日々の積み重ねと毎日の発見が繰り返される保育の現場。保育環境についてみなさんはどんな工夫をされているでしょうか?毎日登園する子どもたちには、しつけや生活習慣に加えて、子どもたちの意欲や興味・関心を膨らませて主体的な行動をできるような環境を整えてあげたいものですね。そこで今回は保育室の中でできる環境設定アイディアをご紹介します。子どもたち参加型のアイディアもあるので、ぜひクラスでやってみてくださいね。
生活の見通しを持たせる
年間を通して生活のリズムやタイムスケジュールはどこの園でも設定されていると思います。子どもたちも「今日はどんなことをするのかな?」と毎日ワクワクして登園している子もいれば、いつも先の活動に不安を抱く子どももいます。そのため、1日のスケジュールは子どもたちの目に見えるところに表示して朝の会などの時にみんなで確認してみましょう。口頭のみで説明してもわかりにくくイメージも湧きにくいので、写真や絵カードを使うとわかりやすいでしょう。また、4歳児さん以降になるとなんとなく時間の感覚が身につきだす頃ですので、時計のカードも用意しておくとお部屋の時計と見比べて時計の読み方も自然と身につけることができますよ。
整理整頓を身につける
子どもたちにとって大きな空間で整理整頓をすることは難しいことです。しかし、毎回先生が手を加えていると仕事が増えて大変ですよね。子どもたちはやり方さえ覚えれば意外な助っ人として力を発揮してくれるものです。
身の回りにあるものを子どもの力でキレイにさせるには、基本的に形や数字、色、マークなどを上手に使うとよいでしょう。ゴミの分別にはゴミ箱の色を変えてみたり、トイレのスリッパを並べる時はスリッパの形を型どったシートなどを床に貼っておくとキレイにスリッパをその上に置いて並べてくれます。おすすめは100円ショップに売っている便座シートが子どもの足の形に似ていて切りやすく、床にも貼り付けられて便利ですよ。その他、おもちゃなどの片付けはカゴやおく場所に写真や絵を貼っておくと見事にキレイにお片づけ上手になります。
色々な遊びの中で・・・
日々の遊びの内容もその瞬間で終わらせるのではなく、保育室の外などに掲示してお友達や保護者に見てもらいやすくすると良いでしょう。例えば、お散歩の途中に見つけたお花や木の実は園に持ち帰って写真を撮ったり実物を飾って教室の入り口付近に貼ってあげます。この時、「〇〇くんの発見!」などと見出しをつけたり、「これは何の実?」「いくつあるかな?」などとクイズ付きにして掲示すると、大人も子どもついつい立ち止まってみてしまうことでしょう。また、掲示板の近くに、関連した絵本や図鑑をおくと学びの幅を広げることができるでしょう。
お部屋の中での遊びでは、文字や数字が登場するような歳の子どもたちには、ペンやクレパス、紙、折り紙などを用意しておきましょう。お店やさんごっこなどで展開される遊びの中では、お金やメニュー表、遊びの中の小道具なども子どもたちの力で自由に作ることができます。
絵本コーナーで自由な空間を
絵本コーナーをお部屋に作る場合は、おままごとなどのコーナーから離れたところに設定します。机と椅子を置いて一人でお気に入りの絵本のページをめくったり友達と一緒に読み合いをしたりして、お気に入りの場所になるようにしてあげましょう。月ごとに、季節に合わせた絵本を入れ替えたり、先生やお友達のおすすめ絵本を紹介する場所を作っても面白いかと思います。4〜5歳クラスには、あいうえおポスターを貼って文字に興味を持てるように促すと。次第に文章も読めるようになりますよ。
先生のちょっとした工夫でクラスの活動がいろんな展開を見せたり、お友達や保護者との共有情報として良い空間に変身します。環境設定はもの置いたり整えることも大切ですが、それぞれが保育から展開された設定であればあるほど保育活動がどんどんと面白くなるでしょう。