日本生命保険とニチイ学館 共同で保育事業展開
国が民間の力も借りて保育サービスを提供する「企業主導型保育事業」。
運営会社と事業会社が組んで大規模に展開するのはこれが初めてとなります。
日本生命保険とニチイ学館は、2017年4月上旬に31か所、7月初旬までにさらに17か所の保育所を開設する予定です。
この段階で受け入れ園児数は約8,500人になるとされています。
2018年春には100か所まで広げ、札幌、東京、名古屋、京都、大阪、福岡など全国の主要都市を網羅する予定とのこと。
そうなると、園児数も約1800人に増える予定です。
一部で同じような取り組みが出ており、全国で2万人超とされる待機児童の解消に一歩近づきそうです。
企業は女性が働きやすい環境に
今回の計画の大きな特徴は、日本生命がニチイ学館から保育所の利用枠を約半数押さえることです。
日本生命は全国に約5万人の営業社員を抱え、女性が大半を占めています。
子どもがいる女性も働きやすい環境を整えることで、他社より採用を優位に進めたいと言います。
すでに日本生命社員の女性も、保活に悩むことなく子どもを保育園へ預け、仕事を続けられますよね。
日本生命は、自社ビル内に保育所を誘致することも検討しています。
保育所運営側は新設のリスクを抑えられる
ニチイ学館にとっては、日本生命との共同展開は、園児数が定員に届かず低採算となるリスクを抑えらることができます。
つまり、保育所運営側はリスクを抑えて新しい保育所を開設しやすいということですね。
こうした事業モデルが定着すれば、保育所不足の解消に繋がることが期待できます。
日本生命による利用枠は地域により異なりますが、約半数となる予定です。
もちろん、それ以外の枠は近隣の住民が利用できます。
保育所内で、ニチイ学館が展開する子供向けの英会話レッスンも取り入れるなどサービスの充実も図る方針です。
保育所は待機児童の週中する0~2歳児が対象。
利用料は全国一律で、0歳で34,300円、1~2歳児で34,200円で調整中とされています。
認可保育所の利用率は市区町村や世帯年収で異なりますが、ほぼ同水準になると予想されます。
まとめ
企業は女性の働きやすい環境を整えることができ、保育所運営側も新設のリスクを抑えることができます。
両方がハッピーになりそうな、「企業主導型保育事業」です。
問題は、新しくできた保育所で働く保育士さんの確保ですね!
今後どのような展開になっていくのか注目したいと思います。