保育士資格を活かせる仕事

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保育士資格を取得したけれど、保育園以外どのような職場でその資格を活かせるのか、よくわからないという方は多いのではないでしょうか。

実は、保育士資格を活かせる仕事はみなさんが想像する以上にたくさんあります。

ここでは、保育士の資格を活かせる仕事をご紹介します。

1.保育士の資格を活かせる仕事

保育士の資格を活かせる仕事として、まず一番に思い浮かぶのは保育園ですよね。

しかし、保育園以外にもみなさんが思う以上に保育士として活躍できる仕事は多くあります。

まず、子どもと保護者の生活、自立の支援を行う児童福祉施設が挙げられます。

他には、学童や企業内保育など働くお母さんお父さんを支える施設があります。

出産後も子育てをしながら仕事と両立を目指す女性が増え、それに伴い保育士さんの活躍の場も今後ますます増えることが期待できます。

2.児童福祉施設

児童福祉施設とは、児童に対する福祉サービスを行う施設全般を言います。

子どもと保護者の生活と自立を支援するための施設で、0歳~18歳までの子どもたちを預かります。

ここでは、保育園以外で保育士資格を活かせる児童福祉施設をご紹介します。

これまで皆さんが知らなかった施設もあると思いますので、ぜひ自分に合った施設を見つけてください。

2-1.児童館

児童館でのお仕事は、子どもたちと元気に遊びたい、アットホームな場所で働きたいという方におすすめです。

児童館は、みなさんも子どもの頃、一度は遊びに行った記憶がありますよね。

保育士の資格を活かせるのが、児童館で働く児童厚生員と呼ばれるお仕事です。

午前中は、赤ちゃんから幼児さんがお母さんお父さんと遊びに来ます。

みんなで体操や歌、工作などをするのが一般的です。

午後は、学童として毎日お預かりしているお子さんと自由に遊びに来るお子さんの両方がいます。毎日お預かりするお子さんはもちろん、定期的に遊びに来てくれる子どもの名前も覚えたいですね。

児童館はほとんどが公立ですが、直接役所で採用された公務員以外にも、NPO法人や株式会社に採用されている職員もいます。

また、民間では保育園が運営する社会福祉法人が児童館を運営していることもありますから、その場合は施設ごとに採用を行っています。

まずは、希望するエリア、自宅近くの児童館の運営形態を調べてみましょう。

児童館の求人情報は「児童館わくわくワーク」というサイトが参考になると思います。

http://www.jidoukan.or.jp/work/howto.html

児童館で働くには、主に3つの方法があります。

こちらを参考に、ぜひ行動に移してみてください。

  • 市区町村の児童館担当課に児童厚生員の採用について問い合わせる。
  • 各児童館に直接問い合わせる。
  • 児童館でボランティアをしつつ、関係者と人脈を作り採用情報を入手する。

2-2.母子生活支援施設

母子生活支援施設は、母子家庭や経済的な理由など生活上の問題で両親に養育してもらうことが難しい18歳未満の児童が入所できる施設です。

保育園でのお仕事以上に、生活に密接に関わりサポートしたい、両親に対するサポートもしたいという強い想いを持った方はやりがいを感じて働ける施設だと思います。

ここでの保育士の仕事内容は、保育や学習、生活の指導です。

母親が働いている場合にはその間の児童の保育や、病気をした児童の世話、時には学校への送り迎えを行うこともあります。

それだけではなく、育児に関する相談、就労支援など母親に対する支援も行います。

母子生活支援施設は、ほとんどの場合市町村や社会福祉法人が運営に絡んでいる場合が多いです。

一般的に定期的に求人を行っている場合は少なく、欠員補充が若干ある程度の場合が多いので、定期的に求人サイトをチェックすることが必要です。

2-3.乳児院

乳児院とは親族・保護者のいない場合や、保護者の病気や死別・子どもを育てていくことが難しくなったなどの理由で2歳未満の乳幼児を育てていく施設のことです。

保育園との大きな違いは、保護者のお迎えがないということです。

ずっと乳児院で生活をしている子どもを見ることになるので、一般的に家庭で行うようにミルクを飲ませる、沐浴をさせる、おむつを替える、外へお出かけするなど、一日子どもが安全に安心した生活を送れるように見守っていくお仕事になります。

つまり、親代わりとして施設全体で赤ちゃんを育てていくことになります。

虐待を受けている赤ちゃんや親のわからない赤ちゃんがいますから、保育士として働くうえで親の愛情のない姿を目の当たりにする経験、養護施設への移動など辛いことも多いです。

しかし、子どもの笑顔、精一杯生きる姿に励まされ勇気をもらっている保育士さんも多いのです。

辛い現実を受け止め、そこから自分のできることを見出せる、そんな方が活躍できる職場です。

2-4.助産施設

助産施設では、産婦人科医、助産師だけでは対応が追い付かない、おむつ交換やミルクのお世話といった赤ちゃんのお世話が保育士の主な役割です。

また、中には第二子、第三子の出産というお母さんもいます。

産婦人科に保育サービスを取り入れることで、お母さんは安心して病院を訪れることができますよね。お母さんの診察時にじっとしていられない幼い子どもを見ているということも保育士としての仕事の一つです。

2-5.児童養護施設

児童養護施設とは、乳児以外の18歳までの児童が入所する施設です。

この施設は、児童養護法で保育士の配置が義務付けられていて、子どもの生活全般のケアをします。

入所している子どもは、家庭がない、もしくは何らかの事情があり家庭で生活できない子どもたちなので、親のような立場で子どもと接することになります。

また、その中には親からの虐待を受けた子どももいるため、心に傷を負った子どもへは特に慎重に対応する必要があります。

もちろんそういった専門のカウンセラーの役割を担う方がいますが、いっしょにケアをしていくことが重要です。

2-6.知的障害児施設

知的障害児施設とは、知能指数が70以下の知的障害をもつ18歳未満が入所する施設のことを言います。

この施設では、法律で保育士の設置義務があり、児童を保育するプロとして重要な役割を担います。

保育士としての仕事内容は大きく2つに分けられます。

1つ目は、基本的生活習慣である、挨拶、着替え、食事、排せつなどの知識習得を目指す指導です。

10代でも幼児に似た行動をすることもあるので、きちんとフォローしつつ保育指導を行っていく必要があります。

2つ目は、遊びや学習、労働といった活動を通し人間形成を図る役割です。

人間として生きていく上で集団での行動やルールの理解をしてもらう、保育士の仕事の醍醐味とも言えますね。

知的障害をもつ子どもは、通常の保育園で行うのと同じように指導をしても理解してもらえないということが多くあります。

それぞれの子どものレベルに合わせ、伝え方や指導方法を工夫することがより重要になります。

2-7.知的障害児通園施設

知的障害児施設とは、自宅で生活を行うことができる中度の知的障害児や発育障害をもつ20歳未満が通園する施設です。

ここでの保育士の役割は、子供の年齢や発育状況に応じた生活指導を行うことです。

「ありがとう」「ごめんね」という言葉も、障害をもつ子どもにとっては簡単に出てこないことがあります。

そのため、気持ちを伝える事ができずにうまくコミュニケーションが取れない子どもも多いです。

発達レベル、障害の程度、障害の特性、介助の度合い、体力などを基準にクラスが別れていますが、一人ひとりに寄り添った指導が大切です。

2-8. その他の児童福祉施設

盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センターも保育士としての知識・資格を活かせる児童福祉施設です。

ここで挙げている施設は、重度の障害をもった子どもを預かる、また罪を犯してしまった子どもを心の成長とともに更生させていく施設です。

保育士資格や保育園での経験だけでは対応が難しいお子さんも多くいますので、今回はその他としてまとめてご紹介しました。

3.保育園・児童福祉施設以外の活躍の場

3-1.学童

小学生のときに学童に通っていて懐かしく感じるという保育士さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、学童では2015年4月から「放課後児童支援員」という新しい資格が導入されています。

この資格は、保育士の資格を持っていれば、都道府県知事が行う研修を修了することで「放課後児童支援員」の資格を取得することが可能です。

保育士の資格を活かし、新たな資格を取得して学童で小学校の児童の指導を行う仕事ができます。

3-2.企業内保育

企業内保育とは、企業が社員のために開設した保育園で行う保育のことです。

企業の建物の中にあるというケースもあれば、近くに保育園があるという場合もあります。

お母さん、お父さんが出勤時に子どもを預け、退勤時に迎えに来ることになります。

企業内保育園では、こどもの日や雛祭りなど季節ごとのイベントはあるものの、保護者が同じ企業に勤めているため同時にお休みを取ることが難しく、保護者参加の運動会や遠足といった大きなイベントがないことが多いです。

そのため、保育士としてのお仕事は日常的な業務が主になります。

事例紹介

①株式会社資生堂 カンガルーム汐留

平成15年5月に本社を汐留に移転する際に、以前から社員の要望が強かった事業所内保育所を設置しました。従業員の7~8割が女性という資生堂は、顧客の9割も女性です。

待機児童の多い首都圏では、子どもを預けられる保育園が見つからず、復職ができない事例もありました。企業内保育園を作ることで、早期復職を促し、子育てと仕事の両立支援に役立つと考えました。

②ヤクルト販売株式会社 もぐもぐ保育ルーム

ヤクルトには、“ヤクルトレディ”と呼ばれる程、女性社員が大勢在籍しています。

創業時には、朝の配達だけであったため、企業内で子どもを預かる必要はありませんでした。しかし、お昼にもヤクルトを配達するサービスをスタートし、“ヤクルトレディ”の大切なお子さんを企業の中で預かることにしたのです。

当初は営業所の従業員が子どもの面倒を見るという方法を取っていました。

しかし、次第に児童数が増えたため、託児所を設置し、資格をもった保育士さんに保育業務を任せることになりました。保育士さんに預けられれば、働くお母さんたちも安心ですよね。ヤクルトは、現在34ヶ所の営業所のうち、29ヶ所に保育所を設置しています。

さらに、そのうち20か所では地域児童も受け入れています。

③株式会社サマンサタバサジャパンリミテッド Thavasa Room

平成18年に行われた内定式で、新入社員の女性から「結婚しても仕事を続けられますか?」と社長に質問がありました。従業員の96%が女性であり、社長自身も以前から女性が結婚・出産後も子育てをしながら働くことができる環境づくりの必要性を感じていました。

社長のトップダウンですぐに保育所の設置を決まり、平成19年に開設をしています。

Thavasa Roomの内装はサマンサショップと同じデザイナーが手掛けています。パステルカラーの室内には、可愛らしいヴィヴィッドカラーのおもちゃが揃えられており、サマンサらしさを追求した保育園です。

4.まとめ

いかがだったでしょうか。

保育士の資格を活かして、保育園以外にもこのように様々な職場で活躍することが出来るということがお分かり頂けたと思います。

出産後もキャリアを積み活躍する女性が増加している中で、保育士さんの活躍の場は今後ますます広がっていくでしょう。

まずは、保育士の資格を活かしてどのような仕事が出来るのかを知りましょう。

そして、みなさんが自分に合った施設を選び、保育士として輝いて働くことの出来る職場に出会えるよう願っております。

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