保育士資格を取得するために必要な条件の1つが、保育士試験の合格です。
資格試験というと、ウッと気が重くなってしまう方が多いのではないでしょうか。
しかし、保育士試験の合格は保育士になるという夢を叶えるためには必要なステップの1つです。
どうせ試験勉強をするのであれば、辛い試験が一度で終わる様に、保育士試験のことをよく理解し、最短で合格出来る方法を一緒に学んでいきませんか?
この記事では保育士試験の内容と、その中でも試験勉強の方法が分かりにくい実技試験についての対策をご紹介していきます。
ご紹介する内容をしっかりと頭に入れて頂くことで、合格のためにはどの様な準備が必要かを理解して頂けるはずです。
それでは保育士試験合格を目指し、保育士試験の内容・実技試験対策を一緒に勉強していきましょう。
目次
1.保育士試験の特徴と合格基準
1-1.保育士試験の4つの特徴
ここでは、4つの特徴をご紹介させて頂きます。
①試験内容は筆記・実技の2種類
保育士試験の内容は、筆記・実技の2種類があります。
まず筆記試験を受け、合格した場合のみに次のステップとなる実技試験を受験することが出来ます。
②試験は年に2回
以前は年に1回のみでしたが、保育士試験は平成28年から年に2回実施される様になりました。
平成28年分の実施日は下記の通りです。
■1回目
申請期間:平成28年2月3日(水)消印をもって既に終了。
筆記試験:平成28年4月23日(土)、4月24日(日)
実技試験:平成28年7月3日(日)
※自然災害等により、試験が延期となる可能性あり
■2回目
申請期間:平成28年7月1日(金)~7月27日(水)消印分まで
筆記試験:平成28年10月22日(土)、10月23日(日)
実技試験:平成28年12月11日(日)
※自然災害等により試験が中止となった場合、再試験は行われない
③3年以内に筆記試験の全科目と実技試験に合格すれば良い
保育士試験の筆記試験には全8科目ありますが、合格した科目は3年間持ち越すことができます。
3年以内に筆記試験の全科目と実技試験に合格すれば保育士資格が取得出来ますので、自分のペースに合わせて勉強の計画を立てることが出来ますね。
④通常試験の他に「地域限定保育士試験」がある
■地域限定保育士とは
地域限定保育士試験に合格し「地域限定保育士」として登録後、3年間は受験した自治体(特区区域内)のみで保育士として働くことが出来る保育士のことです。
地域限定保育士の登録を行ってから3年を経過すれば、全国で「保育士」として働くことが出来ます。
■地域限定保育士の試験地域は2か所
平成28年の地域限定保育士の試験は、②でご紹介した「2回目」の日程で、仙台市・大阪府で実施されます。
■筆記試験で免除される科目について
通常の保育士試験で合格した科目については、地域限定保育士試験においても免除されます。
また、地域限定保育士試験で合格した科目も、次回以降の保育士試験において免除出来ます。
■地域限定保育士の筆記試験合格後の選択肢
地域限定保育士試験の筆記試験に合格後、
・地域限定保育士試験の実技試験を受け合格した場合→「地域限定保育士」の資格が得られます。
・通常の全国試験の実技試験を受け合格した場合→地域限定なしの全国で働ける「保育士」の資格が得られます。
保育士試験については、下記の記事の2章で詳しくご紹介しておりますのでご参照ください。<「保育士資格を取得するための3つの道」にリンク>
1-2.筆記試験は合格ラインを把握することがポイント
筆記試験には8科目が用意されており、各科目につき6割以上正答していればその科目は合格となります。
つまり、全科目9割以上といった正答率を目指さなくとも、各科目6割以上をとれていれば筆記試験に合格することが出来るのです。
1-3.実技試験は求められているレベルを把握することがポイント
実技試験の狙いは、ずばり「子ども達を楽しませられるお歌・お絵かき・お話が出来るかどうか」という点を見ることです。
つまり歌手・画家・俳優の様なプロの技術は求められていないという所がポイントです。
もちろん、子ども達を楽しませる為にはスムーズに歌ったり、絵を描いたり、お話をする必要がありますから、実技試験の為の練習は必要です。
ハイレベルな技術を求められている訳ではないということを頭に置いて、対策をしていきましょう。
2.保育士試験の合否を握る「実技試験」について理解する
2-1.実技試験の4つのポイント
①科目は選択制
実技試験は『音楽表現に関する技術』、『造形表現に関する技術』、『言語表現に関する技術』の3科目から構成されますが、その中から2科目を選択して受験をします。
②合格ライン
満点は各科目50点、合格ラインは筆記試験と同じく6割が基準となっています。
筆記試験とは違い、合格した科目を次回に持ち越すことが出来ないため、2科目とも6割以上の得点を取らなければ合格とはなりません。
③課題が事前に決まっている
実技試験の課題は、毎年4月頃から全国保育士養成協会から出される『保育士試験受験の手引き』に掲載されます。
そのため、筆記試験終了後から実技試験当日までは実技試験への対策期間に充てることが可能です。
※平成28年 保育士試験受験の手引き(前期申請用) <http://www.hoyokyo.or.jp/files/h28_guidance.pdf>
④求められているレベルを把握することが重要
1-3でもご紹介した通り、実技試験ではプロの様な技術は求められていません。
子ども達を楽しませられるお歌・お絵かき・お話が出来るかどうかが求められますのでそのことを念頭に置いて実技試験対策を行いましょう。
2-2.概要
保育士試験の概要についてご紹介致します。
日程については、平成28年度1回目の試験の申請は終了しておりますので、2回目試験の日程についてご紹介させて頂いております。
日程 | ※平成28年度 1回目試験の申請は終了。
※平成28年度 2回目試験 ※平成28年度1回目の試験で実技試験が不合格だった場合 |
受験手数料 | [手数料]12,950円 (内訳:受験手数料12,700円+受験の手引き郵送料250円) |
合格率 | 89%(2014年度 厚労省発表) |
2-3.試験内容とポイント
実技試験には3科目が用意されています。
ここでは、3科目それぞれの内容とポイントを順番にご紹介していきます。
①音楽表現に関する技術を問う試験
【内容】
■幼児に歌って聴かせることを想定して、課題曲2曲の両方を弾き歌いする。
■ピアノ、ギター、アコーディオンのいずれかで演奏をする。
■楽譜の持ち込みは可能。
■ピアノの伴奏には市販の楽譜を用いるか、添付楽譜のコードネームを参照して編曲したものを用いる。
■ギター、アコーディオンで伴奏する場合には、添付楽譜のコードネームを尊重して演奏する。
■いずれの楽器とも、前奏・後奏を付けてもよい。歌詞は1番のみとする。移調してもよい。
※注意1 : ピアノ以外の楽器は持参すること。
※注意2 : ギターはアンプの使用を認めないのでアコースティックギターを用いること。カポタストの使用は可。
※注意3 : アコーディオンは独奏用を用いること。
【ポイント】
■求められるのは、保育士として必要な歌、伴奏の技術、リズムなど、総合的に豊かな表現が出来ること。
■大事なことは子ども達が喜んでくれる演奏・歌が出来るかどうか。
歌詞・音程・リズムが正確なことはもちろん、「表現力」が最も重要。
笑顔で朗らかに演奏することが大切。
②造形表現に関する技術を問う試験
【内容】
■保育の一場面を絵画で表現する。
■表現に関する問題文と条件は、試験の当日に提示される。
※注意1 : 当日の持ち物(試験中机上に置けるもの)
・鉛筆またはシャープペンシル(HB~2B)
・色鉛筆(12~24色程度)
・消しゴム
・腕時計(アラーム等の音が鳴らないもの。計算機、電話等の機能のついていないもの。置時計不可)
・水溶性色鉛筆の使用可だが、水分を塗布することは禁止。クレヨン・クレパス・マーカーペン等の使用は不可。
・携帯用鉛筆削りは会場内に持ち込むことは可だが、試験時間中に使用する場合は、試験監督員の了解を得てから使用する。(受験者の間での用具の貸し借りは不可)
※注意2 : 試験時間
試験時間は45分。
※注意3 :解答用紙
解答用紙の大きさはA4判。絵を描く欄の大きさは縦横19cmで、紙の種類は試験の当日に提示される。
【ポイント】
■求められるのは、保育士として必要な造形表現(情景及び人物等を豊かにイメージした描写や色使いなど)が出来ること。
■子どもが見て楽しんでくれる様な、いきいきとした明るく楽しい雰囲気の絵にすることが重要。
■テーマを分かりやすく表現すること。
■保育士○名・子ども○名を絵に取り入れる、といった条件は確実にクリアする。
③言語表現に関する技術を問う試験
【内容】
■20人程度のクラスの子どもが自分の前にいることを想定し、下記の1~4のお話のうち一つを選択し、子どもが集中して聴けるような「3分間のお話」をする。
お話の編集、展開に関して特にきまりは無いが3分になるようにまとめること。
■課題
1.「うさぎとかめ」
2.「おむすびころりん」
3.「3びきのこぶた」
4.「にんじん、ごぼう、だいこん」
※注意1 : 題名は開始合図のあと、一番最初に子どもに向けて言う。
※注意2 : 絵本・道具(台本・人形)等の一切の使用は禁止。絵本を読んだり、道具を使ったりした場合は、不正行為になる。
不正行為とみなされた場合、実技試験は無効となるほか、当該年試験から3年以内の期間で受験ができなくなる場合がある。(児童福祉法施行規則第6条の14第2項)
※注意3 : 3分間は退出不可。時間は係員が計る。
※注意4 : 子どもに見立てた椅子が前方に用意される。
【ポイント】
■保育士として必要な基本的な声の出し方、表現上の技術、幼児に対する話し方が出来ることが求められる。
■ここでも重要なのは、お話を聞いて子どもが楽しんでくれること。童話が暗唱出来るかどうかを問われているのではない点に注意する。
■絵本を使って話すことが出来ないので、よく絵本を読み込んで、頭に情景を浮かべながら表現力豊かにお話をすることが重要。
2-4.過去の保育士試験実技概要(平成23年~平成27年分)
資格試験の対策をするにあたり、過去問に目を通すことは非常に重要です。
ここでは、平成23年~平成27年に実際に出題された実技試験の概要をご紹介します。
音楽表現に関する技術を問う試験 | 造形表現に関する技術を問う試験 ※課題テーマは試験当日に発表されたもの |
言語表現に関する技術を問う試験 | |
平成27年 | 課題曲 1. 『海』 (作詞 林 柳波 ・ 作曲 井上 武士) 2. 『ちびっか・ぶーん』 (作詞 井出 隆夫 ・作曲 福田 和禾子) |
保育所の4歳児クラスに地域の老人ホームのお年寄りが昔遊びを教えに来てくれた時の様子。お手玉やあやとりを教わりながら、楽しく遊んだ情景を表現する。 | 3 歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定し、下記の1~4のお話のうち一つを選択し、子どもが集中して聴けるようなお話を行う。 課題 1.「うさぎとかめ」 2.「おむすびころりん」 3.「3びきのこぶた」 4.「にんじん、ごぼう、だいこん」 子どもは20人程度が自分の前にいることを想定する。お話の編集、展開に関して特にきまりはないが、3分になるようにまとめる。 |
平成26年 | 課題曲 1. 『おつかいありさん』 (作詞 関根 栄一 ・ 作曲 團 伊玖磨) 2. 『おへそ』 (作詞 ・作曲 佐々木 美子) |
保育所の4歳児が保育士と公園へお散歩に行く途中の歩いている様子。「手をつないで」「うれしそうに」「どこを歩いているのかわかるように背景を表現する」 | |
平成25年 | 課題曲 1. 『めだかの学校』 (作詞 茶木 滋 ・ 作曲 中田 喜直) 2. 『そうだったら いいのにな』 (作詞 井出 隆夫 ・ 作曲 福田 和禾子) |
A君とBちゃんがおもちゃの取り合いになり、保育士が来て2人の話を聴き、このあと2人が仲直りする場面 | 各自3歳児に適した童話等を3分以内にまとめて話す。
自分の前にいる20人程度の3歳児クラスの幼児に集中して話を聞かせる時間という想定のもとに話す。話は、童話・昔話等自由とする。 |
平成24年 | 課題曲 1. 『大きなたいこ』 (作詞 小林 純一 ・ 作曲 中田 喜直) 2. 『おんまはみんな』 (作詞 中山 知子 ・ アメリカ民謡) |
「お昼寝」の準備をしている一場面 | 各自3歳児に適した童話等を3分以内にまとめて話す。
自分の前にいる20人程度の3歳児クラスの幼児に集中して話を聞かせる時間という想定のもとに話す。話は、童話・昔話等自由とする。 |
平成23年 | 課題曲 1.『思い出のアルバム』 (作詞 増子とし・作曲 本多鉄麿) 2.『あめふりくまのこ』 (作詞 鶴見正夫・作曲 湯山昭) |
「劇発表」の準備や練習でのやりとりの一場面 | 各自あらかじめ用意した童話等を3分以内にまとめて話す。
自分の前にいる20人程度の3歳児クラスの幼児に集中して話を聞かせる時間という想定のもとに話す。話は、童話・昔話等自由とする。 |
3.各試験科目の対策
実技試験の内容について理解した後は、いよいよ実技試験への対策についてご紹介していきます。
事前に課題が発表されている試験ですので、万全な準備をすることが試験合格への近道といえるでしょう。
それでは、順番にご紹介していきます。
3-1.音楽表現に関する技術を問う試験
音楽の科目ではピアノ・ギター・アコーディオンの中から楽器を選択することが出来ます。
それぞれの対策を順番にご紹介していきましょう。
①ピアノで受験する場合
■楽器の準備
家にピアノが無くても大丈夫?と心配な方もいらっしゃるかもしれませんが、家での練習はキーボードなどピアノの代わりとなる楽器があれば十分です。
但し、試験当日に使用するのは全国どこの会場でも本物のピアノです。
鍵盤の重さ・感触などはキーボードとは全く違いますので、事前に本物のピアノでの練習を必ず行いましょう。
楽器店や音楽スタジオでは有料で使用可能な所もありますし、近所のコミュニティセンターなど公共施設の音楽室を使用させてもらうといった手段もあります。
本物のピアノに触れることの出来る場所が近所にないか、確認をしましょう。
■試験対策
音楽科目の対策を考えた時、どうしてもピアノにばかり考えが行きがちですが、試験では「弾き歌い」をしなければいけないということが重要なポイントです。
ピアノを弾きながら歌うということは、ピアノの経験が少しある方でも難しいですからピアノの練習だけでなく弾き歌いに重点を置いて練習をしていきましょう。
但し、何度もお伝えしている様に、プロの技術を求められる訳ではありません。
子ども達がお歌の時間を楽しめる様なピアノが求められていることを意識し、ピアノ伴奏・歌の練習をしましょう。
それでは、試験対策をご紹介していきます。
1)CD・動画を用いて独学で進める
課題曲は事前に発表されていますので、ピアノがある程度出来る方でしたら、CDやインターネットの動画を参考に練習を進めていきましょう。
その時のポイントは下記の通りです。
・どの曲でも1番、2番、3番など全てを合わせて1つの曲となります。
試験で必要なのは1番のみの演奏ですが、1番だけを知っている状態と、1曲通して弾ける状態とでは、1番のみを弾いた時の表現力が変わってきますので、課題曲は1曲通して弾ける様になるとベストです。
余裕があれば是非1曲通して弾ける様にしておきましょう。
・コードチェンジが頻繁にある曲は、難しい伴奏をするよりもシンプルな伴奏でスムーズな演奏が出来た方が高評価を得ることが出来ます。
初心者向けの楽譜が出ている場合もありますので、ご自身がスムーズに演奏出来るレベルの楽譜を探しましょう。
2)ピアノ教室・弾き語り教室に通う
ピアノに触れたこともない、という方も中にはいらっしゃると思います。
その様な場合はインターネットの動画を見て練習、ということもなかなか難しいでしょうから、プロの先生に教えて頂くことが一番の近道です。
「保育士試験コース」を設けている教室もありますから、近所に教室が無いか探してみましょう。
但し、試験対策として重要なことは「弾き歌い」が出来ることですので、ピアノばかり上手くなっても意味がありません。
その意図を先生に理解して頂くためにも、保育士試験の受験の手引きを持参し、実際の出題文を見て頂く様にしましょう。
3)通信講座を利用する
保育士試験対策の通信講座を利用することも有効な手段です。
テキスト・DVDで勉強するだけでなく、質問サポートや添削指導がついた講座もありますから、ご自身のレベルに合わせて検討してみてはいかがでしょうか。
②ギターで受験する場合
■試験対策
1)CD・動画を用いて独学で進める
ピアノの場合と同様、課題曲は事前に発表されていますので、CDやインターネットの動画を参考に練習を進めていきましょう。
その時のポイントもやはりピアノの時と同様で、課題曲は1番だけでなく1曲通して弾ける様にしておくとベストです。
2)ギター教室に通う
ギター演奏にあまり自信が無い方は、教室に通って先生に教えて頂く方法が良いでしょう。
この時もピアノの時と同様、保育試験対策で教室に通う主旨を先生にきちんとお伝えしましょう。
■受験時の注意点
・受験会場に準備されているのはピアノのみです。
ギターで受験する場合はギターを持参しなければいけないという点にご注意下さい。
・ギター演奏をする際は、どうしても脚を開いて弾くことになります。
受験の際はそのことを考慮し、パンツスーツなどで行く様にしましょう。
③アコーディオンで受験する場合
■試験対策と注意点
ある程度アコーディオンの経験がある場合は、ピアノ・ギターと同様にCDやインターネットの動画を参考に練習を進め、経験があまり無い方はアコーディオン教室に通うのが良いでしょう。
但し、もともとアコーディオン用の楽譜があまり市販に出回っていないため、課題曲がマイナーなものの場合は楽譜が手に入らない可能性があります。
アコーディオンの演奏に自信があり、アレンジも自分で可能という方以外は、他の楽器での受験を検討した方が良いかもしれません。
④受験する楽器の選び方
ピアノ・ギター・アコーディオンそれぞれの対策をご紹介しましたが、結局どれで受験するのが一番良いのでしょうか。
次に挙げる点を基準に、ご自身に合う楽器を選択してみて下さい。
■受験者が多く、保育園での実用性の高いピアノを選ぶ
保育士=ピアノのイメージがある方は多いと思います。
実際に受験者の中にはピアノを選択するケースが多く、保育園で使うのもピアノという場合が多い様です。
そうすると、保育士試験対策をする際の手段も選択肢が多く、楽譜・教室・通信講座・インターネットに出回っている動画はピアノ用のものが圧倒的に多いです。
ピアノ演奏がよほど嫌でない限りは、ピアノで受験することをおすすめします。
■演奏に一番自信がある楽器を選ぶ
選択する楽器で点数がつけられる訳ではありません。
50点満点のうち6割以上を取れば合格となりますので、3つのうち演奏(弾き歌い)に自信がある楽器があればそれを選択する様にしましょう。
■楽譜の多いピアノ・ギターを選ぶ
音源を聞いただけですぐ演奏が出来る、という方は少ないと思います。
多くの場合は楽譜が無ければ練習は難しいと思いますので、楽譜が多く出回っているピアノ・ギターを選ぶと良いでしょう。
⑤参考:合格者の声
実技はほんとギリギリでした。音楽31言語35。 ピアノ歴が長く、伴奏も簡単すぎると弾けないとあえて難しいのを選択。これが後々マイナス要因に。当日、かなり緊張してしまって、二曲の♭と#をなんと逆に。弾きながらもちろん気がついていましたが、ピアノも歌も弾き続けました。歌も声が震えてしまいましたが、あえてピアノをカバーしようと大きな声を出しました。おじぎして部屋を出る時。試験管のかたが「可哀想に」という表情でしたので、完全にだめだと思っていました。 弾き直すより引き続ける。あと伴奏より声を響かせて。伴奏は緊張することを考慮して簡単なものに。これが感じたことでした。 |
3-2.造形表現に関する技術を問う試験
①試験対策
■過去問を一通りやってみる
絵を描く表現力を磨くには、色々な場面をたくさん描いてみることが一番です。
まずは過去に出たテーマを一通り描いてみましょう。
本番と同様に、試験時間は45分で、色鉛筆・鉛筆・シャーペンを使いましょう。
また、インターネットで検索すると過去の受験者の方が描いた作品を見ることが出来ます。
他の方がどの様に表現しているかを参考にするためにもぜひ検索をしてみて下さい。
下記の絵は、平成23年の課題である、『「劇発表」の準備や練習でのやりとりの一場面』というテーマで受験者の方が実際に描いた作品を再現したものです。
※参考:http://allabout.co.jp/gm/gc/425858/
■保育園の日常について理解しておく
造形科目では「保育の一場面を表現する」ことが課題となりますから、1年を通して保育園で行われる行事・1日の中で行われるお遊戯や自由遊びについて理解しておく必要があります。
実習などを思い返し、保育園で行われることについて自分でテーマを考えて絵を描いてみるということも良い練習になりますね。
■人物の服装・髪形、室内・屋外の背景はパターンを持っておく
課題は試験当日に発表されますが、課題の中に保育士・子どもという登場人物が出てくることは絶対といえるでしょう。
そのため、あらかじめ保育士や子どもの服装・髪型や色合いをどうするかであったり教室や園庭などの背景はこの様に描く、ということをあらかじめ決めておくとかなりの時間短縮に繋がります。
ぜひ練習をしてみて下さい。
■時間配分を考えながら練習をする
実際の試験時間は45分間です。
45分間をどの様に使うか、練習の段階から考えておくと当日もスムーズに進められるでしょう。
例として下記の様に大まかな配分を考えてみます。
1、5分~10分以内: 構図を決め設計図を描く
2、10分以内 : 人物の下絵を描く
3、5分~10分以内: 人物の色塗り
4、5分~10分以内: 背景を描く
5、5分以内 : 床や壁、地面等の色塗り
6、5分以内 : 仕上げの色塗り(影や重ね塗り)
人物は得意だけど背景は苦手といった得手不得手があると思いますから、ご自身に合った時間配分を考え、練習段階から意識しましょう。
②参考:合格者の声
言語36点・造形44点で合格しました。 絵心がまったく無く、小学生の低学年レベルの絵しか描けなかったので、1ヶ月で果たして合格レベルの絵が描けるのかと不安だらけでした。毎日2枚描くことを心がけました。仕事が休みの時は6枚描いたこともあります。その甲斐あってか、段々と上手に描くことが出来るようになりました。試験当日「にらめっこ」のお題を見て直ぐに構図も浮かび、下書き色塗りと順調に進みましたが、途中で手の震えが出てきました。それだけ緊張感半端ないです。最後の10分前に完成しましたが、余裕が出来たので、子どもと先生の服装に柄を入れて、色も濃く塗っていきました。見た目とても明るい印象の絵になったのが高得点に繋がったのかと思います。 |
3-3.言語表現に関する技術を問う試験
①試験対策
■物語を暗唱出来る状態にしておく
試験当日は絵本の持ち込みは出来ませんが、事前に発表されている4つの課題のうち1つ選択をすれば良い訳ですから、選択したお話は暗唱出来るまで何度も読み込み、音読をしましょう。
子供を楽しませるお話をするためには、テンポをゆっくりはきはきと、といったポイントがありますが、それは物語をスムーズに暗唱出来てからのお話です。まずはスラスラ話せる様になるまで練習をしましょう。
■ポイントを押さえながら何度も練習する
暗唱が出来る様になったら、今度はポイントを押さえながら練習をしましょう。
以下を参考にして練習を繰り返して下さい。
・3分間を時計で計りながら練習する
・ゆっくりとしたテンポで話す
・20人の子ども全員に聞こえる声量で話す
・ジェスチャーは変に大げさにせず、自然な範囲で
・当日は子どもに見立てた椅子が用意されるので、子ども達を見渡す様に話す
■実際に人の前で話してみる
自分がどの様に話しているかというのは、一人で練習していても分かりにくいものです。
ご家族やご友人に協力してもらい、実際に話をして感想を聞いてみましょう。
自分ではゆっくり話していたつもりが、実際にはかなりテンポが速くなっていた、といった気付きが得られるはずです。
もし誰かに聞いてもらうのが難しい場合は、自分が話している姿を録画してみるのも良いでしょう。
自分では気づかない手癖が出てしまっているといった発見があるかもしれません。
②参考:合格者の声
言語36点で合格しました。 「おむすびころりん」で、少しアレンジしてみました。 毎日寝る前にぬいぐるみを子どもに見立てて練習しました。鏡をみたり動画を撮ったりすることをしなかったので、ちゃんと自分の顔を見て練習した方が良かったと思いました。 いざ中に入ってみると、何とも言えない静寂感漂う独特な雰囲気でした。 「おむすびころりんのお話をします」と言ったと同時に、試験官の二人がササッと書き込むのが分かりました。最初声に出した時の大きさとスピードで点数が点けられたのかと??途中で話が飛ぶことは無かったのですが、声が少し震えました。おじいさんの驚いた声を出した時、男性の試験管の方はササッとペンを走らせていました。加点なのか減点なのか全く採点基準が解らないです。時間は10秒程余りました。笑顔で子どものいすを眺めていました。 減点を自己判断するとしたら、声が少し小さかった(自分では普通の大きさだと思っていましたが)早過ぎたのと(これは自覚しています)、顔が満面の笑顔では無かったところかと… |
4.まとめ
保育士試験の内容と実技試験対策についてご紹介してきましたが、いかがでしたか。
試験は筆記と実技の2つで構成されますが、どちらも準備を万全にしておくことでより合格率が上がる試験だということが言えると思います。
実技試験は筆記試験に合格した場合のみ受けることが出来ますが、筆記試験に合格してから対策をするのでは、特に楽器の演奏が不得手な方は万全な準備が出来ないかもしれません。
保育士試験を受ける前にご自身のレベルを把握し、筆記試験・実技試験対策の両方を加味した勉強計画を立て、ベストな状態で試験に臨みましょう。
今回の記事が試験勉強の一助となれば大変幸いです。