保育士には「文章を書く」仕事がとても多くあります。
毎日の連絡帳・日誌・クラスだより・園だより・・・計画案まで含めると数えきれない程です。
保育士の悩みの中で、実はこの文章に関する物が多いのです。
「クラスだよりを書いたけれど、クラスのリーダーからなかなかOKがもらえない」
「先生の連絡帳の書き方では保護者に伝わらないとよく言われる」
今まで意識せずに書いてきたものにダメ出しをされても、どうやって直していいのかわからないのが正直な気持ちだと思います。
皆さんはその「文章」をうまく書けていますか?
◯「文章」と「文」の違い
文章をうまく書く話の前に、「文」と「文章」の違いについて触れておきましょう。
この2つの違いを知っていますか?
【文】言葉の始めから句読点までの一続きの言葉
例「朝から雨が降っている」
【文章】いくつかの文をまとめて、意味や考えや気持ちを表すもの
例「朝から雨が降っている。こんな日は仕事に行くのが嫌になってしまう。昨日買った傘をさして気分だけでも明るくしよう。」
お分かり頂けましたか?
ここで大切なのは「文を並べただけでは文章にはならない」ということです。
【文章になっていない】
例「朝から雨が降っている。目玉焼きには塩をかける。新しい服が欲しい。」
文を並べただけでは、まとまって一つの意味にはなりません。
読む相手にも書き手の思いは伝わっていません。
クラスだよりや連絡帳を何回も書き直しさせられているあなた。
もしかしたらちゃんと「文章」になっていないのかもしれませんよ?
一度自分の書いたものをじっくり読み直してみてください。
◯相手に何を伝えたいのか
園だよりやクラスだよりなどで文章がうまくかけない人は、まず「何を伝えたいか」から考えましょう。
よく見かけるのが、冒頭の季節の挨拶で悩んで先に進まない姿です。
確かに毎回同じ様な書き出しになってしまい悩む箇所ではありますが、そこはスペースを空けておいてください。
そこに悩む前にやることがあります。
まずはそのお便りで保護者に伝えたいことを、箇条書きにしてみましょう。
頭の中にあったとしても、一度紙に書き出すことで整理することができます。
この箇条書きにしたものは、それぞれの見出しにすることができます。
これは簡潔に一目で何が書いてあるかわかるためのものです。
この見出しだけをみても、保育士が何を伝えたいのかがわかるものですから、しっかり決めていきましょう。
さて問題はここからです。
毎回書き直しをさせられる人は、この後の作業でつまずいているのでしょう。
それは「わかりやすい説明ができていない」ことだと思います。
◯小学生でも読める様に書く
私たちが園のお便りに書く内容は「お願い」だったり「園の様子」だったり「子育てで伝えたいこと」だったりしますが、気をつけないとわかりにくい表現になりがちです。
私たちが「知っている・わかる」言葉でも、読み手にうまく伝わらない場合もあります。
例えば【巧技台で遊ぶ時にズボンの裾を踏んでしまい危ないことがあるので運動に適した服装を用意してください】
皆さんの中にも「巧技台」がわからない人もいるでしょうか。運動遊びに使う高さを調節できる運動遊具です。
私は当たり前の様に使う言葉ですが、保護者に至っては「何それ」状態だと思います。
これを書き換えてみましょう。
《遊ぶ時にズボンのすそをふんで転んでしまうことがあります。ズボンのすそは足首より上の、短めのものを用意してください。》
先ほどよりもわかりやすくなりましたね。
コツとしては、小学生が読んでも意味がわかる様に簡潔に書くことです。
これは保護者を下に見ているということではなく、幅広い人に読んでもらうお便りは、誰でも簡単に読める様なものにするという意味です。
行政が出しているお知らせも(HPなどに乗っているものも)よく見てみると通常の文章の物と簡単な言葉で書かれた物が2つ出ていることがあります。
読み手に寄り添う気持ちが大切なのですね。
相手に寄り添い「何をわかってもらいたいのか」を一番に考えながら書いてみてください。
一つの物事に対して、「何を」「なぜ」「どうやって」と意識していくと尚良いかもしれません。
◯何度も読み返そう
書いた文章は必ず何度も読み返してください。
誤字脱字だけではなく「本当に意味が伝わる文章かな?」に注目して読み直してください。
私は、書き上げた文章はパソコンの「読み上げ機能」を使い、耳でも確認しています。
それでも間違いはありますが・・・
文章をかくのが苦手な人は特に音読をするとわかりやすいと思います。
相手に伝わる文章が書ける様に頑張ってくださいね。