私が新卒から産休&育休を挟み8年務めた職場を辞めたとき、正直「もう絶対保育なんてやるもんか!!」とささくれ立っておりました。
最近は日々のメディアで保育園不足が取り沙汰され、原因のひとつとして保育士不足も報じられるようになりましたが、当時の職場も御多分にもれず人手が足りませんでした。
正社員の数が足りない、一人頭の仕事の量が多い、時短勤務なので職員室にこもる時間もない、仕事が終わらない、持ち帰るしかない。
あー終わらなかった…という気持ちのままわが子のお迎えへ行く。
イヤイヤ期のわが子と戦いながらの夕食・お風呂・寝かしつけ…なかなか寝ない!私が先に寝てしまった!持ち帰ってきた仕事はどうする!
という“仕事どうしよう”に追い詰められた気の休まらない一日をくり返していたわけです。
それでも人手の足りない職場に辞めたいと言い出せず時は流れ、心にダメージを蓄積させてしまってからなんとか退職の運びとなりました。
そして、そんな状態で「もう絶対保育なんてやるもんか!!」と退職して半年後。
私、なぜかまた保育士やってるんですよ(笑)
もう一度保育の現場に戻ろうと思えたのはわが子が通っていた保育園の先生方のおかげなんです。
その園はとてものびのびとしていて、いつもあたたかく子どもたちに接している先生方にあこがれすら抱いていました。
さらに私がお迎えのときぽつりぽつりと溢れさせてしまった弱音を聞いてくれてわかってくれたんです。
同じ職業ということもあるでしょうが、育休明けで時短勤務をしている先生もいましたし、子育てが一段落している先生もいたので、親近感もありました。
それにわが子の体調からイヤイヤまですべて把握しているのでひとことひとことが身に染みるんですよね。
当時、同僚には仕事が辛いなんて言えませんでした。
みんな同じように大変で、さらに私が時短勤務をしていることで彼女たちの仕事も増えているはずで、私だけ辛いなんて言えなかった。
ただ、仲間がいる。わかってくれる人がいる。それだけでものすご~く救われたんです。
ひとしきり悩んでみたものの懲りずに保育士を再開した理由は、自分が助けられた分わかってあげられる人になりたかったからです。
仕事と育児を両手に抱えた親なんて、多かれ少なかれ同じ思いをもっていると思います。
仕事が片づかない焦り、体温計が37,5℃を示したときの絶望感、子どもへの申し訳なさ、私もそうですわかります!って言ってあげたい。
がんばっている仲間の保育士さんのこともわかってあげたい。
現在の職場ではパートタイムの派遣スタッフとして担任業務を持たずサポート中心の働き方をしていますが、担任業務の種類や量はわかります、やってましたからね。
誰でもできる仕事はスタッフが率先してやってあげたらいいんですよ!
会議に月案に児童票、代われない仕事はどうしたってあるんです。
連絡帳くらい多めに書きますよ、壁面は担任がつくらなくてもいいでしょう、
明日の製作準備なんて任せてください!それで担任の先生が持ち帰る仕事を減らすことができたら、スタッフ冥利につきるんです。
いまはパートタイムで働くうちに様々な園を経験したいと思って派遣スタッフを続けていますが、派遣は人手が足りていれば同じ園で仕事を続けることはできないので、子どもたちの成長を見届けられないことが少しさみしいですね。
ただ現場にいることでブランクの不安は生まれませんし培った経験が活きているのが実感できています。
保育の話なのに子どもの話がまったく出てきませんでしたが、もちろん子どもは大好きです。
無理をして正社員のまま家庭を守ろうとピリピリした気持ちで仕事をしていた頃と比べると何倍もかわいいと思いながら向き合うことができていますし、親としての経験を始めたからこそ子どもの背景がよく見えるようになりました。
保育の仕事って大変だから…と保育から離れることを考えている方、離れてしまった方がいたら、その大変さをわかってあげられるからこそ保育の現場にいてあげませんか?
大変だと知っているからこそ、きっとスーパースタッフになれると思うんです。