小さい頃からあこがれの職業だった保育士という仕事に就くことができたけれど、最近では辞めたくて仕方ない…
今現在、保育士として働いている方の中で、このように思うようになった方が多いと聞きます。
特に大学や専門学校を卒業してから、入社1年未満の新人保育士さんに多いらしいですね。
あんなにあこがれていた職業なのに、保育士という仕事に楽しさややりがいを見いだせず、辞めたいと思ってしまうのはどうしてなのでしょうか。
また、保育士を辞めたいと思っている方は、その後どういった行動を起こすべきなのでしょうか。
こちらの記事では、保育士を辞めたいと思ったときにどう行動していけばよいのかをまとめてみました。
目次
保育士を辞めたいと思う理由
まずは、どうして保育士を辞めたいと思うようになったのか、その主な理由を考えていきましょう。
人間関係が悪い
保育園は女性中心の現場であるため、悪口やいじめなど、女性特有の人間関係に悩まされる方も多いですよね。
先輩保育士からのいびりや同僚からの嫌がらせによって、精神的に耐えられなくなり、退職を考えるという方も少なくないはずです。
また、保育士同士の他にも、保護者や園長先生との関係にも悩む保育士さんもいます。
園の保育方針に合わない
保育園は、食育や英語教育など英才教育を重視する園や、園児一人ひとりの個性を尊重していくことを理念とする園など、園によって様々な保育方針を掲げています。
中でも、特に私立保育園は、独自の保育方針を掲げているところが多いです。
こうした園が掲げる保育方針と、自分が目指す保育方針との間に隔たりを感じてしまったとき、本当にこの園で働き続けることができるのか、疑問に思う方もいます。
給料が安い
保育士さんの平均初任給は16~17万円と言われており、他の職業と比べても低い水準にあることがわかります。
それにもかかわらず、保育士の仕事には子どもの命を預かるという責任の重さがついて回ります。
また、仕事自体も量が多いので、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかります。
私立の保育園に勤めていると、なかなか昇給も期待できないことから、割に合わない給料で働き続けているという現状に不満を持ち、辞めたいと思う人が出てきます。
仕事量が多い
保育士はとにかく仕事量が多いです。
シフト制にも関わらず、1日の労働時間は12時間を超えるほどの園もあるほどです。
保育士の仕事には、主な業務内容となる子どもの保育以外にも、やるべきことはたくさんあります。
運動会や発表会の準備、保育計画の策定、園内の掃除、日報の記入など、就業時間に終わらなければ自宅に仕事を持ち帰ったり、休日も返上して仕事する…というところもあります。
このように、思うように休日やリフレッシュする時間が取れず、仕事量も多いことに対して不満を持つようになり、辞めたいと思う人もいます。
保育士を辞めるか辞めないか
1章では、保育士を辞めたいと思う理由について見てきました。
ですが、上記のように思ったからといって、今の職場を辞めよう、とすぐに決意するのはまだ早いです。
まずは、以下の点について考えることをおすすめします。
・どうして辞めたいと思うようになったか(1章で挙げた理由が含まれるかもしれませんね)
・その理由に対して、今の職場で改善できる余地はないか
・今の職場では、努力しても解決できそうもない問題なのか
・仕事を辞めることで起きるリスクはどのようなものがあるか
また、一人で悩まずに、先輩や同僚、家族に相談してみるのも一つの手段です。
自分では考えつかなかった意見をもらえたり、転職を後押ししてくれたり、はたまた今の職場で頑張る気持ちを思い起こさせてくれるかもしれません。
中には、辞めたい方向に意識が傾いている方もいるでしょう。
しかし、年度の途中だからすぐに辞めるのは難しいという状況に陥ることもありますよね。
そのようなときは、少し踏ん張って、今の職場で働き続けることをおすすめします。
まだまだこの職場で頑張れることもあるかもしれない、と思い直す可能性もありますからね。
また、仕事を辞めることで起こる様々なリスクについても考えておかなければなりません。
仕事を辞めるということは収入源がなくなる、ということです。
今の仕事を辞めたあとに、すぐに次の就職先が決まるとは限りません。
仕事を辞めると決意した際には、辞める前に次の就職先を探したり、賞与や退職金、失業手当の受け取れる金額に損が出ないよう、あらゆることを検討しておくことが必要となります。
保育士を辞めるときに考えるべきこと
待遇改善のためにいろいろと動いてみたけれど、今の職場ではもうどうしようもない。
状況はこれ以上改善しない。
そう思い、いよいよ辞めることを決意した方もいるかと思います。
しかし、退職届を保育園に提出するのはもう少し待ってください。
その前に、転職先はどうするかなど、次に起こす行動を決めておくことをおすすめします。
別の保育園への転職を考える
もし、今の職場が嫌なだけで、保育士の仕事自体には愛着を持っているという状態なら、次の転職先を保育園で探すのも選択肢の一つとして考えられますね。
方法としては、ハローワークや保育士専用求人が掲載されている転職サイトに登録して探す方法などがあります。
求人情報を見ていく際には、その求人が、自分が辞めたいと思うようになった理由を解消してくれるかどうか、を見極めていく必要があります。
①人間関係が悪いという理由で辞めると決めた場合
面接や職場見学のときに、園全体の雰囲気や先生同士の会話の様子などを観察しましょう。
②園の保育方針に合わないという理由で辞めると決めた場合
求人情報や保育園のホームページから、その園の保育方針をしっかりと読み取ることが大事です。
また、園長先生からのメッセージなどが書かれている場合はそちらも着目してみるとよいですね。
③給料が安いという理由で辞めると決めた場合
募集要項の基本給欄だけでなく、賞与や昇給欄にも注目して見てみましょう。
基本給の少ないところでも、賞与が3ヶ月分もらえるというところもあるかもしれません。
④仕事量が多いという理由で辞めると決めた場合
勤務時間や休日の欄に注目してみることが大事です。
他にも、残業がない・少ないかどうかにも注意してみましょう。
異業種への転職を考える
中には保育士という仕事自体を辞めようとしている方もいるかもしれませんね。
現在は転職サイトが多数ありますので、自分に合ったサイトに登録して転職先を探していくとよいでしょう。
女性専用の転職サイトもありますね。
次の就職先を探す際には、自分の興味のある分野で探す以外にも、前職で培ったスキルを活かせるかどうかを考慮することをおすすめします。
保育園以外で保育士の資格を生かせる仕事を探す
保育園で働くのはもうたくさんだけど、せっかく取得した保育士の資格は生かしたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方には、乳児院や児童養護施設、学童保育、企業内・病院内の託児所に勤める、という選択肢もあります。
また、個人宅のベビーシッターという選択肢も考えられますね。
辞めると決めた後の行動
退職を決意し、その後の行動もどうするか定まったら、いよいよ退職に向けて動き出しましょう。
こちらでは、退職に向けての行動をまとめてみました。
退職の時期を考える
いざ辞めるにしても、今勤務している保育園に迷惑のかからない時期を選ぶのは社会人としてのマナーだといえます。
体調の問題などで年末まで仕事を続けることができない場合はやむを得ませんが、特にクラス担任を引き受けている方は、年度末で退職するのが望ましいですね。
ただ、どんなに退職の時期に気を付けたとしても、迷惑のかからない退職はない、ということを忘れないでください。
直属の上司へ伝える
辞めることを決心したら、直属の上司へ伝えましょう。
伝えるタイミングとしては、後任の保育士さんを探すことも考えて、退職前の2ヶ月前程度を目安にするとよいです。
もしかしたら引き止められることもあるかもしれませんが、毅然とした態度で、理由もしっかりと伝えてわかってもらう努力をしましょうね。
退職届を書く
園から退職の了承を得られたら、速やかに退職届を書きましょう。
基本的に、提出する目安としては退職前1ヶ月程度となります。
また、退職が認められたら、引継ぎや必要書類についてなど、細かい手続きについても話し合っておくとよいですね。
引継ぎの準備をする
無事に退職することが決まったら、仕事の引継ぎを行いましょう。
自分が引き受けていた分の仕事は後任に任されます。
退職後に後任者が戸惑うことのないよう、引継ぎノートなど資料を作成しておくとよいですね。
伝え漏れのないように、最後までしっかりと仕事に励みましょう。
お世話になった方へ挨拶をする
勤務最終日にはできるだけ全員に挨拶をすることをおすすめします。
次の就職先も保育園に勤めるという方は、またどこかで顔を合わせる機会が出てくる可能性もあります。
人間関係に悩んで退職するという方は、お菓子などを配りながら挨拶するのもおすすめです。
職場に返却物を返す
職場から借りているものがある場合(エプロンなど)、忘れずに返却するようにしましょう。
また、正社員として勤務していた方は、健康保険被保険者証、IDなどの身分証明書類、通勤用定期券も忘れずに返却してください。
同時に、職場からも雇用保険被保険者証、離職票、年金手帳、源泉徴収票など受け取れるものは受け取っておくとよいですね。
体を休める(体調を整える)
無事に退職ができたら、転職する前にリフレッシュとして体を休めるのもいいですね。
特に、保育士の仕事は激務だと聞きます。
十分に休息する時間が取れなかったと思いますので、次の仕事に向けて、また頑張る気持ちを取り戻しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今の仕事に限界を感じて辞めたいと思っている方は、辞める前に本当に辞めるべきかを考えてみてください。
そのうえで、やっぱり辞めたいと思ったのなら、新たな転職先を探して行動を起こしていきましょう。
今の仕事を続けること、もしくは辞めて転職すること、どちらを決意したとしても、自分にとって後悔のない選択ができますように、応援しています。