保育の現場では必ずと言っていいほど見かける手作りおもちゃ。
子どもにとって、おもちゃは切っても切り離せないものです。
既製品のおもちゃも多く販売されていますが、やっぱり「手作り」のおもちゃは作った人のぬくもりが伝わりやすく、また身近な材料を使うので経済的にも負担がありません。
この記事では、保育士さんが実際に作って、発育に役立ち、また子どもたちからの評判も良かった手作りおもちゃをご紹介します。
ぜひ、実際に手作りおもちゃを作って、子どもたちとたくさん遊んでみてください。
目次
1 手作りおもちゃは子どもの発育に良い
そもそも、なぜ、子どもにとっておもちゃが必要なのでしょうか。
子どもはおもちゃを使って遊ぶことを通して様々なことを学び、社会性を育んでいきます。
最初はおもちゃを使って遊ぶことができなかった赤ちゃんが、保育士さんやお母さんがおもちゃで遊んでいるのを見て、次第に自分でもおもちゃを手にして遊ぶことができるようになると言います。
また、一人でおもちゃを使って遊んでいたのが、だんだん他のお友だちと一緒に遊べるようになっていきます。
このように、おもちゃは子どもの成長や発達に欠かせないアイテムなのです。
その中でも、手作りおもちゃというのは身近な素材で作るため、経済的な心配もありませんし、万が一壊れてしまってもまたすぐに作れるので安心です。
また、手作りのぬくもりが、ものに対する愛着を持ち情緒を育てる効果も期待されます。
2 手作りおもちゃ
実際に保育士さんが作ってみて、子どもの発達に役立ったおもちゃを紹介していきます。
ぜひ、みなさんも作ってみませんか?
それぞれの年齢に合わせたおもちゃを作って、子どもの成長を促していけるといいですね。
2-1.手作りマラカス
画像:http://common3.pref.akita.lg.jp/kosodate/community/blog/index.html?category_id=2&pageID=15
特に0歳の赤ちゃんは、音のなるおもちゃが大好きですよね。
ペットボトルやビーズなど身近なものを使って簡単に作れるおもちゃです。
- ■準備するもの
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- 空きペットボトルや、ソース入れなどのプラスチック容器
- ビーズや鈴
- ビニールテープ
- ■作り方
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- ビーズや鈴を容器の中に入れる。
- 入り口をしっかりビニールテープで固定する。
赤ちゃんの手が小さくてペットボトルだと持ちにくそう、という場合には、赤ちゃんの手にフィットするプラスチック容器を探して作ってみましょう。
容器の中にキラキラしたビーズを入れると見た目も楽しく、容器に顔などの絵を描くと可愛くなって子どもたちも喜びそうですね。
2-2.ペットボトルのふた落とし
画像:http://iuniun2.exblog.jp/17771820
空の容器に穴を開けて、ペットボトルのふたを落として遊ぶおもちゃです。
1歳ごろの赤ちゃんにおすすめです。
- ■準備するもの
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- 大きめのタッパー
- ペットボトルのふた
- シール
- ビニールテープ
- カッター
- ■作り方
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- タッパーのふたの部分に丸い穴をあける。
- ペットボトルのふたを2個か3個、ビニールテープでくっつける。
もし、口におもちゃを入れてしまうようでしたら、ペットボトルのふたを3つくっつけて大きくしておくと安心ですね。
容器の穴を、ふたよりも少し大きめにしたりぴったりしたサイズにしたりと、二つ三つ違う種類の穴で用意するのもおすすめです。
ペットボトルふたを容器に入れるだけの単純な作りのおもちゃですが、子どもは何度も飽きずに遊んでくれます。
2-3.ひっぱりチェーン
画像:http://www.happy-note.com/shine/198/post_11.html
飲み終えたミルクの空き缶を再利用できてとってもエコな手作りおもちゃです。
1歳頃の赤ちゃんにおすすめです。
- ■準備するもの
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- ミルクの空き缶
- チェーン
- カッター
- ■作り方
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- ミルクの缶に穴をあける。チェーンを通したときに少し引っかかるけれど、力を入れなくても引き出せるくらいの大きさの穴がちょうどいい。切り口はテープなどで保護する。
- 蓋の穴にチェーンを通して、チェーンが缶の中にずり落ちないよう、チェーンの先におもちゃをつける。
ミルクの缶にフェルトやテープ、シールを貼って可愛く装飾するのもいいですね。
チェーンを引っ張り出す動作や小さい穴にチェーンを入れていく動作が、赤ちゃんにとっては楽しく感じるようです。
また、ふたを太鼓みたいにたたくなど、いろいろな遊びもできます。
2-4.フェルトでボタン遊び
画像:https://nanapi.jp/53563
ボタンを外したり、つけたりの練習にもなる手作りおもちゃです。
フェルトで作っているのでぬくもりも感じられますね。
指先が上手に使えるようになる2歳半以降からの子どもにおすすめのおもちゃです。
- ■準備するもの
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- フェルト
- ボタン
- 糸
- 針
- ■作り方
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- 紙に長さ9cmほどの魚のかたちを描き、型紙をつくる。
- フェルトを魚のかたちに切る。
- しっぽの中央にボタンの幅と同じ長さの切り込みを入れる。フェルトの端ぎりぎりまで切ってしまうと、遊んでいるときにフェルトが切れてしまうため、端までの余白を取っておく。切った後にボタンが通るか実際に確かめておくとよい。
- 切り込みの端を補強し、避けるのを防ぐ。
- 目の部分にボタンを縫い付ける。
- ひれをつくってボンドで貼り付ける
子どもにとってボタンをつけたり外したりする練習にもなり、遊びながら成長もできる、まさに一石二鳥のおもちゃですね。
2-5.段ボールパズル
画像:http://toy7.net/danbo-ru/puzzle.html
その名の通り、段ボールで作ったジグソーパズルです。
年齢に合わせてピースの数を少なくしたり増やしたりできるのもポイントですね。
指先が器用に使えるようになってくる2歳以降の子どもにおすすめのおもちゃです。
- ■準備するもの
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- 段ボール
- 好きなイラスト、自分で描いた絵など(1枚)
- ハサミ
- カッター
- のり
- 木工用ボンド(あれば)
- ■作り方
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- 段ボールを同じ大きさになるよう、2枚切り取る。
- イラストや自分で描いた絵を用意する。(目安としてB5サイズ)
- 片方の段ボールにイラストを貼り付ける。あとでピースに分けて切るので、接着面はまんべんなくのり付けすること。乾いたら、外枠をカッターで切り取る。幅は目安として1.54センチくらい。
- 切り取った外枠をもう1枚の段ボールに貼り付ける。のりでも貼り付けることはできるが、頑丈にしたい場合は木工用ボンドを使うと良い。
- イラストを自由にピース分けする。カッターを使うので、手を切らないよう注意すること。
子どもたちに渡す前に一度、試しにパズルをしてみるのがおすすめです。
少し入れにくいところが見つかれば、ハサミなどで端を少し丸く切ったり、ピースをもう少し小さく切ると使いやすくなります。
年齢によっては、同じ下絵を2枚準備しておき、土台に貼っておくと、同じところにピースを置く練習にもなりますね。
3 おもちゃを作る際の注意点
ペットボトルやミルクの空き缶、段ボールなど身近な材料を使って作れるおもちゃをご紹介してきました。
簡単に作れるものではありますが、手作りということで切ったり貼ったりする作業が出てきますね。
おもちゃを作る際の注意点についてもご紹介します。
3-1.素材選びに気をつける
特に0歳頃の赤ちゃんはどんなものでも口に入れてしまいます。
万が一なめたり口に入れてしまっても大丈夫なよう、安全な素材を使いましょう。
また、洗っても大丈夫な素材を使うと衛生的でもありますね。
簡単にちぎれたり破れたりしない素材を使うことも重要なポイントです。
3-2. 小さすぎるおもちゃは避ける
子どもがおもちゃを口に入れてのどに詰まらせる可能性も十分考えられます。
誤ってのどに詰まらせて窒息しないよう、子どもの口よりも大きなサイズでおもちゃを作ってあげましょう。
3-3.パーツは頑丈に固定する
手作りおもちゃの醍醐味は好きなようにパーツや飾りを取り付けられることですが、取れやすい状態にしてしまうと思わぬ事故にもつながりかねません。
パーツや飾りを取り付ける際には、テープや接着剤でしっかりと固定し、外れないか、壊れないかを確かめましょう。
3-4.切り口や角、ささくれに注意する
赤ちゃんの肌は特に敏感で、大人には何ともない角やささくれであっても、赤ちゃんには刺激が強く、肌を傷つけてしまう危険性があります。
ペットボトルや空き缶の切り口で手を切らないよう、テープで補強したり、段ボールなどで作ったおもちゃは角の部分を丸くカーブさせたりテープで補強すると良いです。
4 まとめ
保育士さんが実際に作ってみて、子どもにも反応が良かったおもちゃをご紹介してきました。
子どもにとっておもちゃは社会性を身につけ成長を促してくれる大事な遊び道具です。
特に手作りおもちゃはぬくもりを感じられ、ものに対する愛着を育てる効果もあります。
ぜひ、子どもたちと一緒に手作りおもちゃで遊んで、成長していく姿を近くで見守っていきませんか?