近頃、子ども虐待のニュースが相次ぎ、とても悲しい気持ちになってしまうことが多いですね。読者の皆さんの園ではどのように子どもの虐待に対して対策をしていらっしゃるでしょうか。一番子どもの近くにいてよくわかる先生は、様々な状況下にいる子どもたちの唯一の手助けになる可能性を大いに持っています。各園や市町村で、対策が寝られているかもしれませんが、今回は園で行うべき対応の“きほんのき”をおさらいしておきましょう。忙しい保育の中でも、毎日できるさりげないチェックで早期発見できるかもしれません。
身体チェックのための“おはようのぎゅっ!”と“バイバイぎゅっ!”
皆さんは、子どもと挨拶する時はどのようにしていますか?元気な笑顔を見せて大きな声で挨拶してくれる子どもをみると安心してしまうかもしれません。しかし、子どもの様子は触れて確認することも大切です。乳児さんであれば、オムツ替えの時など、子どもに触れることが多いので体の傷やあざは見つけやすいですが、幼児になると少し難しくなりますよね。そんな場合は、おはようとさようならの挨拶の時、ハグをしてあげましょう。私の園では、子どもと手をハイタッチしながらギュっ!としてあげます。そのあと、お話しがらどこか変わったところはないか、怪我やあざがないかなどをチェックしています。気になる子どものみにしてしまうと、年中、年長の子どもくらいになれば、“なんで○○ちゃんだけ?”っと、勘付かれてしまいます。できるだけどの子にも平等にしてあげることで、いろんな子どもの小さい変化に気づいてあげることができるでしょう。
トイレの時などにさりげなくチェック!昨日と同じ下着ではないかな?
虐待は、暴力だけではなくネグレクトも含まれ、保護者の精神状態が良くない時などは子どもの世話も放って置かれてしまうこともよくあります。痩せている、顔色が悪いなど見た目で判断できれば良いですが、そうでない場合もありますよね。そう行った場合は、子どもの下着を毎日チェックしてあげてください。お家でちゃんとお風呂に入れてもらっていたら、下着は新しいものに変わっているはずですよね。年長さんくらいになってくると、トイレも自立していますし、わざわざ子どもを捕まえてチェックするわけにもいけませんから、トイレ休憩の時などに先生がさりげなく確認することをお勧めします。風邪などで、お風呂に入れていないこともありますから何日か様子をみて、3日以上同じ下着であったり髪の毛がべっとりしていたら、その後も注意して子どもや保護者の様子を見てあげる必要があるかもしれません。
子どもの目を見て話をしっかり聞こう
虐待が疑われるお子さんは、無表情であったり、変に保護者の機嫌をとるような表情をしたり、些細なことで脅えるような表情をしたり、落ち着きなくキョロキョロして周囲をうかがうような表情をしたりと、不自然な表情をする子どもが多いです。また、こちらが「どうしたの?」など、話を聞こうとするとはぐらかしたり、つじつまの合わない説明をしたりすることが多いようです。小さい子どもであると、つじつまの合わないことは“まだ小さいからちゃんと説明できない“と思われてしまいますが、子どもなりに伝えたい気持ちや、伝えることへの不安な気持ちがあり、言いにくいだけなのです。
まずは、しっかりと目を見てあげること、そして話をそらしたり、つじつまの合わないことを話し出しても、にっこり笑顔で“話を受け入れるよ”という表情でじっくり時間をかけて聞いてあげましょう。
上記のような小さな行動を保育の中に取り入れることで、日頃の子どもの様子から虐待を見つけることができるかもしれません。毎日登園してくれる子どもは様子を見れるのでまだ救いようがありますが、困ってしまうのは休みがちな子どもですよね。保護者の方が登園させないようにしてることもあるので、電話やお手紙などで様子を伺うことも大切でしょう。一番大切なのは、少しでも“あれ?”と思ったら、先輩保育士や同僚でもいいので、誰かに話してみることです。あなたの気づきが大きな事故を防げることもありますので、気をつけて保育していきたいですね。