傷つかないのかもしれません。) 

そして傷ついた保護者は、
ネットで「ヒドイでしょ?私悪くないでしょ?」と訴え
「あなたは悪くないですよ」と優しくしてもらいたくなるわけです。

 目の前の信頼すべき保育士の言葉よりも、
どこの誰かわからないけど優しい人の言葉にすがっているのです。

 時々自分に置き換えて

自分の姿は、自分では見ることができません。
自分のしている保護者対応が本当に相手に届いているのか
その姿勢は保育士として、対人間として間違っていないのか
確認する術も持っていません。

 でもちょっとのぞいたネットの中に
自分の姿があるかもしれませんよ?
まるで鏡のようにその姿が映っているかもしれません。 

ネットの中の絵空事でもいいんです。
自分を見て知るきっかけになればそれでいいんです。
「今日話したあの内容が、こんな風に誤解されているかも」
と思うだけで、次にかける言葉が変わってきますよね?

 一番怖いのは、
慢心(自分の力よりも高く自分を評価すること)です。
「保育士だから、プロだから、担任だから、このお母さんはわかってくれるの」
と思わないことです。

自分の姿でさえ自分で見えないのに、
他人の心の中など覗けるわけがないのですから。

 ネットは信用できないとか、そんな暇はないなんて言わないで
色々なところからヒントをもらってくださいね。
いつか本当の信頼関係が結べる日が来ますよ。

 

保育士の求人
保育士の口コミ
保育士の求人
保育士の口コミ