保育の専門学校や大学で学んだ保育概論と現場では、当たり前ですが全然違います。
年齢によって発達段階は違いますので、おおよその学ぶ内容というのは変わりありません。
しかし、それがすべての子供に当てはまるのかというと、決してそうではなく、一人ひとり個性があり、子ども達それぞれ発達のステップが違ってくるのです。
“この年齢だから、このくらいのことできないといけない”
排泄にしても食事にしても遊びにしても、すべて教科書通りではありません。
一人一人の子供を尊重し、対等の立場で子供と向き合うようにしてください。
私たち保育士の仕事として重要なことは、子どもたちの将来を見据え、この大切な乳幼児期に子ども自身に“自立する力”を身につけさせることです。
自立するというと、ふと思い浮かべるのは、やるべきことを自分でする「おりこうさん」を思い浮かべがち。
けれど、本当の意味での“自立”は、自分で考えて行動する力のことです。
自分でやりたいことを見つけ、自分から積極的に行動する力は、指導することでは育ちません。
子どもを指導するのではなく、子供自身がやりたいことを見つけることができるように支援して、それを認め、達成できるように援助する―――。
それが保育士として重要なことだと私は思います。
そして、子供が卒園し、自分自身のやりたいことを見つけ、その道を歩み始めたとき保育士としてのやりがいをさらに実感できるのです。
私は今までたくさんの保育士の卵を指導してきました。
その中で、自分が大切にしているこの“自立する力”についていつも話して聞かせます。
管理するのではなく、子どもの力を信じ、寄り添うー。
そんな保育士になってほしいと思います。
ここで、私がいつも考えている実習生としての心構えをご紹介したいと思います。
保育士を目指している学生さんは、ぜひ、これを実習の中で実践し、素敵な保育士を目指してください。
- 挨拶をきちんとする
指導してくださる先生方にきちんと「よろしくおねがいします」と挨拶するところからスタートです。
そして帰りも「ありがとうございました」「失礼します」と実習に来て学ばせていただいているという謙虚な姿勢が大事です。
挨拶は明るく、元気に、笑顔で、が基本!
暗い顔では、子どもたちも先生も心配しますよ!
- 笑顔でいる
子どもの前ではいつもニコニコ笑って明るい実習生でいてください。
初めてで緊張するかもしれませんが、子どもは先生の表情を見ています。
特に子供は実習生が来るのをとても喜びます。
子どもは正直ですので、笑顔のない先生には不思議と子供は近づきません。
子どもに好かれる先生か嫌われる先生かスタートの笑顔できまります。
- 子供と一緒に遊ぶ、話をきく
実習生が来ると、甘えが目立つ子がいます。
人懐っこさのある子ども、愛情を求めている子ども、逆に甘えたくてもそばに自分から近寄れない子どもなど、子どもの反応は様々。
どうしても自分に近づいてくる子に目がいきがちですが、周りの子供たちみんなに声かけができるように関わっていってください。
そして、子どもの話をよく聞いてあげてください。
私たちにとっては些細なことでも、子どもたちにとっては素敵な発見なのです。
話を聞いてあげることで、子どもは安心します。
- どうしたらいいんだろう…迷ったときは必ず先生に尋ねて!
先生に確認せずに子供を叱ったら注意したりしないこと。
どう声かけしたらいいのかわからないと思ったら、自己判断せず子供のことをよくわかっている先生がたに尋ねてみてください。
例えば「お友達とけんかをした」場面に遭遇した時、「ケンカはだめ!」としかるのか、きちんとお互いの話を聞いて、仲直りさせるのかでは全く子供たちの反応もかわってきます。
こういうときはどうしたらいい?迷ったときは、まずは先生に尋ねてください。
その時は、「自分はどう考えるか」というところを必ず伝えるようにし、先生のアドバイスをいただくと学びが深まるでしょう。
- 実習中は成長のチャンス!
「子供とうまく関われなかったら?」
「子供と一緒に遊べるかな?」
「子供から嫌われたらどうしよう」
このような思いは、自分の気持や行動に制限をかけてしまいます。
失敗は成功のもと!
実習中はたくさん失敗したり、悩んだり、考えたりしてください。
そこから、自分の目指す保育士像が生まれてくるのです。
うまくやろう!とする気持ちはいりません。
いるのは、「子供たちが好き!」「子供たちと一緒に成長したい!」ただそれだけです!
私たち保育士は、保育の未来をあなたたち保育士の卵に託しています。
「素敵な保育士になって、子どもと一緒に学びあいたい」と保育士としての意欲が高まるように私たちは指導をしていきます。
だからこそ、一生懸命子供たちと関わり、いろんなことを学び、吸収してください。
それが、子ども達の将来を守ることにつながるのです。