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学生から社会人に
今までと大きく異なる環境での生活がはじまります。
学生の頃は歳の近い好きな友達を作り、一緒に過ごしてきたでしょう。
今まではそれで良かったかもしれません。
しかし、これからはそうはいかないことも起きてきます。
保育園には沢山の職員がいます。
歳の近い先輩や、既婚者の先輩、子どもさんがいらっしゃる方や、中にはお孫さんがいらっしゃる方まで、年代や家庭環境の異なる様々な方が働いています。
他にも、正社員だけでなく、パート、アルバイト、派遣社員の方など、勤務時間の長さや出勤日が異なるなど勤務形態も様々です。
これはもちろん保育現場だけで言えることではなく、どの職種でも言えます。
そういった環境の中で、あなたは働くことになるのです。
ここが重要です。
友達関係との違いです。
「愛想が良く人見知りもしないから大丈夫」
そう思っているあなた。
本当に大丈夫でしょうか?
もちろん先輩に対して開けた態度で関わろうとする姿はとても素晴らしいと思います。
ですが、忘れないでください。
あなたは働きに来ています。
まずは、
- 挨拶、マナーは必ず。
- 言われたことをきちんと行う。
- 分からなければ聞く。
- 情報はきちんと伝達する。
- 定められた期限は守る。
- 「ほう・れん・そう」は絶対。
ここだけは怠らないようにしましょう。
ほうれんそうの重要性
ところで、「ほう・れん・そう」をご存知でしょうか?
耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
- ほう…報告
- れん…連絡
- そう…相談
この3つの単語頭文字を取って、「ほう・れん・そう(報・連・相)」と言います。
では、「報告・連絡・相談」とは?
あなたは的確に説明できますか?
そこが重要なんです。
「“報・連・相”ね! はいはい! 出来てますよ」
そう思っていませんか?
果たして本当に出来ているでしょうか?
きちんと意味を理解せずに漠然と考えていると、もしかすると先輩の求めていることに気付けていないかも知れませんよ。
今回は「報・連・相」がテーマではないので深くは掘り下げませんが、ほうれんそうについて少し書いておきます。
報告
仕事の進捗状況等をまとめて伝えることです。
今現在自分が置かれている状況等もここに属します。
連絡
事実を伝えることです。
周囲にとっても必要な周知が含まれます。
イメージしやすいように比較してみると、報告の方が自分自身の感情が見えて来ませんか?
厳密に言うと少し違いますが、報告の方が当事者にとっては重要度は高めです。
かと言って連絡を怠ってしまうと、全体に周知しておかなければならない内容を取りこぼしてしまうので注意が必要です。
相談
何か起きたことに対して、自分はどのように立ち居振る舞えば良いのか、アドバイスをもらうことです。
…以上がとても簡単にまとめた「報・連・相」です。
特に新人さんにとってはとても大切になってきます。
この「報・連・相」を怠ると、人間関係にも影響してきます。
「わたし、聞いていない!!」
「この子は大切なことを言わない。」
「何も任せられない。」
こうなることは、皆さんにとっても想像に容易いと思います。
「報・連・相」の重要性は分かっていただけたと思います。
さて、ここまでで不安になってしまった方がいらっしゃるかも知れませんが、ここからが今日のテーマの大切なところです。
先輩は良いように使う
「先輩は良いように使う」とはどういうことでしょうか。
この言葉は後輩にわたしがよく言っていた言葉です。
先輩には新人さんに任せられない仕事をたくさん抱えていることが多いです。
ですが、誰にでも出来ることは、新人さんや後輩に仕事として振ることも多いと思います。
その時、「なんで私ばっかり!!」と思っていませんか?
わたしも新人の時には思ったことがあります。
ですが考えてみてください。
仕事を与えられると言うことはあなたに出来ると判断されているから。
ここで、報告をします。
「今ここまで終わりました。一度確認していただいても良いでしょうか?」
「明日には全て完成すると思います。完成しましたら各クラスに配布しますか?」
など、これは単なる一例ですが、とても素晴らしい新人さんです。
先輩たちは、新人さんが1年目の間に1年の園生活の流れを知り、社会人になるためのサポートをしています。
なので仕事に前向きな新人さんであれば先輩は喜んで手を差し伸べるでしょう。
さて、どのように先輩を使うか。ここからです。
「この状況の時、先生はどのように対応されていますか?」
「〇〇ちゃんがご飯を中々食べてくれなくて…」
など、まずは仕事で悩んでいることを相談してみましょう。
先輩は、
「こんなことで悩んでいるんだ」
「今こう言うことを思っているんだ」
と知ることが出来ます。
それだけで新人さんが近くに感じます。
そして、なんとかしてあげようとも思うでしょう。
きっと何かヒントはくれるはず。
そうです。先輩はあなたよりも保育に対する引き出しをいっぱい持っています。
そこを上手く使うのです。借りるとでも言いましょうか。
一人で悩んでもあなたの引き出しは限られています。
それはこれから増やしていけばいいのです。
またその際、先輩の得意分野を見つけて、その部分で相談するとよりいいですよ!
会話の落とし穴
先輩の引き出しを借りる、と言いましたが、ここで何点か注意点を書いておきます。
①考えなしに0の状態で相談しない
自分の考えや、思いは持っておきましょう。
「先生はどう思う?」と言われて全く答えられないのは問題外です。
②プライベートなことを話し過ぎない
聞いてもいないのに、「最近彼氏と…」なんて話はまだ早いです。
あなたがどんな子かもまだ分かっていない状態で、ましてや彼氏のこと等には興味がありません。
先輩から聞かれた時はもちろん答えてください。
ですが、その時も話し過ぎには注意ですよ!
③きちんとお礼を言う
「お時間を頂いて、ありがとうございました。」
この一言が大切です。これがあれば取り敢えずは大丈夫でしょう。
④その後の報告をする
出て来ましたよ! 「報・連・相」の報告です!
折角相談に乗ってもらったのですから、実践してみましょう。
そして、どのように変化したか、きちんと伝えましょう。
このアフターケアは、どんな先輩でも「可愛い後輩だ」と感じてくれることでしょう。
一番危険なのは②です。
毎年一人はいますね、こんな方。
「まず仕事をしようね」
と思われては勿体ない!!
最後に…
社会人としての自覚を持って、なんていわれても、なかなか急には持てませんよね。
そんなこと百も承知です。失敗も大いに結構!
ミスして許されるのも、出来たら褒めてもらえるのも新人さんの特権です。
あなたの頑張りを必ず誰かが見てくれています。
まずは仕事に向き合えば、自ずと何かしらの疑問や悩みが出てくるでしょう。
そのときはチャンス!!!
一人で悩まないで!是非、先輩に相談してみて下さい。
きっと気付いた時には、くだらない話で先輩と笑い合っている日が来ていますよ!