コロナウィルスの大流行により、この先の私たちの暮らし方は大きく変わっていきそうな気配がします。
コロナと戦うのではなく「withコロナ」という考え方で、コロナウィルスと共存していくというものです。
保育園の今までの当たり前も大きく変わることになるでしょう。
特に行事はその開催方法を考え直さなくてはなりません。
今回は「コロナ禍の行事」について考えてみましょう。
◯その行事は必要かな?
行事のほとんどが、全園児(あるいは幼児)が集まって楽しむものです。
ホールにみんなが集まるだけでもワクワクしますし、保育士が出し物を見せたりすることでとても楽しい時間を過ごせたりします。
ところが3密を防ぐとなると、狭い場所に大勢が集まることが難しくなってしまいます。
特に保護者も参加する様な発表会・運動会などは適切な距離など保てるわけもありません。
皆さんの園ではどの様に対策を立てていますか。
・クラス単位で行う
・少人数で複数回行う
・その行事自体をなくす
・開催をするが徹底的に換気や消毒に努める
おそらくたくさんの意見が出ていることでしょう。
また、コロナウィルスの感染者の数や政府・自治体の動向を見てから決めるという園もあるかもしれません。
頭を悩ませる問題ですがここは気持ちを切り替えて、「行事を見直すチャンス」と捉えてみてはどうでしょうか。
「いつも惰性で同じことを繰り返してきたけれど、そのやり方で本当に良かったのかな?」
「これはクラス単位でも十分に楽しめるかな?」という様に、その行事の持つ意味や必要性を考えてみましょう。
◯O-157から学ぶ
私が働き始めた頃に、日本でO-157が問題になりました。
初めて聞くその病名に驚いたり、その症状のひどさに怖さを感じたりしたことを覚えています。
O-157対策として、なま物の提供が一切できなくなりました。
食品は「75度以上で1分以上加熱する」ことが絶対必要になりました。
給食で出ていた「りんご」「トマト」「きゅうり」「キャベツ」などは姿を消すか温野菜になって出る様になりました。
乳児クラスが食べていた「食パンにバターを塗ったもの」も食べられなくなりうどんに変わった様に記憶しています。
給食のメニューが変わることは仕方がないことと簡単に捉えることができました。
しかしその後の行事までもが劇的に変わってしまったのです。
流しそうめん・・・流すときに菌がつくかもしれないので禁止
スイカ割り・・・割るのはいいが割った後に食べるのは禁止
餅つき・・・ついた餅を丸めるときに菌が入る可能性があるので禁止
調理保育・・・食材を調理室以外で調理するのは禁止
クリスマス会のバイキング・・・手を介して菌がつくので禁止
今まで普通に計画していた行事が一気に禁止されてとても困ったことを覚えています。
それでも、行事を見直して代わりの楽しいことを企画したりすることで保育を進めてきました。
O-157の対策は今でも続いています。
もう日常に当たり前に溶け込んでいるので、改めて口にすることも少なくなっているのですが確実に対策はされています。
感染がものすごく流行っていた頃には色々な制約が多く大変だったはずですが、「これは対策を続ける」「これは形を変えればできる」と試行錯誤していった成果とも言えると思います。
◯テクノロジーを活用する
「保護者会」など保護者が園に集まるものは3密を避けることを守るのであれば、とても難しくなってきます。
これも形を変えていかなければいけないのかもしれません。
学校の授業が「オンライン」で行われる様に、保護者会も「13:00からzoomで行います」となる日が来るのでしょうか。
最先端を行っている園ではITを取り入れている園も多いと思いますが、全ての保護者に平等に提供するとなると資金も時間もかかる問題です。
保護者会が無理ならば、保護者に情報を発信する方法や、保護者の考えや気持ちを受け止める方法を考えなければなりません。
これは簡単には解決できることではありません。
でも勉強を始める時がきたと思うこともできます。
アナログで動いている保育の世界にもITを取り入れる日がやってきます。
上記した「zoom」の意味がわからない人がいたら、それを調べることから初めてみませんか?
私たちの新たな課題として受け止めていきましょう。
◯まとめ
行事は次から次へと日程が押し寄せてくるので、じっくり考えている時間はないかもしれません。
でも、だからこそ色々と勉強をして取り組んでみるべきだと思います。
「時間がなーい」と愚痴をいうその合間に何か一つでも調べて自分の身につけてください。
そこに何かヒントが隠されているかもしれません。
今まで流れる様にしてきたことを、思いっきり変えてみる。
そんなきっかけにしてみてください。