日本の保育と海外の保育の大きな違い


ここ20年の間、日本の保育現場には多国籍の子どもや保護者が多くなりました。
現場の先生たちの、外国人の親や子どもへ向けた対応の機会も以前より多くなっているのではないでしょうか。
まだまだ外国人を受け入れるということに戸惑う先生たちも多い中、最近では外国の保育に興味を持つ先生たちも多いようです。

そこで今回は、日本の保育と海外の保育の大きな違いについてご紹介します。

 

日本の保育は世界の中でも独特!〜二種類の保育形態〜

日本国内の保育現場にいる先生たちは、あまり日本と海外の保育を比較したことがない人の方が多いと思いますが、実は日本の保育は世界の中でもかなり独特。

もともと子どもを取り巻く生活環境は、その国や民族の文化や言語、地域、生活スタイル、教育制度などがかなり密接に関わります。
そのため、日本から一歩出ると全く違う各国独自の保育が行われているわけです。

現在世界の保育は、主に「就学準備型保育」と「生活基盤型保育(ソーシャルペタゴジー)」の2種類に分類することができます。

前者は、小学校への入学準備にむけた教科指導を重視しており、読み書き能力や基礎計算能力の教育に力が注がれています。
この保育形態を導入している国は、主にアメリカやイギリス、フランスなどです。

一方後者は、子ども自身が持つ興味や関心を保育生活の中で発展させ、自ら考え気づき、新しい発見をして知識を獲得するという、子どもの学びを援助することに力が注がれます。
この保育形態は、日本、北欧諸国、イタリア、ドイツ、ニュージーランドなどが行なっています。

このように、2つの種類に分けられる保育形態の中で、日本では、独自の文化や子どもの概念、生活や風習などを取り入れた保育システムが構築されてきました。

例えば、先生たちが日頃気にかけている「5領域」なども海外には存在せず、英語で直訳さえできません。
これは、日本独自の保育システムの中で日本の子どもたちが子どもらしくいられるために思考錯誤されて作られた教育内容なのです。
そのため、欧米やヨーロッパ、アジアの国では、日本と似た保育は行なっていても全く同じ保育システムはないと言ってよいでしょう。

こうして見ても、日本と海外の保育は違うことだらけです。
この後、身近な国を挙げて各国の保育事情をご紹介していきます。

 

アジア諸国の保育事情

アジア諸国からは日本のお隣の国、中国、韓国の保育事情を例に挙げて見ましょう。

近年、経済成長の目覚しい中国では、首都を中心に幼児教育が注目され、子どもの修園率も増えてきています。
中国の幼稚園ではお勉強中心の幼稚園がトレンドであり、言語、数理演繹、科学、美的感覚などの一連の教材があります。

他方、国土の広い中国の農村部に行くと、幼稚園に行っていない子どもも大勢おり、中国全土としては、まだ幼稚園は馴染み深いものではありません。

国民の認識としては、幼稚園は小学校入学の準備機関としての認識が強く、それに加えて中心部の子どもは週にいくつもの習い事をすることが一般的になっているため、アジア諸国の中でも教育熱心な国と言えるかもしれません。

そのため、どんどんと地方と首都の教育格差が問題となっている上、中国の保育現場も教育の重要性を求める保護者のニーズに応えることが課題となっています。

韓国でも同様、就学前準備型保育の展開が目立ちます。
日本の皆さんもご存知のように、韓国は大学受験の競争が非常に激しい国です。
保護者も、子どもをよりよく育てなければいけないというプレッシャーがあり、幼稚園や保育園も、教科別指導を行うことを求められています。

しかし、韓国では貧困層や地方へ向けた保育サービスも存在し、すべての子どもたちが平等に教育を受けられるように政策が行われています。

このように、行政側も福祉を含む教育政策には熱心に取り組んでいるため、韓国の幼児教育においては中国ほど教育格差はないようです。

 

欧米諸国の保育事情

アメリカやイギリスを、フランスなどは前記ししたように、就学前準備型保育が中心です。

大体の子どもが小学校に入る前にプレスクールと呼ばれる幼稚園で集団生活を学びます。
欧米諸国では働く女性も多いので、子どもが乳児期の間やプレスクールに通うまでは、ナーサーリーと呼ばれる託児所やベビーシッターを雇って世話をしてもらうことが一般的です。

フランスでは、保育学校とよばれる保育機関もあり、比較的低年齢から通える施設も存在しています。
しかし、どれも国民の間では義務教育ではないが、学校の一部というような認識があるため、日本の幼児教育の概念とは少し違うようです。

また、これらの国々は移民も多いので、現在の日本の保育現場より多文化に対応する保育が行われており、ユニークな保育展開がされていることは特徴的といえるでしょう。
この点においては今後日本が真似していかなければいけない点かもしれませんね。

 

北欧諸国の保育事情

福祉大国で有名な北欧諸国。日本でも最近人気ですよね。
北欧のフィンランドやノルウェーでは、日本と同じように、幼児教育においては福祉と教育の相互関係を保っています。

子ども主体で行われる保育が中心で、保育サービスを受ける主体は保護者ではなく子どもに権利があるとされています。

保育カリキュラムなどは無く、就学前教育の内容は保育の自然の流れで創造されていきます。
幼児教育は、言語や自然への知識、保健、身体や運動能力、計算、理論、世界観などが統合し、網羅されるものとしており、適宜保育者がその場に応じて子どもたちへの教育を行なっています。

よって、保育者も高い保育スキルが要求され、保育現場に立つには修士号取得が条件になっているところもあります。
そのかわり、保育者の社会的地位は高く、お給料も高額であることは日本との大きな違いと言えるでしょう。

 

日本と海外の保育の違いを大まかに紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

世界的に見ても、日本や欧米諸国のような子ども主体の保育が展開されている国はまだ少ないことが実情です。
それぞれの国がその国の生活や文化に適応した保育を展開しているので、どの国が正しい保育をしているなどは一概には言えませんが、日本を含めて、保護者も子ども、先生たちも、みんなが心地よく過ごせる保育現場は必要不可欠です。

いろんな国と比較して、日本の保育現場も他国の良い点をどんどん取り入れていけるといいですね。

 

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