保育士さんのお給料は他の一般的な職業と比べて低いことは知られていますよね。
この問題に対して、少しずつですが改善の動きが出てきていることはご存知ですか?
2016年4月には保育士さんの月給を平均6,000円ではありますが引き上げる方針が発表されました。
しかし、まだまだ保育士さんの待遇は良くなったとは言えませんね。
東京都の自治体では、認可保育所への補助金が、きちんと保育士への賃上げに使われているか、保育士さんの待遇が改善されているかをチェックする動きが広がっています。
足立区では2016年度から、保育士の給料アップを目的に前年度支給した補助金が適正に使われたかどうかの追跡調査を始めました。
公設民営の認可保育所を対象に、保育士が実際に受け取った給料の金額を調査しています。
改善していない事業者には、前年度支給した補助金の返還や減額などを求めました。
また、千代田区でも2016年度から、保育所の運営業者が前年度の事業報告書を提出する際に、これまでは義務付けていなかった保育士の賃金台帳を提出するように求めています。
千代田区では保育士の給料を月20,000円上乗せするための補助金を出しており、この補助金を目的外に使っていることが発覚した場合は、返還を求めるとしています。
そもそも、自治体が認可保育所に出す補助金の項目には、保育士の人件費アップの他に、労働環境の改善や0歳児保育の充実、非常勤職員の雇用促進などがあり、多岐にわたります。
ただし、これらの補助金はまとめて運営業者に支払われるため、運営業者が実際にどのような目的で補助金を使っているのかははっきりとわかりません。
保育士の待遇改善を促すには、運営業者が補助金をどう使っているのか確認できる体制を作ることがまず必要になりそうです。
参考:2016年7月27日日経新聞朝刊