「もう一度保育士になってみようかな…」「育児も落ち着いたしまた働きたいな…」
人によって理由はさまざまですが、過去保育に携わっていたが一度はその場を去り、もう一度保育士として働くことを望んでいるという方は少なくありません。
結婚や出産などやむを得ない理由で退いた方もいれば、何かきっかけがあり嫌になってしまったり他の職種に目が向いてしまったりなど自分の意志で辞めた方もいるでしょう。
このように一度退職した理由が人それぞれであるように、再就職を考えたきっかけや頭に浮かぶ不安も人それぞれです。「ずっと社会から離れていたけど働けるかな…」「今の保育業界についていけるかな…」など、なかなか勇気が出ずに二の足を踏んでいる方も多いです。
しかし保育士経験者は保育園にとって大いに頼りになる存在。また子育て経験があるならば保育園でも即戦力となり得ますし、ブランクの間他の職場で社会人経験があるならば、対人スキルやマナーの面で能力を発揮できます。
この記事では、以前保育士だった方が再就職を考えたときに抱く悩みや不安、またそこから失敗しないためのポイントをご紹介していきます。再就職への一歩を踏み出す勇気が出ない方、この記事を読んで自信をもっていただけたら幸いです。
目次
1.保育士の再就職でぶつかる不安と対処法
再就職する方々も一度は保育士のご経験があるのでその経験を活かせるという面では保育園側もかなり助かることと思います。しかし、求職者側はブランクがあることや以前と同じ理由で辞めたくならないかなど、様々な不安があります。
ここではそんな不安の対処方法をご紹介しますので、是非参考にしてみてください。
1-1.体力的についていけるか
ブランクを気にしている方の大半は「体力」面に不安があります。確かにブランクが長くなればなるほど、あのころのような働き方は出来ないと思うのも自然なことです。実際に現場を経験したことのある方なら、保育士の仕事には体力が求められることを知っているからです。
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対処法:年齢も重ねて現場からも長く離れているのに、復帰していきなり猛暑の夏や寒さの厳しい冬を乗り切る自信なんてないと不安に思うのは致し方ないですが、そういう場合は、パートや派遣などの勤務時間が限定された働き方から徐々に体を慣らしていくという方法もあります。
正規の職員ならば、早番、遅番、残業などがありますが、期間の定められたパートや派遣ならば、自分の都合の良い時間帯のみの勤務も可能です。
実際、ブランクが長い人のなかには、ペースが掴めるまで1~3カ月ほど非常勤で働いて、それから正規職員を目指すという方が大勢いらっしゃいます。非常勤から正社員へ移る際に転職活動をしなければないという点をネックに感じる方もいるかもしれませんが、保育園によっては非常勤からの正社員登用を行っているところもありますので転職サイトやエージェントを利用して探してみてはいかがでしょうか。
1-2. 現在の保育内容についていけるか
もう1つ、ブランクから生まれる不安が保育業界の変化や保育知識に関してです。1年や2年ほどのブランクであればそこまで変化はないかと思いますが、10年近くまたはそれ以上のブランクがある場合は保育士としての業務内容や保育園の教育方針の傾向に変化があることは避けられません。
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対処法:保育園ごとに特色のある現在の保育方法において、保育士に期待される役割が変化してきているのは事実です。24時間保育や休日保育などに対応した保育施設も増加傾向にありますし、「保育時間内に幼児教育を行って欲しい」などの保育内容にも求められてきています。
そんな時には、「ブランクOK/ブランクのある方歓迎」といった記載のある求人を探してみましょう。入職の際に研修を受講できる、教育体制がきちんと整えられているなど、ブランクがあってもスムーズに感覚を取り戻せる環境が整っています。
また、都道府県や各自治体のハローワークでは、潜在保育士のための職場復帰セミナーを開催していることも多くあります。事前の申し込みが必要ではありますが、就職活動の前に、知識を蓄えておきたいという場合には、参加してみるのも良いでしょう。
また、保育業界の対応時間や施設に変化はあっても、子ども達がどんなことに喜ぶのか、けがをした時どう処置すればよいのかなど、数十年経っても変わらぬ知識もたくさんあります。そのような時は新卒保育士の方よりも皆さんの方がずっと豊富な知識と経験をもっていますので、不安を抱く必要はなく、むしろ自信をもって保育に努めてください。
保育士経験だけでなく子育て経験があるならば更に即戦力となり得ますし、別職種での社会人経験があるならば保育の面以外にも対人スキルやマナーの面で保護者対応に能力を発揮できます。
1-3.人間関係がうまくいくか
当然ながら、再就職する方は保育業界で働き続けてきた方と比べれば経験が少なくなります。そのため、ブランクの長さによっては年下の方でも保育経験が長いといった状況にもなり得るので、うまく人間関係が築いていけるのか不安に感じることも多いはずです。
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対処法:人間関係については、入職してみないとわからない部分も多いですが、まず中途採用、特にブランクのある人材の採用歴がある職場ならば、不安を理解してくれる職員がいるかもしれません。また、自分自身の心がけも重要です。年長者だから、自分のやっていた方法はこうだから…と意地を張ることなく、柔軟に新しいやり方を学び取り入れていけば、自然と円満な人間関係も築けることでしょう。
1-4.家庭との両立
再就職する方の中にはお子さんをお持ちの方も多いでしょう。その場合自分の子供が熱を出したときや学校行事のある場合などに、どうしても保育園の仕事を優先させなければならないことがあるかと思います。そんなとき保育士さんはどう対処しているのでしょうか。
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対処法:オンとオフをはっきり分けて、メリハリをつけましょう。定時までに終わらせられるよう集中して取り組むことを意識し、作業的にも気持ち的にも仕事を家庭に持ち込まないように気を付けるのです。もちろん一人の力では両立は難しいので、両親が近くにいる方は全力で頼ることも大事ですし、「ファミリーサポートセンター」という子どもを市民の方に預けることができるサービスを利用することもおすすめします。各自治体で子育て支援のために各種サービスを行っているので、気になる方は確認してみると良いですよ。
そして大事なのは、夫や子どもとしっかり話をして働くことを理解してもらうことです。どうしたって家のことを100%こなすことは無理ですから、事前にその点をきちんと説明し、家事などできることは協力してもらう体制にしておくとベストですね。
とにかく両方とも完璧にやろうとするとストレスがたまってしまうので、それぞれ小さな目標設定をして達成したら喜び、失敗してもあまり気にしない、という大らかな気持ちでいることが、両立を続ける秘訣です。
1-5.面接で前職の退職理由やブランクのついて聞かれた時の対応
いざ再就職をめざす上で、高いハードルとなるのが面接。 特に自分の意志で職場を離れたケースの人は、面接で過去について聞かれたときに上手く応えられるか不安な方が多いのではないでしょうか。もちろん正直に話して問題のない理由もあるかもしれませんが、ここではマイナスな理由で辞めた場合の面接対処法をご紹介します。
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対処法:基本的には事実を伝えて問題ありませんが、ネガティブな情報のみ伝えるのはNG。例えば人間関係が理由の場合は「前職の園長には大変お世話になりましたが、一番大事な部分の保育に対する考え方が一致しませんでした。話し合いを重ね努力しましたがすれ違いがやはり生じたため、退職する事になりました。」というように、どのような努力をしたのかを述べて前向きな言い方に変え、どのような理由であれ愚痴にならないようにしましょう。
2.保育士へ再就職するメリット
1章のような不安を乗り越え、実際に再就職に至った人が感じるメリットをみてみましょう。
保育園としても以下のような理由から即戦力として大変頼りになっています。
2-1.子育て経験が活かせる
まず、妊娠・出産を機に現場を離れた方なら、ブランクの期間に子育てを経験されていますね。
この経験は保育士として何よりも即戦力となります。
自分で学んだ保育内容と現在の保育園での保育内容との違いを不安に感じるのは自然なことですが、子どもへの関わり方の基本は常に同じです。
たとえば病児の扱いなど、子どものさまざまな面を見てきたママさん保育士の経験は、保育現場で必ず生きていきます。
2-2.コミュニケーション能力やマナーがある
保育の現場を離れ、異業種で働いた経験のある方ならば、社会人としてのコミュニケーション能力やマナーなどプロ意識が知らず知らずのうちに備わっています。保育士へ再就職すると、業務の効率化や保護者への対応などにおいて、幅広い視点から対応することが出来るのではないでしょうか。そのため、保育現場しか知らない人よりも力を発揮することが多いと、保育園からも高く評価されています。
保護者にとっても、社会経験の豊富な保育士の方が信頼を寄せやすいので、保育園、子ども、保護者の三者間の関係を良くする機能も発揮できます。
2-3.仕事に対する動機が明確なため長く働ける
子育てや別職種を経ていなくても、ブランクから復帰を目指す人には「保育士のころ感じていた生き甲斐をまた噛みしめたい」「やはり子供好きな私は保育を離れると寂しい!」など仕事に対する明確な動機があり、意欲も高く、雇用条件さえマッチすれば即戦力として雇用するメリットが大きいと判断されます。また「改めて働いてみると楽しい」と感じることや、ブランクがあってこそ味わうことのできる充実感ややりがいから、長く腰を据えて働く傾向にあります。これは保育士にとっても保育園にとっても嬉しいですよね。
3.再就職にあたっての職場の探し方
保育士に復職したい方のなかには、ブランクが長ければ長いほど求人への応募に二の足を踏んでいる方が多いようです。ここでは、再就職の人ならではの自分に合った職場探しをご紹介します。
再就職支援活動
いきなり応募しても採用してくれないのではないかという不安はつきものです。まずは、再就職支援プログラムや復職支援セミナーといったものに参加して現在の保育の状況を知るところから始めるとよいでしょう。最新の保育所保育指針の他、現役保育士のお話や園の見学、実習などを行なっているものもあります。
全国の自治体や福祉施設が各地で開催しており、ブランクありの人を対象とした求人を紹介してくれることもあるので、積極的に利用することをおすすめします。
保育士専門の転職エージェントを利用する
保育専門の求人サイトに登録するなどして、専門のカウンセラーからアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。その業界に精通した人から話を聞けるので、個人的な不安や悩みも解消できるかもしれません。またブランクがあることを踏まえて、スムーズに復職できるような求人を紹介してくれるので、十分に利用価値はあるでしょう。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。皆さんの持つブランクは決してマイナスなものではなく、再就職に際してプラスとなるものであることをお分かりいただけましたか。
いまは不安が大きいかもしれません。しかし、保育の現場から離れて経験したこと、そしてまた保育業界に戻ろうと決意されたその決断は、きっと皆さまにとって大きな力になることでしょう。
まずは一歩、踏み出してみてはいかがでしょうか。