子供の足を観察したことがありますか?
「足」は健康に育つ為に、または健康を保つためにとても大切な部位です。
今回は「子供の足」について考えていきましょう。
◯子供の足の問題
今子供の足に問題が増えているのを知っていますか?
いくつか見ていきましょう。
・扁平足(へんぺいそく)
大人でもよく「私扁平足だから疲れやすくて」と言う人がいますね。
子供ならば3歳くらいまでに「土踏まず」ができます。しかし、足首が柔らかかったり靭帯が緩かったりすると、土踏まずがうまく作られず足の裏がぺったりと地面についてしまいます。
他に異常がなければ、扁平足自体は病気ではないので問題はないのですが、ふくらはぎが痛くなったり足の裏が疲れやすくなったりします。
・外反母趾、内反小趾(がいはんぼし・ないはんしょうし)
外反母趾は大人でもよく見られる、親指が内側に曲がってしまう症状です。
内反小趾はその逆、小指が内側に曲がってしまうものです。
乳幼児期の子供の足は軟骨でできているので、力を加え続けると形が変形してしまいます。
合わない靴が原因にあるようです。
・浮き指(うきゆび)
指が地面に触れず浮いている状態を「浮き指」と言います。
踵に重心が入ってしまい、姿勢の悪さの原因になっています。
浮いているということは、指の役目を果たしていないということです。
全部の指が浮いている人もいれば、一部だけ浮いている人もいます。
大人になるにつれて、肩こり・首こり・頭痛などに苦しむことにもなります。
地面をしっかり捉えていないので、歩き方そのものにも問題が出てきますね。
・指が曲がる
浮き指と似ていますが、指が変形して曲がった状態の場合もあります。
浮き指と同じ様に、姿勢に影響しますし体の不調にもつながります。
・タコができる
本来子供の足に「タコ」ができるのはおかしいのですが、合わない靴を履き続けているとタコができることがあります。
子供の足からの重大なサインであると捉えましょう。
◯靴の大切さ
先にあげたような症状が見られた子供があなたの周りにはいましたか?
もしもそのような子供がいたならば、今度は「靴」に注目してみましょう。
靴は歩くために必要なものです。
正しく歩く為に、また、足を健康に保つ為にはどのような靴を選べば良いのでしょうか。
・サイズがあっている
当たり前でしょ?と思われるかもしれませんが、足に合わないサイズの靴を履いている子は意外に多いのです。
外から見ただけではサイズがあっているかどうかが分かりづらいということも原因かもしれません。
実際につま先を触って、詰まっていないか、あまりすぎていないかを確認しましょう。
小さすぎるとつま先が痛くなりますし、大きすぎると指を曲げて踏ん張らないと足が靴の中で動いてしまう様になります。
適切ななサイズは、人差し指の先から5ミリ〜10ミリの余裕があり、足指がグーパーと動かせるくらいのゆとりがあることが目安です。
また、履く時に「かかと」をしっかりと合わせてからつま先を測る様にしましょう。
つま先トントンではなく、かかとをトントンですよ。
・柔らかさ
靴底は柔らかくても硬すぎてもNGです。
親指の付け根部分が歩くときに柔軟に曲がるものがベストです。
またかかと部分には芯が入ってしっかりとホールドしてくれるものがいいでしょう。
・靴紐
幼児期は靴紐タイプはあまり履きませんね。
その代わりマジックテープがついているものをよく履いていると思います。
1本タイプよりも2本のものを、さらに金具で折り返す様になっているものが締め具合の調節ができておすすめです。
昔の子供がよく履いていたいわゆる「ズック」のようなシンプルな形は、足のことを考えると適切ではない様です。
◯上履きは足には良くない
保育室では上履きを履いていると思います。
しかし、実は上履きはその構造上、足にはよくないと言われています。
先述の良い靴に当てはめて考えると、上履きは柔らかすぎで、足をホールドするマジックテープもなく、履いているうちに生地が緩んで伸びてしまうので、適切な靴とはいえないようです。
もしも園で上履きについて考える機会が取れるならば、どんな靴が上履きにふさわしいかを考えてみるのもいいでしょう。
長い時間子供の足を包むものですから、よく吟味したほうがいいと思います。
◯一生大切にしたい足
高齢者になると、しっかりと歩けることが健康につながると言われます。
しかしそれは、乳幼児の頃から始まっていることなのですね。
保護者と一緒に大切な子供の足を見つめてみてください。
そして靴選びから始めてみましょう。