【2016年度版】保育士の年収についてとことん考えてみよう


保育士の収入が他の職種に比べて少ない事は最近話題になっています。

働くうえで、年収は気になる点ですよね。

 

2017年から保育士の給料を2%上げる方針を政府が決定しました。

では、実際2%で年収がどれだけ上がったのでしょうか。

保育士の平均月給21万円で計算すると約4000円のアップになります。

 

この増額の発表は賛否両論ありました。

給与がアップされることは嬉しいですが、2%では微妙ですよね。

 

保育士の年収を上げる方法はあるのか。

そもそも、保育士の平均年収はどれくらいか。

なぜ保育士の年収は低いのか。

そして、今後年収は上がっていくのか。

保育士の年収についてとことん考えてみましょう。

 

記事内にある情報は、厚生労働省が公開している平成27年度賃金構造基本統計調査のデータを基に計算しました。

なお、記事内で使用している「月給」は毎月貰える額面(手当・残業代含む)になります。

 

1.保育士が年収を上げる3つの方法

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保育士が年収を上げたい場合、主に3つの方法があります。

1-1公立保育園で働く

難しいですが確実なのは公立の保育園で働くことです。

そのためには公務員として働くため、地方公共団体が実施する公務員試験に合格する必要があります。

詳しくは「【保育士志望者必見】公務員として保育園で働くには」をご参照ください。

1-2年収の高い保育園で働く

もしかしたら、ご自身の年収が低いのは働いている保育園が理由かもしれません

年収アップのための転職は悪い事ではないですので、選択肢の一つとして検討してみましょう。

転職のポイントは「転職したい保育士必見!給料が上がる保育園を見極めよう」をご覧ください。

1-3補助金がある自治体で働く

こちらも転職する必要がありますが、自治体の補助金やサポートを受ける方法になります。

 

都道府県では保育士の処遇改善として様々な取り組みが行われています。

ここではいくつかの自治体をご紹介します。

①東京都

保育士の月給を平均2.1万円アップさせる補助制度

②東京都大田区・世田谷区・

借り上げ社宅の諸費用を月額8万2千円までを負担。2019年度まで。

③横浜市

保育園に採用されてから5年間、借り上げ社宅の諸費用を月額8万円まで負担

 

直接的に年収がアップするわけではないですが、家賃補助として年間最大96万円の補助が出るのは嬉しい事ですね。

 

紹介した地域以外でも補助金を取り扱っている自治体もあります。

みなさんもお住いの地域で実施されているかぜひご確認ください。

 

2 全国の保育士の平均年収

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そもそも保育士の平均年収はどれくらいなのでしょうか。

そして、年収が低いとなぜ言われているのでしょうか。

 

その疑問にお答えしましょう。

この章では年齢・勤続年数・規模・パートの分野に分けて説明します。

 

2-1全国の保育士の平均年収

厚生労働省が発表した平成27年の平均給与は323.3万円です。

 

この額を見て低いと感じるでしょうか。

もしくは、高いと感じるでしょうか。

 

こちらの図は平成27年の保育士の全国平均と全産業の平均を比較したものになります。

 

保育士全国平均

全産業平均

平均年収

323.3万円

489.2万円

平均月給

21.9万円

33.3万円

平均年間賞与

60.3万円

89.2万円

 

 全産業の平均給与は489.2万円になります。

保育士は323.3万円ですので

保育士との差は165.9万円にもなります。

これでは、「保育士の給与が低い」と言われてしまいますね。

 

2-2年齢でみる平均年収

では、保育士の平均年収を年齢で見てみましょう。

まずは下の図をご覧ください。

年齢

平均年収

 20 ~ 24歳

244.95

 25 ~ 29歳

265.26

 30 ~ 34歳

274.49

 35 ~ 39歳

290.21

 40 ~ 44歳

303.57

 45 ~ 49歳

318.91

 50 ~ 54歳

321.95

 55 ~ 59歳

342.05

 60 ~ 64歳

358.65

 65 ~ 69歳

403.45

 70歳~

397.21

こちらは20歳から5歳区切りで見た平均年収の図になります。

55歳までは保育士全体の平均年収323.3万円を割る平均年収になっていることがわかります。

また、20代では保育士全体から60万円~80万円ほど低いという結果になりました。

 

地域によって差はありますが、年齢によって年収差に大きな開きがない事が解かります。

 

2-3経験年数で見る平均年収

年齢差による平均年収の差はわかりました。

 

では、保育士として経験年数によっての平均年収の差はあるのでしょうか

こちらの図は平成27年の経験年数別の平均年収になります。

0年

1~4年

5~9年

10~14年

15年以上

215.5

230.6

301.1

320.0

405.1

 

経験年数が15年以下ですと保育士全体の平均年収323.3万円を下回る平均年収になっていることがわかります。

 

0年目の平均年収は215.5万円になります。

10~14年のベテランの平均年収は320.0万円です。

差額は104.5万円です。

 

経験年数でどれだけ年収が上がるか見てみましょう。

もし経験年数が14年で年収320万円だった場合、

1年間で7.4万円、12か月で割ると6220円になります。

 

ここから年齢や経験年数によって大きな差がない事が解かりました。

 

2-4事業規模別の平均年収

園児が多い大きな保育園ならどうでしょうか。

園児が沢山いる事で売上があるイメージがあります。

 

では、保育士の年収にも反映されるのでしょうか。

下記の表が平成27年の事業規模別の平均年収になります。

10~99人

100~999人

1,000人以上

317.2

333.2

352.7

 

こちらは平成26年の事業規模別の平均年収になります。

10~99人

100~999人

1,000人以上

318

312

316

 

平成27年は事業規模ごとの年収差は大きく開きました。

平成26年の調査結果よりも差が開いたのはなぜでしょうか。

 

事業規模の大きい保育園では経営が安定している場合、少しではありますが保育士の給与にも還元されることがあります。

そこから平成27年の年収に差が出ました。

 

さて、裏を返すと中小の保育園と大手の保育園では19.5万円の年収差しかないことがわかります。

平成26年のデータで見ると下がっているほどです。

何故でしょうか。

 

これは「保育士の配置基準」というのが関係しています。

保育士1人当たりの児童の数が決められているのです。

・0歳児3人につき1人

・1歳、2歳児6人につき1人

・3歳児20人につき1人

・4歳以上児30人につき1人

 

保育園の規模を大きくして児童を増やしても、それに比例した保育士が必要になります。

つまり、施設の規模が大きくなったとしても、保育士の収入が増えにくいのです。

 

2-5パート保育士の給与

パートで働いている保育士はどうでしょうか。

 

労働時間が短いパートですので、こちらは時給から見てみましょう。

 

実労働
日数

1日
当たり
所定内
実労働
時間数

1時間
当たり
所定内
給与額

年間賞与

 
 

 17.2

 5.7

1017

65.8

 

1時間当たりの平均時給は1017円になります。

1日当たりの平均労働時間が5.7時間ですので、1日5796円の収入になります。

実労働日数の17.2日をかけると月間99,691円。

年収にすると約119万円ですね。

 

この年収額には理由があります。

 

これはパート保育士が扶養の範囲内で働くために勤務時間を調整しているからです。

いわゆる「103万円の壁」「130万円の壁」という話ですね。

パートやアルバイトの経験がある方は聞いた事があるのではないでしょうか。

 

平均の119万円という額から解かることは、

・所得税がかかる103万円を超え

・社会保険がかかる130万円を超えない

上記の様な決められた範囲の中で働いている人が多いということがわかります。

 

3公立保育士と私立保育士の年収差

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公立保育士と私立保育士の一番の違い。

それは公立保育士が公務員という事です。

 

公務員というだけで年収は変わるものなのでしょうか。

 

それでは、公立で働いている保育士の平均年収を見てみましょう。

 

東京都の練馬区では、公立保育園で働く保育士の給与状況を毎年公表しています。

 

平成27年練馬区のデータを参考に公立保育士の年収を見てみましょう。

平均年収

平均月給

平均年間賞与

539.1

31.1

165.2

前述した保育士全体の平均年収よりはるかに高いのです。

どれくらい差があるのかをまとめてみました。

 

練馬区公立保育士平均

保育士全国平均

全産業平均

平均年収

539.1万円

323.3万円

489.2万円

平均月給

31.1万円

21.9万円

33.3万円

平均年間賞与

165.2万円

60.3万円

89.2万円

公立と私立の年収差が年収では215.8万円、月給差では9.2万円にもなりました。

 

同じ保育士なのになぜこのような収入差が出てしまうのでしょうか。

 

公立保育士は地方公務員となるので、勤続年数に応じた昇給があるほか、平均的な公務員と同程度の収入になるよう確約されています。

 

また、公務員は育児休暇の取得が徹底されており、新卒の入職から出産と育児を経て長期で勤務する職員が多いです。

それにより、勤続年数が長くなり、給与も増えていきます。

 

一方で、私立の保育園では出産と育児による離職率が高く、勤続年数が低くなってしまっています。

 

それにより、公立保育園は私立保育園と比べて年収が多く支給されているのです。

4他の職種との年収比較

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それでは、保育士の年収は他の職業に比較すると差があるのでしょうか。

ここでは、保育士と関連性の高い幼稚園教諭と同じ福祉施設である介護士と比較してみます。

4-1幼稚園教諭

保育士資格も併せ持つ方も多い幼稚園教諭ですが年収に違いはあるのでしょうか。

平成27年の幼稚園教諭の平均年収は340.1万円、平均の月給は22.9万円になります。

 

幼稚園教諭平均

保育士全国平均

全産業平均

平均年収

340.1万円

323.3万円

489.2万円

平均月給

22.9万円

21.9万円

33.3万円

平均年間賞与

64.4万円

60.3万円

89.2万円

 

保育士と比べた場合、年収に16.8万円の差額がありました。

月給ベースでみると1万円の差ですが、年間にすると12万にもなるので年収差に影響されるようです。

 

4-2介護士

保育園と同様の福祉施設である介護施設。

職員である介護士の年収はどうでしょうか。

平成27年の介護士の平均年収は316.1万円、平均の月給は22.3万円になります。

 

介護士平均

保育士全国平均

全産業平均

平均年収

316.1万円

323.3万円

489.2万円

平均月給

22.3万円

21.9万円

33.3万円

平均年間賞与

47.9万円

60.3万円

89.2万円

保育士と比べた場合、保育士よりも介護士の年収が7.2万円少ない事がわかりました。

 

月給ベースでみると介護士が4000円高いです。

しかしながら、介護士は平均の年間賞与が12.9万円も保育士よりも安い事がわかります。

保育士と介護士では賞与の差が年収の差になっています。

 

介護士の賞与が少ない理由は、月給ではなく基本給をベースに賞与の計算がされるからです。

介護士は介護資格手当や夜勤手当などが支給される場合があります。

そういった支給額を引いていくと、基本給は15万円程度になります。

そういったカラクリから、賞与が低くなっています。

 

5保育士の年収が低い理由

 

保育士の年収が低い理由には保育園の運営費との因果関係があります。

 

認可保育園の運営費は国が定める「公定価格」によって決まります。

 

公定価格とは保育施設の1号・2号・3号の認定区分、その地域での保育必要量、施設の所在地等を踏まえて、保育施設の運営に必要となる費用を計算した上で、国が定める基準によって算定されるものです。

 

その公定価格から園児の親からの保育料を引いたものを国1/2、都道府県1/4、市区町村1/4という割合で負担します。

 

この公定価格で決まった運営費を保育士の人件費や光熱費・消耗品費・雑費などの必要経費で使われます。

 

運営費から人件費以外の経費を引くと7~8割程度が職員の給与として支払われます。

 

年収を上げたい場合には運営費を増額してもらう必要があります。

つまり、運営費の増額には、保育料を上げるか国もしくは自治体の補助金を増やすしかありません。

 

6保育士の年収が上がるには

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前章で年収を上げるためには保育料の増額もしくは国もしくは都道府県の補助金を増やすしかないことがわかりました。

 

では、それぞれの増額が可能かを見ていきましょう。

 

5-1保育料の増額

保育料は各市区町村によって基準が定められており、納めている市民税・区民税の額によって変動します。

 

年収によって負担がない料金が保育料として定められているのです。

つまり、保育料を上げた場合に生活の負担に伝わってくることになりかねません。

 

保育料の増額は難しいでしょう。

 

5-2国や都道府県の補助金を増やす

本記事の序盤でも申しましたが、政府は2017年から保育士の給料を2%上げる方針を政府が決定しました。

実際には4000円程度しか月給が上がらないため、さらなる増額に期待するしかありません。

6 まとめ

いかがだったでしょうか。

保育士の年収について、お分かりいただけましたでしょうか。

 

年収をアップするには3つの選択肢があげられました。

①公立保育園で働く

②年収の高い保育園で働く

③補助金がある自治体で働く

どちらも職場を新しくする必要があります。

年収アップのための転職はご自身のキャリアアップにも繋がります。

選択肢の一つとして検討してみましょう。

 

現状、保育士の年収は高いとは言えません。

年齢や経験、事業規模で年収の差があまりない事もわかりました。

 

国を挙げて、保育士の確保が大きな課題となっています。

そして、年収を上げることが保育士の処遇を改善するうえで重要なポイントになります。

 

年収の増額や補助金制度の実施に政府や自治体が動き出しつつあります。

少しずつでも保育士の待遇が改善される社会になれるよう期待しています。


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