「S先生~助けてください~」
「あれM先生どうしたの?」
「保護者会の司会なんですけど、当日どうやって進めたらいいかわからなくて」
「先生初司会なんだね」
「そうなんです。緊張しすぎて何が何だかわかりませーん」
「オッケー。一緒に勉強しようね」
目次
司会の仕事って何だろう
「M先生はテレビはよく見る?」
「はい。大好きです。はっ!テレビなんか見てないで勉強しろってことですね!!」
「あー違う違う。テレビからヒントをもらうんだよ」
「ヒントですか?」
「そう。色々な番組の司会者に注目するの」
何気なく見ているテレビですが実はヒントがいっぱいあるんです。
情報番組でもワイドショーでも、MCがゲストの話を聴く番組がありますよね。
そのMCの話し方や会話の回し方がとっても参考になるんです。
そもそも司会者は何をすればいいのか。
色々な番組を見ているとだんだんわかってきますよ。
司会の基本
「テレビの司会は参考程度に見てね。相手はプロだから」
「はい。できそうなところだけ参考にします」
「じゃ今度は、司会の基本を考えようか」
テーマに沿って話を進める
時に話が脱線することも楽しいのですが、テレビで健康番組を見ていたのに最後はお金の話で終わったら「あれ?」となりますよね。
どんな道筋を通ったとしても必ずテーマに戻るようにしていきます。
頭の中では常に、話の着地点を意識しましょう。
大人数の話を引き出していく
テレビなどでは編集でカットされているかもしれませんが、おそらく全員が必ず一度は発言していると思います。
保護者会では、多ければ25人を超えるお母さんお父さんたちが集まることも。
その全員の話を聞き出していくのは至難の技ですね。
場の雰囲気を作る
話しているテーマによって、その場の空気を作るのは司会者です。
楽しい?真面目?悲しい?面白い?真剣?リラックス?
司会者の持っていき方でどのようにでもなると思います。
時間をコントロールする
決められた時間内で収めるのはこれまた難しいのですが、避けては通れない大切な仕事です。
具体的にはこうしてみよう
一つずつどうしたらいいかを考えてみましょう。
⭐︎話が脱線したらどうする?
少しずつ軌道修正できれば一番ですが、とっても難しいです。
なので「お話がちょっとそれちゃいましたね」とはっきり言ってテーマに戻すのがいいと思います。
その時、それてしまったことを否定しないように気をつけます。
「楽しいお話もっと聞きたいのですが」など、それてしまった話も素敵だったと付け加えるといいですね。
本来は自由にお話してもらうことも大切な目的だと思うのです。
ただ、やはり「最後にこれだけは伝えたい」という着地点がある以上、そこに誘導していくことも必要ですね。
⭐︎全員に話を聞くなんて無理かな~
大人数で話していると、たくさん話す人と全く話さない人に分かれると思います。
話したい人の話の腰を折るのも気が引けますが、そこが腕の見せ所です。
司会者はできるだけ声に出して相槌をうちましょう。
黙って聞いていると、話を切って割って入る隙がなくなるからです。
「うちの子はこの前〇〇で」
「はい」
「~~だったんです」
「そうなんですか?」
とか
「家では~~~なんですよ」
「え、知らなかったです」
など会話のように声を出しておくと、あ、長くなるなと思った時に
「△△さんもそういうお話ありましたか?」のように他の人に話しを振ることができます。
これは私がテレビから学んだテクニックです。
テレビのMCで黙っている人ってあまり見かけません。
「えぇ、はい、そうですね」などの相槌が途切れないんです。
また、全員に話してもらうためには、誰に話しを振ったのかを覚えて置かなくてはなりません。
手元に名簿を置いて、お話した方の名前にチェックを入れるといいですね。
緊張すると一人二人忘れてしまうものです。
⭐︎雰囲気ってどうすれば作れるの?
何か特別な理由がない限り、保護者会は楽しくありたいなと思う人が多いと思います。
これは、自分が出席する側になって考えるとわかりやすいですよね。
場を和やかにするために、初めにゲームをしたり、簡単なお話をしたりするのもいいですよね。
でもその時に司会がガチガチだと、みんなも緊張が高まります。
ところどころに、クスッと笑えるようなことがあるのが理想です。
例えば
「それでは自己紹介していただきたいと思います。えーと、どなたからにしましょうかねー。というと急にみなさんと目が合わなくなるんですよね(^0^)」
「それでは~~についてお話しを聞きたいと思います。一番にお話ししたい方手をあげて!!・・・
いませんよね(^0^)では、今日張り切って一番乗りしていただいた〇〇さんお願いします」
決まりきった言葉よりも少し砕けた言葉の方がリラックスできますね。
最初の方で少し笑えると全体の雰囲気が一気に解けていきます。
また、話が得意な方から話してもらうなどの工夫をすると他の方が話しやすくなります。
一番最初に当てる方は吟味した方がいいですね。
性格的、あるいは事情があって話すことを苦痛に感じる方もいます。
そんな時は「はい」「いいえ」で答えられるような質問をしてあげましょう。
一人の方が言葉に詰まってしまうと全体が緊張してしまいますからね。
「みんなが楽しくリラックス」が、いつも私の目指すところです。
⭐︎時間に追われるな
初めての司会ともなると、時間が押してしまうことがほとんどだと思います。
終わり時間を決めて、逆算してスケジュールを立てておきましょう。
同時に、始まりからの必要な時間も計算していくと、残った時間が懇談の時間ですね。
慣れてくると自分で時計を見ながら調節できますが、最初のうちは、他の職員に時間を見ていてもらいましょう。
合図を決めておけば、今、時間が押しているのか、早すぎるのかがわかります。
当たって砕けろ
「なんとなくわかってきたような、わからないような・・・」
「そうだよね。自分で実際にやってみないとわからないんだよね、実は」
「エェェ、じゃあやっぱり緊張が取れません!!」
「だよね、でもこういう司会などは、思い切って臨むしかないんだよ」
「当たって砕けろですかね」
「そうそう。でも砕けちゃったら困るから、ちゃんと逃げ道も作っておこう」
「逃げちゃうんですか?」
当日司会をしていて、言葉に詰まったり頭が真っ白になることがあると思います。
そんな時は他の担任や、主任、園長に話を振ってしまいましょう。
その時は、さも最初から決まっていたかのように「園長先生はどうですか?」のように振ります。
もしかしたら、反省会でちくりとされるかもしれませんが、司会の一人舞台ではないのですから本来は間違いではないのです。
私はよく
「ではここで子育てベテランの園長先生に聞いてみましょう。・・・ありがとうございました。
では次にベテランの○○先生お願いします」
とふることがあります。(子供がいる保育士に振る場合)
職員たちにもガンガン話を振ってみんなで話す場にしちゃうのです。
逃げると表現しましたが、どんどん場を広げていくと考えれば悪いことではないですよね。
他の保育士が話している間に、深呼吸して次の言葉をさがしましょう。
また、「困った時はこの話」のように紙にいくつかの話を書いておくといいですね。
本来の原稿とは別にあると、いざという時に言葉が止まってしまうことを避けられます。
例えば《睡眠の豆知識》《面白かった園児のエピソード》などです。
タイトルは、当たって砕けろでしたが、ここで備えあれば憂いなしに変更しましょうかね(^0^)
「先生、私準備をもっとがんばります」
「そうだね。準備したって思えるとそれだけで緊張も少なくなるかもね」
「では、お先に失礼して早速テレビを見てきますね。さようなら~~」
「・・・ちゃんと伝わったかな?・・・」
さあ、みなさんも司会頑張ってくださいね。