1~2歳児の発達とことば


 

今日は保育士のみなさんと言葉かけについて、一緒に考えてみたいと思います。

子どもに「ことば」が出るまでのプロセスで、大事にすることはどんなことだと思いますか?
それは、「そのときに周りの大人がどんな反応をしたのか?」ということだと思います。

幼いときは、悲しいことよりも、嬉しいことの方が言葉になりやすいです。
だからこそ、子どもが嬉しい、楽しいと感じることに共感してあげましょう。

それでは一歳児クラスにある、おままごとコーナーでのエピソードとともに、【1~2歳児の発達とことば】について考えましょう。

 

【場面】

布を張った低めの、四角いテーブルを囲んで、はるか・けんと・こうた・保育士が座っています。
テーブルの上にはお皿、カップ、ケーキなどの食べ物がバイキングのように色とりどりに盛られています。
(はるかちゃん・・・1歳5か月 けんとくん・・・1歳4か月 こうたくん・・・1歳9か月)

 保育士の口にピザを押し込む?~鼻水から始まる信頼~

「はるかちゃんね、ピザ食べるんだぁ!」と、皿の上にのったピザを機って口に運び、食べる真似をしました。

「おいしそうだね。先生も食べたいなぁ!」
はるかちゃんは「いいよ!」と言いながら、すぐに保育士の口に“グイグイ”とピザの1ピースを押し込もうとしました。

「そんなにいっぱい、食べられないよ」と保育士。
すると、はるかちゃんは「えへへ・・・」といたずらっぽく笑い、まるで“してやったり”という感じ。

 

さて、はるかちゃんはなぜいたずらっぽく笑ったのでしょう?
これは、保育士が受け止めてくれるかどうか試しているのかもしれませんね。

しかし、いくら1歳児でも親しくない人に、いきなりこんなふうにピザをグイグイと口に入れるまでのことをしないですよね。

子どもは、幼くてもテリトリーというものを持っています。
そのエリアを他人のエリアと交わらせることで、人との付き合いや距離感を学んでいきます。

はじめは子どもと保育士のテリトリーは交わっていません。。
少しずつ信頼関係が築かれていくにつれて、テリトリーが交わっていきます。
そして最終的に、はるかちゃんと保育士のような親しみをもった関係になるのですね。

子どもはこのテリトリーの交わりを大きく持てる大人かどうかを試すところがあります。
では、このような段階になる前にはるかちゃんは保育士を試す行動を取っていたのでしょうか?

実は、保育士に「鼻水を私の顔にこすりつけたり、頬っぺたをくっつけたり」していたそうです。
鼻水は、大人にとっては汚いものですが、子どもにとっては分身のような感覚があります。
鼻水を付けるという行為を通して、はるかちゃんは保育士への親しみを深めていったのですね。

 

繰り返しが子どもを育てる

けんとくんは、ミニペットボトルの色水ジュースを手にして口に当て「ごくごく・・・」と言いながら飲んでいます。
飲んだまねをした後に、満足そうな顔をして口の周りを右手でゴシゴシと拭きました。

その後、さっと立ち上がり布製の手提げ袋にたくさんの玩具を詰め込んで、保育士の方をじっと見ました。

「いってらっしゃい!」と声をかけながら手を振ると、満足そうにうなずいて手を振って他の場所へ歩いていきます。
そして、また戻って来てを何度も繰り返して遊びました。

 

カンパーイは素敵なことば?

「なんか、のどが渇いてきちゃったなぁ。先生もコーヒー飲みたいな」
こうたくんが空のカップに、飲み物を注いで入れてくれる真似をします。

「あ~、こうたくんありがとうね。今、のどが渇いてて、なにか飲みたかったんだよ!」と声をかけると、
カップを前に突き出して保育士のカップと打ち合わせて、“カチッ”と音がするとうれしそうに「パイッ!」と言いました。

「乾杯ね?乾杯~!」
保育士もカップを前に出すと、側にいたはるかとけんともいっしょに「パンパイ~」と言ってカップを合わせます。

こうたくんは保育士の目を見て、うれしそうに「おいしいね~オイシイネ~美味しいねぇ!」とニュアンスを変えながら何回も言いました。

最近ことばを話しはじめたこうたくん。
場面と自分の気持ちが一致した感じが、とてもうれしかったようでした。

「カンパ~イ!」というのは、子どもにとって素敵な行為です。
その声をかければ、みんなが同じことをしてくれるからです。

普段はバラバラなことをしているのに、そのときだけは、みんなが「カンパ~イ」といって同じ行為をしてくます。
こんなにすごい言葉は、他にないかもしれませんね。

 

まとめ

いかがでしたか?
子どもたちは、周りの大人との信頼関係から言葉を習得していくのですね。
そして、言葉によって信頼関係を深めていきます。

「カンパ~イ」という言葉は、人と人を繋げる素晴らしい言葉です。
こんなふうに人と人を繋げる言葉を、子どもたちにたくさん教えてあげたいですね。

普段の何気ない保育の一場面ですが、振り返ってみるだけでたくさんのことが見えてきます。

言葉かけが決まったパターンになっていませんか?
みなさんも、子どもたちとの関わり、言葉かけを振り返ってみてください。

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