ママ目線での保育園への要望

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「ママ目線での保育園への要望」

関東地方でも大雪が降り、寒い日が続いていますね。
子どもたちは雪遊びを楽しめたでしょうか?

保育士の皆さんは、いつも以上に子どもたちの視診や、健康状態に気を配り、忙しい日々でしょう。

ですが、ご自分の体も大切にしてあげてくださいね。

さて、私は現在1歳児の長男を育てています。
保育士として働いてきた過去と、母になって感じるギャップ、聞こえてくるママさんたちの本音に、戸惑いも感じています。

もちろん全ての声に耳をかたむけ、要望を聞いていては、保育園は成り立ちません。
が、「こんな声もあるのか」と、軽い気持ちで読んでいただけると幸いです。

 

赤ちゃんのスベスベ肌は作られているー①加湿

先日、保育園に子どもを預けているお母さんの愚痴を聞きました。
「保育園、加湿器あるのに、付けてなかった!」
赤ちゃんの肌はとても敏感なので、この時期、家庭では加湿器を24時間フル稼働しています。
また、保湿クリームもマメに塗っています。
そうでないと、カサカサになったり、汗疹が出来たりするからです。

言われてみれば、室温にはかなり気を配っていたものの、湿度はあまり見ていなかったなと、反省しました。

赤ちゃんのスベスベ肌は作られているー②保湿

夏になると、水遊びやシャワーで子どもたちの汗を流しますよね。
着る物を調節したりと、保育士さんも子どもの清潔に気を配っています。

しかし、とあるお母さんからの衝撃の一言。
「保育園でシャワーをしてくれるんだけど、保湿はしてくれないのよね」
と。

そこまで、保育園に求めるのか?! と思いましたが、確かに保護者の皆さんは、朝や食事前後・入浴後とマメに保湿をしているのです。
本当に少しでも怠ると、すぐに赤くなる子もいるので、保護者は真剣です。

もしも直接言われても、対応は出来ないと思いますが、その気持ちを受け止めた上で、清潔にすることの大切さを伝えてあげてください。

それにしても、赤ちゃんのスベスベ肌は保護者の努力で作られていたのですね。

アンパンマンよりも……

子どもに人気のキャラクターと言えば、アンパンマンですよね。
紙芝居や体操等も、アンパンマンを選びがちです。

しかし、低年齢の子はそこまでアンパンマンを見ていないのです。
それよりも見ているのは、Eテレの『いないいないばあ』や 『おかあさんといっしょ』です。
もちろん、低年齢でもアンパンマン好きな子はいます。
しかし、それはあの愛くるしいフォルムや、キャラクターデザインに惹かれているようで、「好きだけど、テレビでやっていても見ないのよ」という子が多いのです。

もしも、子どもとの話題作りや、流行の歌や体操を研究するのならば、Eテレを見ることをオススメします。
一緒に見ているうちに保護者がはまっている事も多いので、ちょっとした雑談にも良いネタになりますよ!

イクメンと呼ばないで

保育士時代に、0歳児の双子が通っていました。
そこのご家庭は、送迎も両親が交代で行っていました。

ある日、お父さんが迎えに来たとき。
1人を準備している間にもう1人が逃げ出し、追いかけているともう1人も……と、とても大変そうな様子でした。

双子の0歳児を1人で見るのは保育士だって大変です。
そんな気持ちもあって、
「お父さん、偉いですね」
と、安易に言ってしまったのです。

その方は怪訝な顔で
「当たり前のことをしているだけです」
と答えました。

親になってから、失礼な事を言ってしまったなと、反省しました。

保育園の送迎も両親が交代でする家庭も増えていますが、私の中で「育児は、基本的に女性がするもの」という考えがあったのでしょうね。
もちろん、女性が中心にする家庭は多いですが、現在育児は多様化しています。
育休を取る男性や主夫が増えていたり、そうでなくても、主体的に動く男性、またそのように求められている男性が多いのです。

私の言い方は、「(自主的にしているのではなく、)母親の手伝いをして偉いね」という意味に捉えられたのでしょう。

確かに、もしこれがお母さんだったら「大変ですね」と声をかけても「偉いですね」とは言わなかったかも知れません。

ママファーストか?子どもファーストか?

産後すぐ、わからないことや不安なことを医師や助産師さんに相談すると、真っ先に私の心配をしてくれました。
これは戸惑いました。

「子どものために、何がベストか?」を聞いているのに、
「お母さんの楽なように」
「お母さんは大丈夫ですか?」
という回答を頂くのです。

なかなか素直に受け止められなかったのですが、最近では、「頑張りすぎない育児」を推奨しているようです。

さて、逆に保育園ではどうでしょう。

ある園にいた時のことです。
休憩室で、
「昨日Aちゃんのお母さんをスーパーで見たよ!」
と1人の保育士が言いました。
「お迎えに来られるのに、来ないで買い物してたってこと?」
と、他の保育士もAちゃんのお母さんを非難。
1度担任から注意しなきゃね、という事で話は終わりました。

保育園では基本的に、勤務時間+通勤時間しか預からない約束ですから、言い分は間違ってはいませんね。

しかし、子どもを抱っこしながらの買い物、また、駅からの帰り道、スーパーと保育園と家の位置関係を考えると、先に買い物を済ませたい保護者の気持ちもわかります。

スーパーは一例ですが、保育園は「子どものために」を第一に考えます。
休みや、早く帰れる日には、少しでも長く一緒に過ごして欲しいというのが、保育士さんの想いです。
なので、時に保護者に厳しくなるときがあります。

しかし、児童精神科医の佐々木正美さんの著書『子どもへのまなざし』にもこのような1節があります。

「(保育士や精神科医は)いつも子どもの味方になろうとするものなのです。しかしそのために親を敵にしてしまう事があるのです。(中略)子どもの味方をするあまり、親を敵にしてしまう事があってはならないのです」
(『子どもへのまなざし』佐々木正美/福音館書店)

もちろん、ルールは守らなくてはいけません。

しかし、少しでも相手の立場になってアドバイスや意見を伝えられたら、きっと受け取る保護者の気持ちも違うでしょう。

最後に

いかがでしょうか。

ワガママのように見える保護者の要望も、子どものためだったり、様々な背景があると思われます。

最後に、佐々木正美さんの『子どもへのまなざし』から、もう1節を引用したいと思います。

「親の幸せをないがしろにして子どもの幸せは考えられないのです」

保護者の気持ちに寄り添うことが、皆さんの愛する子どもたちのためにもなるのです。

今回挙げた以外にも、「先生が大好きすぎて。」「バイバイが適当でちょっと寂しいくらい、保育園が好き」「装飾や製作物等、毎回凝っていてステキだけど、印刷で良いのよ」等という意見もありました。

皆さんの毎日の努力も、しっかり伝わっています。

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