みなさんは保育をする中で子どもたちにどのような言葉を掛けていますか?
褒めたり、時には叱ったりと保育園で生活する子どもたちへ、適切な言葉掛けをすることが出来ているでしょうか?
今回は言葉掛けについて少し考えていきたいと思います。
大人の言っていることは本当に正しい??
子どもたちが言葉を覚えていく中で、一番身近にいる人は両親や保育士ではないかと思います。
子どもは何でも真似をして覚えていきます。
しぐさや食事の仕方はもちろん、言葉も真似から覚えるのです。
大人がもし間違った言葉遣いをしていたら・・・違った意味で使っていたら・・・
子どもは間違いに気付かないまま覚えていく可能性があります。
特に最近多いのは、何でも“やばい”という言葉で表現してしまったり、“ら”抜き言葉を使ってしまうことではないでしょうか?
大人が使っていると、子どもたちは“お母さんが使っているから正しい”と思い込んで間違った使い方をしてしまうかもしれませんね。
何でもやってあげるのは良い事?
子育てをしていたり、保育をしている中で、子どもの可能性を信じずに“出来ない”と決めつけて、全てやってあげてしまうことがありませんか?
時には忙しくて、子どもが一人でやっているのを待っていられないこともあるかもしれません。
ですが、それではいつまで経っても身の周りのことを出来るようにはならないのです。
いつも待ってあげるというのは難しいかもしれませんが、時間がある時には、動作を声に出しながら子どもに言葉を掛けて一緒に取り組むことが、子どもの成長に大きく関わってきます。子どもは真似っこの天才だと私は思います。
特に大好きな大人に目を向けられ、丁寧に教えてもらい一緒に喜びを分かち合う成功体験をすることが、楽しみながら子どもがすくすく成長していくことに繋がっていると思います。やってあげるより“待つ”ことが大切になってきます。
お友だちに優しくできる子へ
クラスには色々な性格の子どもたちがいると思います。
私が担任をしていた時、思い描くクラス像にはいつも「思いやりを大切にする子を育てる」という目標がありました。
それは当たり前の事かもしれませんが、大人になっても忘れてはいけないことだと思うので、目標としていました。
思いやりを持つということは、相手の気持ちを考えることになります。
それは吸収力の高い子どもたちには、私たちの言葉掛けの工夫の仕方一つで身に付けていけることではないかと考えていました。
1・2歳児のクラスのクラスでよく目にするおもちゃの取り合い。
「○○ちゃんが取った~!!!」と毎日どこかから聞こえてきます。
そんな時は双方の子どもたちから話を聞いて一緒に考えていました。
どっちもおもちゃを使いたい時、先に使っていたAちゃんに「使い終わったらBちゃんに貸してね!」と伝え、貸してもらえるのを待っているBちゃんと一緒に遊んでいると、さっきまで使っていたAちゃんが「どうぞ!」と貸しに来てくれました。
「どうも!」と頭を下げておもちゃを借りたBちゃんは、次に同じ状況になったとき、お友だちに上手におもちゃを貸すことが出来るようになっていました。
無理やりおもちゃを取られてしまった時に仲介に入る時には、どちらの気持ちにも寄り添い、“取られたらどんな気持ちになるか”を一緒に考えるようにしていました。
そんなことを繰り返しているうちに、おもちゃの貸し借りはスムーズになり、きちんと“ごめんね”や“ありがとう”をすぐに言えるようになっていくのです。
言葉の魔法は子どもたちの気持ちを育てる
言葉は一度間違えて覚えてしまうと直すことが難しいですよね。
だからこそ、子どもに関わる大人たちは正しい言葉の使い方をしていく必要があります。
言葉掛けや大人の子どもに対する関わり方一つで子どもの成長に大きく影響します。
言葉は子どもたちを成長させる魔法みたいなものだと私は思っています。
大人が優しい思いやりを子どもたちへ伝え、人のことを思いやることの出来る子どもたちを育てていけると良いですね。