乳児(1.2歳児)の環境を考える~保育室の設定~

ライン インスタグラム
ライン インスタグラム
Pocket

◯ 配置で工夫しよう

1・2歳児の保育室は、生活と遊びの場としての機能を求められます。

食事の場所、午睡の場所、排泄の場所、遊びの場所など、ひとつの部屋で多くのことを行わなければなりません。

もちろん、食事をするための部屋、午睡の部屋・・・などそれぞれ独立したスペースがあればスムーズに動けますが、狭い園舎ではなかなか広いスペースを取ることが難しいのではないのでしょうか。

それでも排泄(オマルなど)の場所と食事の場所は分けたい、と思う物です。

衛生面を考えてもそうなのですが、どうしても近い場所に設置しなければならにこともあります。

そのような時にはどうすればいいのでしょうか。

 

・低い棚を仕切りに使う

乳児が椅子に座った状態で周りが見えないくらいの高さの棚を有効に使いましょう。

この時のポイントは「子どもからは見えないけれど保育士からは見える」ということです。

子どもから見えないことで、子供にとってそこは一つの部屋のように感じられます。

しかし安全面からも安心感からも、保育士の目線は子供に向いていなければなりません。

「子どもからは見えない・保育士からは見える」を気にしながら棚を配置してみましょう。

 

・手作りの仕切り

私のいた園では牛乳パックを使いL字型の仕切りを作っていました。

この仕切りは大量の牛乳パックを組み合わせて作るので、とても重量があります。

(一つのパックの中に更にパックを詰め込んで丈夫にするので、とても重いのです)

しかし重いので子供が寄りかかっても倒れませんし、子供が押して歩くこともできないので安全です。

表面に飾りを貼って可愛く装飾もできるので、保育室が明るくなります。

ただし、よく考えてから作らないと、処分するときも大変です。

長く使えるようであれば、作るのも良いかもしれませんね。

 

・アコーディオンカーテン

一度縦長に広い保育室で保育したことがあります。

そこでは、アコーディオンカーテンを設置しました。

完全に仕切ることで、食事の部屋、午睡の部屋と分けることができ、動きがスムーズになりました。

これは園の設備になるので、簡単には変更できませんが一つの参考にしてみてください。

 

◯押し入れも遊び場に

これも広めの保育室での経験ですが、あまりにがらーんとしていたので、子供たちが身を潜めて遊ぶ場所がありませんでした。

そこで、押し入れの扉を外して遊び場にしてみました。

子供たちは狭くてちょっと暗いところが大好きです。(苦手な子ももちろんいます)

開放した押し入れの下の段は、子供たちが入り込んで遊ぶにはもってこいの場所でした。

押し入れの中にはおもちゃは何も配置しませんでした。

クッションやら布やらを持ち込んでおしゃべりする子たち。

ブロックを運び込んでガチャガチャと遊び出す子達。

その時々で子供たちの遊びにピッタリの場所になりました。

中でもおすすめは、子ブタのおうちです。

三匹の子ブタのごっこ遊びで、押し入れの下が子ブタのおうちになります。

オオカミが息を「フーッ」とすると押し入れから飛び出し、またそこに戻ります。

子供たちの想像力で、藁のうちから木のうちに、そしてレンガのうちに変わります。

布で押し入れを隠すと本当に狼から逃げている感じがして、子供たちも息を潜めて隠れます。

「押し入れは物入れ」という概念をちょっと外すだけでとても楽しい遊び場が出来上がります。

(実践する場合はくれぐれも園長の許可をとってくださいね)

 

◯動ける場所も作ろう

2歳児くらいになると、動きたい子供たちが走り回ることも多くなります。

「走らないで」と止める場合もありますが、思い切って運動遊びの場所を常設してみましょう。

これも部屋の広さなど難しい場合もありますが・・・

巧技台など専用の物を使用してください。(椅子やテーブルでの代用は絶対ダメです)

常設するのであれば、どの子がやっても無理のない設定にします。

(運動が苦手な子に合わせる)

低いところからのジャンプでも十分楽しめます。

マットもしっかりと敷きましょう。

もちろん保育士がつくのが前提ですが、子供たちが好きな時にジャンプができたりよじ登ったりできると、発散できるのでただ走り回るようなことが減ります。

巧技台が難しいならマットを丸めておくだけでもよじ登れて楽しいかもしれません。

ぜひクラスで工夫してみてください。

 

◯まとめ

乳児は環境をしっかり整えることで保育士も動きやすくなり、子供たちも落ち着いて過ごすことができます。

今の環境を今一度見直してみませんか?

また新しく乳児の担任になったら、色々と工夫してみてください。

大人も子供も落ち着く保育室を目指しましょう。

 

保育士の求人
保育士の求人