ほとんどの保育園が18時、もしくは18時半を過ぎるお迎えの園児は延長保育になっているのではないでしょうか?
延長保育の時間は保育士の間では遅番と言われ、人にもよりますがどちらかと言うと嫌がられる番です。
なぜかと言うと、最後の園児が帰るまで帰宅できないから、、、。
台風で電車が止まろうが、停電で明かりが無くなろうが、とにかく最後の園児を保護者に引き渡すというとても責任がある大切な番なのです。
以前は、延長保育は1歳からと年齢や人数の制限を設けている園が多くありましたが、
最近の保育園は保護者の働き方の多様化に伴い、年齢や人数制限を設けないという園が増えてきました。
ということはそんな保育の最前線にいる保育士の遅番の動きも随分以前と変わってきました。
0歳児と幼児は同じ部屋で保育をするのは安全上とても難しいのです。
ハイハイしている0歳児の横で走り回りたい幼児を一緒にして保育するのは危ないですし、
何でも口に入れる時期の乳児と細かい玩具の遊びを好む幼児を同じ部屋で保育するのは誤飲事故に繋がる為、
0歳児から幼児までが同じ部屋で延長保育を行うのはとても難しいのが現実です。
仕方なく、延長保育の時間でも乳児と幼児に分かれて保育を行う事になり、必然的に各部屋に保育士が必要で、
園児の人数にもよりますが以前だと遅番は2、3人で回せていたのに、今では4人前後で遅番を回さないといけないことになります。
また安全上、園児が1人でも必ず保育士は2人いないといけないという決まりがある為、
最後の園児1人になっても絶対に2人は帰宅する事ができません。中番で帰宅する先生を横目で見ながら、
[今日は何時に帰れるかな~]なんて言っていた時期もありました。
でも、保育の仕事を長くしていくうちに遅番でしかできない保育があり、また遅番でしか気づけなかった園児の姿も見る事ができ、
意外に遅番もいいなぁと感じる場面に何度も出会いました。
ある日の延長番の時、5歳児のAちゃんが1歳児のCちゃんに[お誕生日おめでとう!]と折り紙に書いた似顔絵をプレゼントしていました。
先週の遅番の時、私が[来週火曜日はCちゃんのの2歳の誕生日なのよ]とお話しした事を思い出しました。
その折り紙の裏にはピンクのクレヨンで笑顔のCちゃんの姿。
私はその時、5歳児のAちゃんと1歳児のCちゃんの担任ではなかったので、
2人が日中どのような遊びをしてどんな風に過ごしているかは分かりませんでした。
でもいつも2人が延長保育という時間を一緒に過ごし、クラスの枠を越えた絆ができているのだけは分かりました。
保育士から見ると順番で回ってくる遅番。
でも子どもたちからすると延長保育時間でしか関われない大切なお友達同士。
こんな延長保育時間にしか見えない子どもたちの姿に感動しました。
いつも遅番の時に憂鬱になってしまう保育士の皆さん、たまには子どもたち同士の関わりに目を向けてみてはどうでしょうか?
いつもの遅番が違った時間に感じられるかもしれませんよ。