長いゴールデンウィークが明け、園児さん達もやっと元の園生活に戻ってきた頃でしょうか。さて今回は近年急増している外国のルーツを持つ子どもやその保護者への対応について、対応に不安や疑問を抱いている先生方が多いと聞き、園での対応を参考にしていただければと思いこのテーマに触れてみます。
日本の外国人受け入れの入管法が改正されたこともあり、今後どんどん増えるであろう在日外国人の方々。ご家族と一緒に日本へやってくる人もたくさんいるため、今ではどこの園でも外国のルーツを持つお子さんは珍しくない時代になってきましたね。しかし、それぞれの国の宗教、文化、教育システムを持つ保護者に対して、先生達も対応にお困りではないでしょうか。特に言葉の問題は大きな壁だと思います。なかなか、英語を話せる先生も少ないでしょうし、保護者の方も英語を母国語とする人が少ないかもしれません。
そこで、どんな国や言葉にも対応できる先生の対応アイデアをいくつかご紹介します。
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ゆび差し園生活ピクチャー
日頃、園でよく出る保育の単語は写真や絵にして表にしておきましょう。言葉のわからない保護者にとって、自分の子どもに関する情報はキャッチしたいと思う人は多いはずです。しかし、いわゆる、お遊戯や、手遊び、おかたずけなど、園用語はなかなか通じないものですよね。その日のこと簡単に伝えるには、見てすぐわかる表があるとコミュニケーションも測りやすいのですよ。もちろん、言葉のわからない園児にも使えるので一つあればとても便利です。
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ランゲージエクスチェンジ
地域によっては、ある程度国籍が同じ人たちが集まっていることも多いかと思います。園や先生達も、一方的に日本語を伝えるのではなく保護者が話す言葉を理解する努力も必要です。簡単な単語であれば日本語と交換するようにして保護者に「それは、そちらの国ではなんというんですか?」などと聞いてみてあげてください。自分の国について聞いてきてくれると保護者も喜びますし、先生が自分のことをわかってくれようとしていると安心することができるでしょう。あまり、頭を固くせず遊びのようにして保護者の方と言葉の交換をしてみてくださいね。
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できるだけ早く、何回も情報提供する
日本語のわからない保護者や園児には、園についてや次の行事の情報をできるだけ早く教えてあげるようにしましょう。言葉がわからないと、伝えられたことを理解するまでに時間を要してしまいます。インターネットで調べたり同じ国の人に情報を聞いたりと、日本人に伝えて理解してもらうスピードの倍はかかると思ってあげてください。早く情報を開示してあげることで、保護者の方にも準備する時間を与えてあげられるので園全体でサポートしていくと良いと思います。また、よくあるのが忘れられることです。忘れていたのか、伝わっていなかったのか先生も戸惑うことはあるかと思いますが、いずれにせよ、日付と時間と内容は3回くらいは伝えてあげるようにしましょう。そうすると、「あれ?この前言いましたよ?」とトラブルになることも少なくなるはずです。園児についても、園での次の活動は他の子どもより早めに伝えてあげる方が良いでしょう。子どもは順応性も高いので、園生活に慣れてくると、他の子どもと同じように過ごすことができるはずです。
先生達の少しの気遣いが、外国籍の保護者や子ども達にとっては安心の材料になります。日本の保育現場は他の外国と比べても、とても目が行き届いている安全な現場ですが
、そのためには、園と保護者の協力がなくては子ども達の良い園生活は成り立ちません。
あまり難しく考えずに、異文化共生現実と少しづつ向き合っていけるといいですね。