【反省】だけじゃダメなのです

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日々の保育の中で「反省」という言葉をよく使いますよね。
指導計画には「反省」の欄があります。
行事の後には「反省会」があります。
自分の保育のちょっとしたことでも、振り返って「反省」しますね。

 このように「反省」は皆さんよくできていると思うのですが
その先はどうですか?
どうですか?と聞かれてもどうでしょう?といった感じでしょうか?

 今回は反省のその先について考えていきます。

 反省の意味が言えますか

反省とはどういう意味でしょうか。
あまり考えたことないですか?

 反省とは、行動を振り返って評価することです。
ざっくりいうと、
「うまくいったのか失敗したのか」を振り返るということ。
私たちは日々この作業を繰り返しているわけです。 

指導計画の反省では、
計画していたことが本当にできたのかを記録していきます。

例えば、「今月は手洗いをしっかりする」というねらいがあったとしたら
月末に、手洗いの仕方はしっかりできていたのか・・・
ということを振り返って
全員しっかりできていたとか、一部の子はまだ身についていなかった、
などと評価します。

この時、「保育士の働きかけが少なかった」とか
「石鹸を切らすことがあった」とか
「子供達の意識が薄かった」などの状況も加えられますね。

また、水道に並ぶ時に場所のとりあいでトラブルが絶えなかった・・・
なども反省に書く評価になります。

 反省を活かす為の項目

反省以外に「考察」という項目はありますか?
考察とは、よく考えること、深く考えることです。

反省した内容から、
「ねらいを達成するためには何が必要だった?」
「今後どうすれば達成できる?」と考える作業に移るのです。

先の手洗いを例に考えて見ましょう。 

保育士の働きかけが少なかったと反省しました。
ではどうすれば働きかけを多くできますか?
「保育士が意識して声をかけていくようにする」
こう思った方はいますか?
私も現役時代こう書いていたように思います。
でもこれでは不十分です。

 ここでは「どうして働きかけが少なくなってしまったのかな?」
というところからスタートします。

考えた結果、「トラブルの仲裁で手一杯だった」
ということに気がついたとします。
これに対する解決策は「保育士が意識して・・・」
ではないことは明らかですよね?

 トラブルに手が取られてしまい、手洗いの指導どころではなかった。

トラブルの原因はなんだろう

狭いところに一度に押し寄せていたな

水道に呼ぶ人数を少なくしたらどうだろうか?

さらに並ぶ場所をテープで示したらどうなるだろうか

 このように筋道立てて考えていくと、
来月の狙いに対する配慮が見えてきませんか?
ねらい「手洗いをしっかりする」

配慮「一度に水道に並ばないように少人数ずつ呼ぶ」
「やむをえず人数が増えてしまった時のために
ビニールテープで列をわかりやすく示して、不要なトラブルを避ける」
「落ち着いた中で個別に洗い方を知らせていく」

 「保育士が意識して・・・」とは大違いの配慮ができました。

 反省でわかった様子に対する解決策を、
じっくりと考えていくのが考察なのです。
そしてこの考察こそが次回につながる鍵となっています。

 すぐに実行しよう

反省ではわからなかった、
次にするべき配慮が見えてきたらすぐに実行に移しましょう。

一番避けたいのは
「先月の反省から、テープを貼るつもりでいたが、
なかなかできなかった、次回やっていきたい」
となることです。

これ、次回が永遠にこないのは明らかですね。 

「なかなかできなかった」は、私もよく使ったフレーズです。
これ、正直な書き方をすると、
「やろうと思ったが結局やらなかった」になりますね。
今思うと恥ずかしい限りです。

なんだか小学生の時に「宿題やったの?」と言われ
「今やろうと思ってたのにー」と返していた
「ゼンゼンソンナコトオモッテイナイヨ星人」のようです。

 考察ででた考えは「すぐやる」が鉄則ですよ。

 振り返るより前を向け

ここまで考えてくると、
反省は「振り返ること」
考察は「振り返りを元に先に進む方法を考えること」
だということがわかります。

大きな行事などで「失敗」したことがあると
いつまでも引きずる人もいると思います。

でも「反省」は一度で十分です。
悔やんでいる暇があったら「考察」して次の成功をイメージしましょう。

そうしていくうちに、
「あぁ、成功の為の失敗だったんだな」と気がつきます。

 また、前年度の行事反省を引っ張り出してみると、
「今回すべきこと」が見えてくるものです。
他人の反省でも「考察」の材料には十分です。

 さあ、今からやってみましょう

指導計画に考察の欄がなかったら、自分のノートに考察してください。
きっと反省が生かされて実りある保育ができると思います。
保育だけでなく、全ての物事にも通用するので、ぜひ実行してみましょう。
迷ったり悩んだりしたときは「よく、深く考えること」が大切ですね。 

さあ、私も次の原稿に向けて「考察」を始めますよ。
みなさんの役に立つ言葉を紡ぐのが、私の「ねらい」ですからね!

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