皆さんの園では、どのくらいのペースでお絵かきをしますか?園によっては毎月壁面に飾る絵を描いたり、年間何十枚も描かせる園もあるかと思います。しかし、絵画指導の苦手な先生にとっては、テーマを決めが意外と大変だったりしますよね。また、どのように指導したらいいか悩んでいる先生もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、絵のテーマの決め方や指導方法について少しご紹介します。
絵本からテーマ選びをしてみては?
日頃の生活や、経験から絵を描かせることは意外とイメージ通りに描けなくて子どもも描きにくいってご存知でしたか?目で見たものを頭で考えて写真のように描くのは大人でも難しいですよね。ましてや、低年齢の子どもにとってはまだ描く力や書き方、画材の使い方などもわからないため、なかなか描きづらいものなのです。そんな時、お絵かきのテーマに選びやすい材料として、身近な絵本をテーマにしてみてはいかがでしょうか?
低年齢児のおすすめは、大きな動物や描きやすい動物が登場するものが良いでしょう。年長さんくらいになってくるとストーリー性があって色々な登場人物が出てくるものでも構いません。先生も教えやすいですし、子どももイメージを掴みやすいので園にある絵本の中で探してみてください!
画材の選び方
さて、絵本からテーマを選ぶ時もう一つ大切なポイントがあります。それは、その絵本がどんな画材で描かれているかです。例えば、絵のタッチがぐにゃぐにゃとしているような線で描かれていたら、クレパスを選んでみるといいでしょう。また、デジタルチックな絵や、細かい絵などを描かせるときは、筆運びが良いようにマーカーが適しているでしょう。少し、ふんわりした絵や幻想的な絵の場合はパステルなどを使うと絵本のテーマやイメージに合わせた絵が仕上がります。絵本作家さんによって使っている画材が違うことがあるので、よく絵のタッチを見てみると良いですよ。
指導の仕方
一番悩みが多いのは、指導の仕方ではないでしょうか?もちろん自由に描いてごらんといってかける子どもはそのまま描かせると良いと思います。しかし、大きな空白の画用紙を渡すと、どうしても画用紙を埋めなければいけないという脅迫観念にとらわれて、どのように描けばいいのか、失敗したらどうしようと思ってしまう子どもが実は多いのです。そんなとき、先生の書き方指導に工夫を加えると子どもたちはたちまち楽しく描けてしまいます。
まず、描く前にストレッチをします。腕を大きく回してクレパスをぐるん!っと腕いっぱい使って描くイメージトレーニングです。その次に、先生のお手本を子どもたちと一緒に書きます。時々、わざと失敗するところを見せると子どもたちも気分が楽になるでしょう。
ここで真似して欲しいのは、先生のお手本は利き手でない方の手で描くことです。そうすると、まだうまく腕や指先の力を自分でコントロールできない子どもの腕力や握力と同じ感覚になります。まるを描くときもわざとグニャっとさせてOKです。また、子どもと一緒にお手本の絵を作るためには、「こんなのかな?」「大きく描くのは大変だからみんな応援して!」など、子どものレスポンスを大切にしながら仕上げてみてください。そうすると、絵を描くことが苦手な子どもでも楽しみながら気楽に描けるでしょう。
個別に指導する際は、近くに行ってとにかく良いところを見つけてあげてください。特に、すごいね!と褒めることはしなくても構いません。どこが難しいのか、どの辺に力を入れて描いたのかなど、プロセスを聞いてあげる方が子どもたちの絵の自由度は増します。
先生だからといって、得意、不得意なものはありますよね。それは子どもも同じですので
必ず完璧に仕上げさせることを最終目標としなくて大丈夫です。保育の中の子どもの経験は、できないことや苦手なことを見つけるのではなく、得意なもの、好きなものを見つける方が大切です。先生もあまり気を張らずに楽しんでお絵かき指導ができるといいですね。