今回は「保育のお悩みあるある」について考えてみたいと思います。
皆さんはこんな経験ありますか?
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【A先生の悩み】
2歳児クラスを4人の保育士で担当しています。
私はリーダーの下、サブの立場です。
保育士同士の仲は良く、保育は楽しくできているのですが、リーダーが午後になると保育から抜けて事務所に行ってしまいます。
理由は「まだ日誌が書けていないから」です。
日誌は午睡の時間などを使ってそれぞれ書いています。
2歳児クラスで連絡帳もあるので、そちらから書くようにしていますので、時には日誌まで手が回らないこともありますが、リーダーは毎日のように「書けていない」と言って保育から抜けていきます。
みんなそれぞれ行事の仕事を抱えていたり、クラスだよりの係だったり空いた時間にしたいことはたくさんあるのですが、リーダーが抜けてしまうとそれをすることができません。
他の2人からも不満の声が聞こえてきます。
私はどうしたらいいのでしょうか。
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保育園は独特な世界です。(事務職と比べて)
「保育」と「事務」2つの仕事がありますが、それを同時に行うことは困難です。
もっと詳しく考えると「保育準備」や「環境作り」、「行事の準備」などの作業も入ってきますが、やはり保育と同時進行はできません。
そのために、「事務」をするときはうまく時間を作り出さないとなりません。
その多くは子供の午睡の時間が使われていると思います。
皆が寝付いた場合は、午睡室で連絡帳や日誌を書けますし、午睡当番でない日はその時間を事務に当てられます。
そして、今回の問題の午後の時間も事務ができる貴重な時間ですね。
この貴重な時間を毎回同じ保育士だけが使ってしまうのは、大問題だと思いませんか?
皆さんも自分だったらと考えてみてください。
日誌は本当に書けていないのか
これはこの話を聞いた時に、私が一番最初に思ったことです。
毎日日誌が書き終わらない? 他の3人は時間内に書けているのに?
保育士なりたての頃ならいざ知らず、リーダを任されるほどのベテランが「書けなかった」というのはどうも腑に落ちません。
このリーダーは、午後の保育から抜けたくて日誌を完成させていないのかもしれません。
午後は子供も大人も疲れてくる時間です。
それでも、いいえ、それだからこそ怪我や事故がないように保育士は神経を研ぎ澄まして保育をしなければなりません。
子供がそこにいる保育の場所でぼんやりしたり、座り込んで休むことはできません。
でも、事務があると抜けた保育士は、椅子に座り時にはぼんやりとすることが可能です(あくまで可能ということです)。
疲れを感じる午後に「保育から抜けたい」という思いが、「日誌を書けていない」という現象を引き起こしているのではないでしょうか?
そこに悪気があるのかないのかは本人にしかわかりません。
でも、周りに迷惑をかけているのは間違いないですね。
解決策を探ろう
相談者のA先生の立場は、リーダーの下のサブリーダーの立場です。
本来ならば直接リーダー保育士に意見を言わなければなりません。
しかし、このように悩んでいるということは、なかなか意見を言えない環境なのでしょう。
また、理由が「保育をサボりたいからかな?」と思っているとなおさら言えなくなります。
具体的にどうしたらいいのでしょうか。
リーダーよりも上の立場の保育士に相談する
「主任保育士」など上の立場の人に相談してみましょう。
いつも事務所にいる保育士ならば、「今日も先生が抜けてるの?」などと声をかけてもらうことも可能です。
この時、ただ「悪口」にならないように気をつけましょう。
どんな状況で、どんなところに困っていて、どうしたいのかを、はっきりと相談しましょう。
クラス打ち合わせで問題提起する
クラス打ち合わせで、時間の使い方を話し合うのもいいでしょう。
この時「リーダーばかり抜けて」というニュアンスでは話さないようにしましょう。
誰がどんな仕事を抱えているのかを明確にして、午後の時間をうまく使える方法を考えていくようにします。
この時、リーダーがどんな考えを持っているのかを確認することもできます。
みんなで平等に時間を使う大切さを確認したいところです。
時間の上手な使い方
本来は優先順位の高い仕事からしていくのがベストです。
でも「日誌が書けていない」という今日中に終わらせたい仕事があると言われると、なかなかうまく行きません。
そこで、日誌にかける時間は「15分」と決めてみましょう(本来は午睡時間に終わらせるものだからです)。
こんな風にルールを決めます
1……日誌が書き終わっていない人は15分時間をもらえる。書き終わらなくても一度戻り、次の人と交代する。
2……15分で終わらなかった日誌は自分の時間で書く。
3……行事の準備など時間のかかるものは、その度に優先順位を決めて時間を決める。
4……児童票など全員が同じくやらなければいけない仕事は、同じ時間を回せるようにする。
このルールに添えば、一人だけがずっと抜け続けるということは避けられますし、時間が必要なときはたっぷりと抜けることもできます。
複数担任はルールが大事
毎日不満が溜まりがちな複数担任ですが、ルールを明確にしておくことで避けられる問題もたくさんあるのです。
それに当てはまらない時には臨機応変で対応しましょう。
そして本来はこのような采配はリーダーを中心に行うべきものです。
これを読んでいる「リーダー」がもしもいましたら、ぜひ自分のクラスを振り返ってみてください。
人数が多ければ多いほど、誰かが統率をしていかないとうまくは回らないのです。
みんなが同じように仕事をこなせる時間の保障を考えていきたいものですね。