子どもが発熱や発疹などの症状を出したときに預かってもらえる病児保育。
この病児保育の利用に関して、現状では60万人弱にとどまっていますが、2019年度に150万人の利用を目指して支援策を導入することを、内閣府と厚生労働省が発表しました。
病児保育の特徴は、保育と看護の機能を併せ持つサービスで、施設によって異なりますが乳幼児から小学生まで預けることが可能です。
現在、全国に病児保育施設は約1800ヶ所あり、保育所や医療機関などに併設されている場合もあります。
自治体の委託を受けてNPO法人や社会福祉法人が運営しており、1日当たりの利用料は2000~2500円程度となっています。
病児保育施設の増設に向けて、内閣府と厚生労働省は3つの支援策を導入する方針です。
①施設整備費を9割補助
施設の増加をめざし、2016年度から施設整備費のうち、国・都道府県・市町村が3割ずつを負担し、残り1割をNPO法人や社会福祉法人などの事業者が出す仕組みとなる財政支援策を導入します。
②送迎費を助成
急に体調を崩した子どもの送迎費を国で助成します。
現在、保育所から施設までの送迎を施設側が請け負うケースがありますが、その場合の送迎費用は親が負担することが一般的となっています。
送迎サービスを行っている施設はまだ少なく、国が一定額を補助すれば普及に弾みがつくと期待されています。
③条件付きで看護師の常駐を不要にする
病院に併設する施設を対象に、条件付きで看護師の常駐を不要とします。
看護師がすぐに子どものもとにかけつけることができ、定期的に見回っていれば看護師の常駐を必要としないとする仕組みです。
病児保育は子どもの体調次第で当日に予約をキャンセルする人もおり、また体調を崩しやすい冬に利用が集中する面もあります。
そのため、通年での安定した利用が見込めず、施設の採算はとりにくい状況となっています。
病院や保育所に併設しやすくするなど、子育ての環境を整え仕事と育児の両立を図ることができるよう、今回の支援策に注目が集まっています。
参考:2016年6月23日日経新聞朝刊