戦いごっこは悪いこと?

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戦いごっこは、子供達特に男児に人気の遊びです。

しかし「ごっこ遊び」のはずがエスカレートしすぎて本当の喧嘩になってしまったり、他の遊びに集中できずに戦いごっこばかりを繰り返していたりと、保育士にとっては対応に困ることも多いはずです。

今回は「戦いごっこ」について考えてみましょう。

 

戦いごっことは

私自身は子どもの頃に経験のある「戦いごっこ」ですが、皆さんはいかがですか?

テレビで人気のあるヒーローになりきってパンチやキックを繰り出したり、高い場所から飛び降りたり、自由気ままに戦いごっこを楽しんでいた記憶があります。

本来戦いごっこは「ごっこ」と言う言葉からもわかるように、戦いを真似してなりきって遊ぶものです。

相手を倒すことが目的ではなく相手との「やりとり」を楽しむものなのですね。

 

戦いごっこの中のやりとりを見てみよう

3歳児(あるいはそれ未満)の頃は、戦いごっこの中では全員がヒーロです。

それぞれが悪者を倒すつもりで戦います。

一人がなりきってポーズを決め始めると、それを真似して一人、また一人とヒーローが増えていきます。

それぞれが相手を倒すつもりでいるので、トラブルになりやすい戦いごっこでもあります。

戦いの途中で「けられた」「叩かれた」と本当に喧嘩になることも多い時期です。

5歳児頃では、実際にテレビなどでみるヒーローと悪者に分かれて戦いごっこをすることも増えてきます。

しかし明確に「俺はヒーロー、〇〇君は悪者」という相談なしに始まってしまい、弱い立場の子を常に悪者にしてしまうことも起きてしまいます。

いつも悪者役の子やその親は「まるでいじめだ」と感じてしまうかもしれません。

そんな場合は保育士が少し介入してごっこ遊びを盛り上げてもいいと思います。

誰かを悪者にするのではなく「見えざる敵」を探す!などストーリー性を持っても楽しいと思います。

戦いごっこか・・・と見守るだけでなく、そのやりとりをしっかりみていくことが大切です。

 

戦いごっこと見せかけた落ち着きのなさ

集団で話を聞こうとしている時、遊具をみんなで片付けている時、他の子達が集中して遊んでいる時・・・

そんな時に数人で、叩きあったり蹴りあったりする戦いごっこはありませんか?

あるいは一人でシャドーボクシングのようにパンチの真似をする子はいませんか。

私はこれは戦いごっこ遊びではなく「集中が途切れたサイン」とみています。

こんな時は保育士の環境作りや、子供への働きかけを見直すべきです。

「いつも戦いごっこになっちゃう」ではなく、「なぜ集中が途切れてしまうのだろうか」と考えます。

この状況は他の子の活動にも影響しますし、時には関係ない子が蹴られたりパンチを受けたりすることもあるでしょう。

クラスの雰囲気を変えてしまうこともあります。

話が聞けていないなら、保育士がその子たちを引きつける何かが足りないのかもしれません。

片付けをせずに暴れているのは、片付け方が身についていなかったりやり方がよくわからないのもしれません。

遊びに入り込めずに戦いがはじまってしまうのは、遊びの提供が間違っているのかもしれません。

自分の保育を見つめ直すきっかけにしてみましょう。

 

戦いごっこを悪者にしない

「また戦いごっこ?まったく・・・」と戦いごっこを毛嫌いせずに、その状況をよく観察していきましょう。

ヒーローに憧れる気持ちも、それになりきることも子供の成長にはとても大切なことです。

しかし、昔は週に一度の放送を心待ちにしていましたが、今では録画していつでも見られますしDVDやネットの動画を使えばいつでも、いつまででもそれに浸って入られます。

それに浸りすぎてしまい、毎日がそれ一色になってしまうことも多いでしょう。

そのような背景を考えると、戦いごっこに夢中になってしまう状況もわかります。

これはもう大人の責任ですよね。

戦いごっこだけを問題にせず、家庭でどのように番組を見ているかなど話してみてもいいかもしれません。

夢中になる気持ちを理解しながら、今どんな状況でそうなっているのかをよくみていきましょう。

楽しくごっこ遊びができる環境を整えてあげてくださいね。

 

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