保育士をしていると、子供たちのことばに驚いたり、感動したり…。
今回は、そのエピソードをご紹介したいと思います。
1.「スリッパ、また履きやすいようにね」
保育室の前でスリッパを脱いで中に入った私。
それを通り際にみたSちゃん。
お部屋から出るときに履きやすいように向きを変えてくれているのです。
それを見た私は、「わぁ!ありがとう!先生、嬉しいよ!」と抱きしめました。
すると、次の日から、私のスリッパだけでなく、ほかの先生のスリッパも全部向きを変え、きれいに並べ替えてくれているのです。
それに気づいたほかの先生たちも、「わぁ!ありがとう、Sちゃん。優しいね。」と絶賛!
Sちゃんだけでなく、他の子供たちもみんなで一緒に並べ替えてくれるようになりました。
保育園のいいところって、こういうところにあるのかもしれません。
子どもたちのおかげで、いつも先生たちのスリッパはきちんと整列されています。
「子供たちのいいところを発見して、ほめてあげることでみんなの心が変わっていく。」
どんなに小さなことでも子ども達をたくさんほめてあげたいですね!
2.「スリッパみつけたよ!」
どうしても見つからない私のスリッパ。
「ねぇ、誰か先生のスリッパしらない?」
「はーい、僕知っているよ!」とO君。
急いでどこからか私のスリッパをもってきてくれました。
ありがとうのハグをすると、とても嬉しそうなO君。
ところが、いつもいつも私のスリッパがなくなるのです。
そして、子どもたちに聞くと、決まって手をあげるのはO君。
「そんなところに、先生は置きっぱなしにしていたのね。見つけてくれてありがとう!」とまたO君にありがとうのハグ。
ある日、また私のスリッパがなくなったので、「先生のスリッパしらない?」と子供たちに聞いたところ、O君が「僕知ってる!」といつものように手を上げました。
そして、行きついた先はなんと園庭の砂場。
砂を一生懸命掘り起こして、私のスリッパを見つけてくれました。
「そんなところに脱いでいたのね!」
と、私。
「うん、気を付けてね!先生!僕が見つけてあげたよ!」
そして、いつものハグ。
とっても嬉しそうなO君でした。
でも、さすがに砂場は…私は苦笑いしました。
3.車のカギがない!
一日の仕事が終わり、帰宅の時間になりました。
ところが、机の上に入れておいた私の車のカギがないのです。
バッグの中やロッカーなど、思い当たるところは全部探しましたがどうしても見つかりません。
まさか…と思いながら、すでに帰宅した子どもの親に何人か連絡してみました。
保護者はきっと、「変なことを聞いてくる先生だ」とおもったでしょう。
しかし、案の定、すでに帰ったY君のカバンの中に入っていたそうです。
「すみません!うちの子が!!」
急いでママが持ってきてくれました。
「先生がおうちに帰れないでしょ!」とY君に話しています。
すると、Y君が言いました。
「だって僕、先生のことが大好きだから、先生の大切なものがほしかったんだよ。」
なんともかわいらしい回答で、私も笑ってしまいました。
4.先生みたいな保育士になりたい!
保育園を卒園した子たちが、小学校に入学し、それから6年。
小学校の卒業式になりました。
その小学校は人数が少ないため、一人ひとり、将来の夢を発表するという形式をとっており、来賓として私は参加しました。
その時、私が卒園させたMちゃんが大きな声で将来の夢を発表しました。
「私は、自分が保育園を卒園したときの担任の〇〇先生みたいな保育士になりたいです!」
大きな声で私の名前が呼ばれた時には、本当にびっくりしました。
私はとても胸が熱くなり、「保育士になって本当に良かった!」と心から思いました。
私たちの仕事は、次世代に責任をもってバトンタッチをする大切な役割を持っているのだと実感しました。
「先生のような保育士になりたい!」
卒園した子どもからの最高のプレゼント!
「ありがとう、Mちゃん。保育士になって、また、ここに戻っておいで!待っているよ!」
私はMちゃんにエールをおくりました。
終わりに
私たちは、日々、子どもたちからたくさんの学びや発見をもらっています。
一生懸命子どもと真剣に関わり、そして向き合うからこそ、子どもたちが慕ってくれる。
そこに、私は今まで自分が行ってきた保育の答えを見出したような気がします。
もっと、保育士の魅力を伝えたい!
保育士っていいね!