つい、ダメ!と言ってしまうことがあると思いますが、違う言い方をしたほうが、子どもたちの気持ちにスッと言葉がはいることが多いと実感することはありませんか?
否定語を使わないことで園全体の雰囲気が良くなりますし、保育士自身が温かい気持ちで保育が出来るはずです。
是非毎日心がけながら保育をしてみましょう。
1.否定語を使わない大切さ
「ダメ」という言葉を使わないこと、それは勿論大切ですが、「ダメ」の代わりになる言葉を探すことが難しいですよね。
「〇〇しちゃダメ」と、言わず「〇〇していいんだっけ?」と諭す心の余裕が必要になります。
否定をしない、その心がなによりも大切なのです。
何よりも、そうすることで子どもたちが前向きな気持ちになって自分に自信を持てるようになります。
子どもの気持ちを受け入れながら自身を促していく良さ、いけないことを否定せずに子どもに伝えていくのかという難しさ、そのことを考えることが保育士にとっても大切なことなのです。
実践するとびっくりするくらいすぐに環境は良くなります。
子どもたちも先生たちも前向きな言葉をかけることで、やる気になり、聞いている周りの人たちも、それを真似をしたり、相乗効果が期待できます。
難しさは、「ダメ」「いけない」という言葉が、咄嗟のときには出てしまうことです。
しかし、それを言い換えて子どもたちに伝えるにはどうしたらいいかを思慮してください。
また、子どもたちが、家庭で「ダメ」「いけない」と言われ慣れている場合もあるので、子どもから、「ダメだよね」と言われたりすると、園だけでの対応では難しいと感じることもあるでしょう。
それでも、まずは園で率先して否定語を使わない、それから家庭でも実践してみて欲しいことを保護者に伝えてみましょう。
否定語を使わなければ、子どもたちの気持ちや行動を制御せず、のびのび生活ができると思います。
2.否定語を使わない難しさ
本当に危険な場合には、否定語を使い、子どもとしっかり向き合って話さなければいけないときもあります。
そのような際、圧力で強いることはなく、物事の良し悪しを伝える必要があります。
否定語を使わないことで自己肯定心が育つことに繋がりますが、 子どもの性格を見極めて使うことが難しいのです。
言われた子どもが悲しい気持ちにならないように、かつとっさの判断でつい禁止言葉を使ってしまいそうになったとき、保育士が余裕を持てるか・・
また、子どもは、大人をよく見ているので自分自身の言動に気をつける必要があります。
否定語は私たち大人も聞くのが嫌です。
子どもが聞いていないと思い、先生同士で使っていると、子どもにいくら否定語を使わない環境を作っていても無駄になります。
使わないことで穏やかな気持ちで仕事ができますので、子どもに対してだけでなく、職場の先生に対しても実践するようにしましょう。
ポイントは、否定語をいかに使わず他の言葉に変えられるか、言葉の引き出しを増やすことです。
「走ったらダメ」ではなく「歩こうね」など、忙しい時やとっさの時には否定語を使いがちですが、ひと呼吸する癖をつけるようにしてください。
3.否定語を使ってしまった場合は
とっさに「ダメ!」と言ってしまった時には、何でなのか、どうしてなのか理由を伝えるようにしてください。
0歳児から伝えていくことで、否定語を言われた意味・意義を理解できるようになります。
危ないと思った時や人に痛い思いをさせてしまった時に「ダメ!」「いけない!」と反射的に言ってしまうことを理解できるようになります。
勿論、可能な限り使わない方がいいのですが、出てしまうこともあるので、日々保育の中で、フォローすることを心がけてください。
意味を理解した子どもからは、先生が否定語を使った場合、逆にそのような言葉は使わない方がいいと諭されることもあるでしょう。
4.保育現場では
実際の保育現場では、否定語を全く使わないことは難しいです。
保育士が見ることのできる子どもの人数には限界がありますし、集団生活の中で、とっさの判断をしなければいけない時が多々あります。
危険を目の前に、否定語を使わないことは不可能です。
しかし、通常の保育の中で、否定語を使わないことを心がけることを実践してみてください。
そのような保育を実践して成果を出している保育園の一つとして、ピノキオ幼児舎があります。
保育理念である「ひとりひとりに、のびやか保育。」へ繋がるよう、否定語を使わない努力を一人ひとりの先生が意識しています。
そのためか、現場では、職場の先生が新人の保育士に対して丁寧に指導する環境があり、だからこそ、子どものことをよく考える環境にもつながっているようです。
また、その雰囲気は保護者にも伝わっており、園全体として好循環に繋がっています。
*ピノキオ幼児舎では理念に共感してくれる保育士さんを募集中です。
詳しくは、ピノキオ幼児舎の求人情報をご覧ください。
5.まとめ
否定語を使わないことで、子どもたちだけでなく、先生同士、保護者にも良い影響を与えることができます。
一方で、何がよい事なのか、何が悪い事なのかを伝える難しさ、とっさの時に使ってしまうことがある事実があります。
その際はフォローが大切で、決して子どもに対して圧力をかけないことが肝要です。
言葉を選ぶことにより、同じ意味でも肯定的に伝えることを意識することで、周りの環境が良くなることの素晴らしさを実感してみていください。
子どもは素直です、素直に言葉を受け取る能力があります。
今から、否定語を使わない環境を実践してみましょう!