新学期が始まって、新しいクラスの保護者の方にも慣れてきた頃でしょうか?親しみやすい感じの人、明るい雰囲気の人など全ての保護者が同じように付き合いやすいタイプの方だと嬉しいなと思うのが、先生の本音ですよね。お子さんをお持ちの先生は、自分の子どもを持ってみて“保護者ってこんな気持ちだったのか”と気づいたという先生は意外と多いですね。しかし、先生にはなかなか保護者の目線に立ったつもりでも、イマイチわからないということはありませんか?お勤めの園からは、常に保護者の気持ちに寄り添って!などと言われることが多いかもしれませんが、先生だからと言って初めから子どもの事も保護者のことも全部わかる人はいません。そこで、今回は“保護者“ってどんな人たちなのかを改めて考えていきます。保護者を受け入れるためのアドバイスとともにお伝えしますので、”こんな人たちが自分に子どもを預けているんだ“と気づいていただけると嬉しいです。
お母さん・お父さんになる前の“保護者“
園で接する保護者の方は、初めからお母さんお父さんではなかったということ、意外と忘れがちではありませんか?親なのになんでこんなこともわからないの?なんて思ってしまう先生もいるかもしれませんが、保護者の皆さんは親になる前は普通の学生、会社員だったんですよね。私たちは、保育の勉強をしてきたから子どものことがわかるのであって、そうでない人は子どもができて初めて子どもを抱いたり、子育てをしたり、保育園や幼稚園に接点を持ったという人たちがほとんどでしょう。特に、乳児さんをお持ちの保護者などは、まだまだ子育てに迷う毎日を送られています。ついつい、先生目線でアドバイスしたり、“子どもはこういうものですよ“などと意見を言ってしまうこともあるかもしれませんが、保護者にとっては先生の一言は意外と大きく受け止めてしまいます。我が子を保育園に預けるということでさえ罪悪感にかられている人も多いので、できるだけ安心できる言葉を選んで声をかけてあげると良いでしょう。
親と子ども、時々先生
保育園や幼稚園で子どもを預かっていると、保育園での子どもの様子しか見られないために“この子はこんな子ども”とクラスの中の一人としてみていることが多いのではないでしょうか?保育園の場合は、実際親といる時間よりも先生といる時間の方が長いので、保護者の知らないことを先生の方が知っているということもあるかもしれません。しかし、子どもは家庭がベースです。保護者の方も自分の子どもがクラスの中にいても個としてみているので、やはり先生の立場から見る子どもとは違います。乳児さんですと、ついこの前までお腹にいてた子どもが、違う人に抱かれているだけでもお母さんは心配になってしまうものです。先生はあくまでも、子育てを一緒にしてくれている共同者という役割で保護者たちはみています。保護者にとったら親と子どもの生活があって、時々先生がいると言うような感覚でいる方が多いので、“うちのクラスの一人“という内側の見方ではなく、”このお母さんお父さんから預かる大切な子“という感覚を持つと、苦手な保護者ともコミュニケーションの取り方があ変わってくるかもしれませんよ。
みんな過保護で当たり前
先生からみて、この保護者ってすごく心配性で過保護だな…と思う人もいますよね。
1日の様子を細かく聞いてきたり、怪我や風邪だけで大騒ぎしたり、先生にとっては“それくらい大丈夫じゃない?“と思うことも、保護者にとっては小さなことが意外と深刻な問題だったりします。親だから心配になるのは当たり前なのですが、特にお母さんはお腹の中で10ヶ月も育てて、暗いトンネルを抜けて生まれ出てきてくれた我が子が特別な存在で仕方なく、自分の分身のように感じている人も少なくないでしょう。ですから、誰でもみんな過保護なのです。しかしこれは悪い意味ではなく、子どもがそれだけ大切にされているという証拠。みんな一人一人が特別な存在で、そんな子どもたちをお預かりしているという認識を持ってみてください。きっと、保護者の気持ちが伝わってきて、クラスの子ども一人一人への思い入れもより一層強くなるでしょう。