保育士さん、子どもたちの「かみつき」に悩んでいませんか?
自分の思いを表現したいけれど、うまく表現できないという時期になる1歳児さん。
しかし、保育士としてはかみついてしまうと相手の子がケガをすることもあるので、ヒヤっとしますよね。
「かみつき」は、子どもの気持ちの伝えあいのひとつです。
対人関係をうまく繋ぐために工夫しましょう。
目次
なぜ「かみつき」をするの?
保育士さんは、「かみつき」の場面を何度も見ていると思います。
どんな場面が多いですか?
そうです。かみつきの原因となるのは、おもちゃや場所の取り合いです。
例えば、遊んでいたおもちゃを他の子に取られそうになって、相手の子をかむことがあります。
このとき、子どもたちはお互いにおもちゃしか目に入っていないんです。
「このおもちゃで遊んでいる○○くん」が目に入っていません。
ただ、おもちゃが欲しくて手を伸ばしているわけです。
取られた側は、取ろうとしてくる手しか目に入らず、なんとか取られまいとします。
言葉で「ちょうだい」「だめ」と主張するのが難しいこの時期、子どもたちはそれを「かむ」という行為で表してしまうというわけです。
どうしたら「かみつき」はなくなるの?
保育士は、まず「人をかんではいけないんだよ」ということを子どもにしっかり伝えましょう。
そのうえで、なぜその子がかんだのか、その気持ちや状況をくみとり、保育を見直します。
かみつきを未然に防ぐ
先程のおもちゃの取り合いの例を見てもわかるように、トラブルになりそうな場面は、ある程度予想がつきますよね。
保育士はそばにいて、かむ前に止められるようにしましょう。
午前中のあそびの充実
日中、特に午前中のあそびが充実していると、子どもの気持ちの安定に繋がります。
全身を使った活動や戸外活動、感触遊び、じっくりひとりあそびのように、思い切り発散して満足します。
そうすると、気持ちが落ち着き、かみつきを予防できます。
一人ひとりの場所とモノを保障
それぞれのあそびが重なり合わないように、広いスペースを確保したり、あそびごとにコーナーを区切るなど工夫します。
また、一人当たりのおもちゃの数を豊富にして、数を十分に用意しておくことができるといいですね。
言葉で表そうとする気持ちを育てる
思いをうまく表現できない子どもの気持ちを、保育士が代弁してあげましょう。
そうすることで、子どもが自分から「言葉で表そう」とする気持ちを育てることが大切です。
「かみつき」に関する保護者への対応
家庭でのかかわり方
この時期は、家庭でも保護者にかみついている子が結構います。
保護者が、子どもの愛情表現やふざけと受け止めていることも多いので、保護者にもその対応をきちんと伝えるようにしましょう。
保育士にとっては自然な対応も、保護者にとっては大きな気付きとなることも多いです。
保護者会で、かみつきなどのトラブルが起きやすい時期だということを説明し、発達的視点から理解を促すのもいいですね。
- かみつきは、相手を傷つける行為なので、絶対にやめさせたいことです。
- かみつくのではなく、言葉や適切な動作で表現できるように促しましょう。
この2つを保護者へ伝えましょう。
保育園でかみつきが起きたら
園でかみつきが起きてしまったら、まずはそれを止められなかったことを保護者へ謝りましょう。
かまれた側だけでなく、かんだ側の保護者にも話すことが大切です。
その際、以下のようなことを伝えます。
- ・どうしてそういうことが起きてしまったのか
- ・子どもの発達に関わる要素があること
- ・その場の状況
- ・それぞれの思い
まとめ
いかがでしたか?
上手く言葉で伝えられず、「かみつき」という行動で気持ちを表してしまう1歳児さん。
その気持ちを保育士がくみとったうえで、対応しましょう。
また、保護者は保育知識が少ないものです。
かみつきがあっても、初めは可愛いなと見過ごす方もいらっしゃいます。
対応の仕方をお伝えし、保育園で他のお友達にかみつかないよう、家庭での協力も仰ぐようにしましょう。