保育を目指すみなさんは、そろそろ実習が始まる頃でしょうか。
緊張の連続の中、さらに、毎日の実習ノート記入に疲れ果てていることと思います。
私も実習生の頃は毎晩夜中まで、ノートの記入や指導案の作成に追われて疲れ果てていました。
大変なこの実習ノートですが、言うまでもなくとても意味のある大切なものであります。
今回は【実習ノート】について考えていきましょう。
◯よくある残念な書き方
実習ノートは大体の様式が決まっていてそこに書き込むようになっているかと思います。
まずは一日の流れを書き込むページ大きくありますよね。
実習生を担当していて時々びっくりすることがありました。この一日の流れ(活動)を書き込むページが余白だらけの真っ白なことがあるからです。
例を挙げると(幼児クラス)
トイレに行く→散歩に行く→公園に行く→帰ってきて手を洗う→昼食
このように本当に流れだけを書いているようなページになっています。これでは実習ノートを書いている意味がありません。
疲れている中一生懸命書いているのでしょうが、これでは「残念」なノートになってしまいます。
見返したときに自分のためになることが書かれていないからです。
◯書くためには「見る」ことが大切
実習生は責任実習の日がやってくるまでは、クラスの保育士の保育についていくことになります。
そのときどんなことを見ていけば良いのでしょうか。
そこには2つの視点が必要です。
・1つ目の視点「子供の活動」
先ほどの残念なノートの書き方はこの「子供の活動」を書き連ねたものです。
トイレに「行く」のは子供ですから、子供主体の活動を追っているわけです。
この時、この活動が自発的なのか保育士の指示によるものなのかを書いておきましょう。
トイレは「いきたい子がいきたいときに行く」のか「散歩前に保育士に促されて行く」のか
などを書き分けていきます。
よく観察していると、この自発的な行動と促されて行う行動が年齢によって変わってくることにも気がつくと思います。
3歳児と5歳児ではどう違うのかもよく見ていると、発達の違いがわかってくるでしょう。細かく書いて行くとわかってくると思います。
・2つ目の視点「保育士の動き・配慮」
子供の活動が見えてきたら、それに対する保育士の動きを注意深く観察していきます。
この時に大切なのは「保育士の行動」とその裏の「配慮」があることを理解することです。
先ほどの「トイレに行く」の動きに対して保育士はどのように動いているでしょうか。
子供が自発的にトイレに行く場合、どのように安全確認をしていますか?
声かけはどうでしょうか?
保育士が促してトイレに誘う場合はどうでしょうか。
「トイレに行く」という子供の活動は同じでも、その状況によって保育士の関わり方は変わってきます。
数人ずつ声をかけて行かせることでトイレが混み合わないようにしていたり、トイレでのスリッパの脱ぎ方を知らせていたりと様々な配慮があるはずです。
保育士が何に配慮しているのかを考えながら見る、この視点がとても大切になってきます。
◯「見たこと」をどう記録するか
一日の保育を2つの視点で見たことを実習ノートに整理していきましょう。
「子供の活動」と「保育士の行動」その裏にある「配慮」を意識して書いていくのがコツです。
日によって、子供の活動は同じでも保育士の配慮が変わってくることもあります。
また保育士の配慮によって、活動が変わってくることもあります。
まずは、子供と保育士の横のつながりを意識して書いていってください。
その横のつながりが続いて行くことが、一日の活動になって行くのです。
◯実習生の動き
実習が日を重ねていき責任実習になった時には、保育士の動きに書かれている部分が実習生の動きになります。
ただ同じ動きを真似るだけではなく、そのための配慮の部分に集中してください。
実習ノートにも自分の動きを書き加えていってみてください。
ノーとによってはあらかじめ欄があるものもありますね。
最終的に実習の動きも保育士のそれと変わりなくできるようになってくると、立派に保育の入り口に立てるのではないでしょうか。
◯まとめ
実習日誌を書くことはとても大変ですが、しっかりと書けるということはしっかりと保育を見ていることにつながります。
それもただ漠然と見るのではなく、保育士の行動や配慮を意識することが勉強になるのです。
実習ノートがあなたの保育の参考になるように、しっかりと書いてみてくださいね。