食育と聞くと何だか難しそうに聞こえますが、私たちが普段何気なく気を付けている食事のマナーだって、立派な食育なんです。
ただ行儀よくマナーを守って食べても、食事の時間が嫌いになってしまっては意味がありません。
子どもたちに食事の時間を楽しくみんなで美味しくごはんが食べられるためのマナーを伝えましょう!
マナーを身につける目安
食事のマナーを身につける目安を3~4歳、4~5歳に分けて見ていきます。
まずは、食事の時間を”楽しい”と思える感覚が大切です。
〈3〜4歳までの目安〉
・みんながそろってから食べる
・「いただきます・ごちそうさま」のあいさつ
・食具を正しく扱える(スプーンからはしへ)
・隣の人のお皿に手を出さない
〈5〜6歳までの目安〉
・食事中、席を立たない
・口に物を入れたまま話をしない
・音をたてて食べない
・左手で食器を持ち、右手ではしを使える
おいしく食べるマナー
食事のマナーには食具の扱いかた、食べ方、食事のあいさつなどがあげられます。
食事のマナーは、相手とコミュニケーションをとるためにも、おいしくごはんを食べるためにも大切なことです。
マナーというのは、どこで教わったか覚えていないけれど自然と身についている、そんんなもののように思います。
子どもたちは、周りの大人のことをよーく見て真似ているんです。
ですから、保育者も子どもたちといっしょに食事をしながら、大切なマナーを伝えていきましょう。
保育者も子どもの前では見られていることを意識して食事をしましょう。
マナーはひとりでは学べません。
集団生活の中でお互いを見てマナーが身についていきます。
子どもはおなかがすけば手が出てしまいます。
保育園でみんな揃ってからごはんを食べる習慣が身につけば、食事はお友達といっしょに食べたほうがおいしいということを体感できます。
そうなれば、みんなが揃うまで席で待つことが出来るようになるのです。
幼児によく見られる食事のマナー違反
例1 食事中ふらふらと席を立つ
〈考えられる理由〉
・テーブルといすの間が開きすぎていて、席を立ちやすくなっている
・座りごごちが悪い
・周りに気が散るものが多い、または保育者や周りの人の気を引きたい
・おなかがすいていない
〈改善策〉
・座る配置を整える
・保育者が隣に座り、移動できないようにガードする
・声がけ「〇〇(食べ物の名前)が食べてって言ってるよ」
「お友達もみんなちゃんと座って食べてるよ」
例2 ぼたぼたとよくこぼす
〈考えられる理由〉
・テーブルといすの間が開きすぎて食べにくい
・食具が上手に扱えない
・器を持ち上げていない
・一口が大きすぎる
・口に入れたまま話している
・食べることに集中していない
〈改善策〉
・声がけ「お口に入ってるのがなくなったら、聞かせてね」
「おへそがテーブルについているかな?」
他にも、ひじをつく、お皿をなめる、汁ものの音をたてて飲む、はしで食器を寄せるなどのような行動もありますね。
注意するときには、せっかくの楽しい食事の時間が嫌なものにならないよう、ゆとりをもって繰り返し伝えてみましょう。
すぐにできたかどうかという結果だけでなく、少しの変化があればその経過に意味があります。
食事のあいさつ
「いただきます」とは、神へのお供えもののお下がりを「いただきます」ということから始まったそうです。
また、動物、植物、命あるものをいただくという、感謝の気持ちを込めて「いただきます」とも言いますね。
「ごちそうさま」は食事の準備をしてくれた方、おもてなしのごちそうになったことへの感謝の言葉だそうです。
食事のあいさつには、食に対する感謝の心を育むという、大切な意味があります。
また、あそびの場面と食事の場面を切り替えるきっかけとしても、食事のあいさつは大切な役割を果たしてくれますよ。
食事への感謝の気持ちを言葉にする、これも日本の素敵な習慣のひとつと言えそうです。