みなさんは、認可外保育園についてどのようなイメージを持っていますか?
4月3日の日経新聞の記事によると、基準を満たしていない認可外保育園が36%もあったことが厚生労働省のまとめで分かりました。
認可保育園と認可外保育園の違いとは、そもそもどういうことがあるのでしょうか?
今回取り上げられた「認可外保育園が基準を満たしていなかった」というニュースとともにご紹介します。
認可保育園と認可外保育園の違いとは?
認可保育園とは、定員20人以上で、国が定めた設置基準を満たし認可されている保育園のことを言います。
国が定めた設置基準と言われてもピンときませんね。
園庭の広さや園での調理を原則とすることなど、認可園には基準があります。
その中でも注目したいのは、「保育士の配置基準」です。
認可保育園では、「保育士は全員有資格者であること」が基準としてあります。
0歳児 | 概ね3人に保育士1名 |
1~2歳児 | 概ね6人に保育士1名 |
3~4歳児 | 概ね20人に保育士1名 |
5歳児 | 概ね30人に保育士1名 |
一方、認可外は、認可されていない保育園のことを言います。
保育士は有資格者が6割以上いれば良しとされています。
認可外保育園での事故は、認可保育園の4倍というデータもあります。
- 保育士が足りていない状況
- 無資格者は、知識不足により園児を安全に見守ることが出来ていない
- 無資格者は、どのような点に注意し保育すべきか理解していない
など、原因があると思います。
もちろん、認可外保育園が全て悪い環境というわけではありません。
しっかりと独自の基準やルールを設け、有資格者が保育をしている園もあります。
基準を満たしていなかった36%の認可外保育園
では、基準を満たしていない36%の認可外保育園とは、どういうことでしょうか?
実は、認可外保育園にも、健康診断や避難訓練などに関する国の指導監督基準があります。
これを満たしていない施設が、2015年度に36%あったことが厚生労働省のまとめで分かりました。
厚労省は、「安全のために基準を順守して欲しい」としています。
都道府県が6人以上子どもを預かる認可外保育施設に立ち入り調査をしています。
2015年度に3,514ヶ所を調査したところ、36%の1,263ヶ所は指導監督基準を満たしていなかったと言います。
具体的には、子どもの健康診断を年2回行っていない施設が442ヶ所。
職員への年1回の健康診断を行っていない施設が392ヶ所。
また、地震や火事に備えた避難計画の作成・訓練を実施していない施設が384ヶ所に上りました。
基準を満たしていない施設には、都道府県が高騰や文書で指導し、従わない場合は事業停止や施設閉鎖を命じることができます。
しかし、2015年度の対象の大半が口頭・文書指導にとどまっています。
子どもの安全を守るため、厚労省は17年度から保育所の事故予防などを助言する「巡回支援指導員」の配置費用を自治体に助成します。
助言に従わない場合は行政指導につなげ、立ち入り調査の実施率向上なども図るとしています。
待機児童問題で、次々と保育園が新設される中、こうした安全対策が十分に行き届いているかという点が今後注目されるでしょう。
先日報道された、兵庫県にある保育園のニュースも記憶に新しいですね。
認可園でありながら、定員を超える園児を預かっていました。
「子どもたちが安全に生活できる保育園」を保育士、保護者、地域の目で見守っていきたいですね。
参考:2017年4月3日 日経新聞