保育園では、安全に一日を過ごすことがとても大切ですね。
大きな怪我や、トラブルが起きないように保育士は細心の注意を払っています。
今日は「危険の予測」について考えてみましょう。
大切なのは想像力
危険の予測は、常に先の出来事を想像することによって行います。
「3歳児が保育室から散歩に行って遊ぶ」という設定で危険予測をしてみましょう。
(特に新人保育士の方は、次を読む前に自分で危険予測をしてみてください)
- 保育室から一度にテラスに出る時、押し合いになって怪我をするかもしれない
- 靴箱の前でぶつかるかもしれない
- 靴を履いた後勝手に園庭を走り回るかもしれない
- 手をつなぐ時に「〇〇ちゃんがいい」と揉め事が起こるかもしれない
- 門を出る時に駆け出して先に行ってしまうかもしれない
- 道路にとび出すかもしれない
- よそ見をして電柱にぶつかるかもしれない
- 歩く速度が違い遅れる子が出るかもしれない
- 公園に着いたら勝手に遊具に行ってしまうかもしれない
- 滑り台を逆登りしてぶつかるかもしれない
- 遊具の上でふざけて落ちるかもしれない
- 走り回ってブランコをこいでいるところに突っ込むかもしれない
- 黙って公園を出て行くかもしれない
- 落ちているものを触ったり口に入れるかもしれない
- 散歩中の犬に触って噛まれるかもしれない
- 公園にいる時に地震など災害が起きるかもしれない
- 転んで怪我をするかもしれない
- 水を飲もうとして噴水のようになり濡れるかもしれない
- 帰らないとぐずりその場から動かなくなるかもしれない
- 帰り道疲れて足がもつれるかもしれない
- 園が近いと思うと手を離して駆け出すかもしれない
- 早く保育室に入りたくて入り口に殺到するかもしれない
いかがでしたか?もちろんこれは一部です。
こんなに思い付きませんでしたか?
私自身も改めて言葉にしてみるとすごい多いなーと思います。
でも保育士は常に、このような「危険予測」をしていなければなりません。
今回は「散歩」でしたが、本当は一日の活動の全てで行うことですね。
なぜ予測が大切なの?
起こる全てのことに瞬時に対応できれば問題ないのですが、それは無理な話です。
ならば、「予測」して「準備」や「構え」を作っておくしかありませんね。
実は大切なのはこの「準備」や「構え」なのです。
上で例に挙げた「保育室から一度にテラスに出る時、押し合いになって怪我をするかもしれない」で考えてみましょう。
保育室から一度にテラスに出る時、押し合いになって怪我をするかもしれない「から」どうしますか?
私なら少人数ずつ出すために、「男の子どうぞー」と呼んだり、時には「〇〇ちゃんどうぞー」と一人ずつ声をかけ、たとえ3秒でも間を作るようにします。
あなたならどうしますか?
上の例の全てに「から」をつけて続きを考えてみてください。
それが「予測」して「準備」や「構え」を作っておくということです。
その準備や構えがあるからこそ、本当にそうなりそうな時に対処ができますし、そもそも危険な状態を起こさないことができるのです。
声に出してみよう
ベテラン保育士はこのような危険予測が全て頭の中に入っていて、その対応も完璧な状態で整理されているはずです。
それは、毎日の経験の積み重ねがあるからです。
「同じ失敗は二度と繰り返さない」という気持ちでもありますね。
では、まだ経験の浅い保育士はどうすればいいのでしょうか?
まずは、自分でした予測を声に出してみましょう。先輩保育士に確認するような言葉でもいいと思います。
上記した散歩に出る場面では
「出口危ないので気をつけます」
「テラスに一度座らせます」
などのように言ってみましょう。
もしも間違っていたら先輩が
「今はこっちをみて」などと返してくれると思います。
その時は「あ、間違っちゃった」とは思わずに、「こっちもみなくてはいけないんだな」と一つ勉強になったと思いましょう。
また自分だけの時も、「ブランコ危険・滑り台逆登り禁止・公園出入り口注意」とつぶやいてください。
声出し確認はとても効果的な「意識を高める方法」です。
特に、忙しい時間帯はしなければいけない事に気をとられがちで、注意力が散漫になります。そんな時こそ、声出し確認で気持ちを引き締めましょう。
大きな事故の裏には、確認不足や油断など必ず原因があります。いつでも「今何が起こるだろうか?」という予測をしながら動いていきましょう。