保育士を検索すると必ず次に[激務]とか[給与安い][休みが取れない]等のマイナスイメージなワードしか出て来ません。
もう少しポジティブなワードは付随しないのか?と寂しくなるのですが、、、。
でもそうなんです!
保育士とは激務な労働環境の割には安い給与で人手不足な事もあり、なかなかお休みがとれない職業なのです。
このネガティブイメージな保育士という職業ですが特に保育士の給与については報道の通り本当に安くて、、、
10年近く勤めてやっと手取りが21万〜22万程度。この現実は悲しすぎます。
しかしここ最近は、東京都として保育士処遇改善の一手として都内賃貸物件に住む世帯主保育士(一人暮らし、シングル保育士etc、、、)に諸条件を満たした場合のみ最高82000円までの家賃補助が出るようになりました。
そのおかげで生活も随分変化した保育士が増えたように思います。
しかし、あくまでもこれは東京都の認可、認証に勤める世帯主の保育士という限定で、じゃぁ、事業所内保育園に勤務する保育士は?結婚して世帯主ではなくなった保育士は?と、不公平に感じる保育士がいるのは確かです。
この制度はそもそも保育士の給与が安すぎるのにもかかわらず今まで何の手立ても行わず、今の保育士不足が社会問題となりやっと重い腰を上げた行政政策の一つにすぎません。そんな行政からの家賃補助とは違い、もう一つの処遇に関する施策。
それはダイレクトに保育士の元に支給される処遇改善費。これはシングルだろうか、既婚者だろうが扶養家族がいようがいまいが、生活環境に関係なく、保育士としての経験年数に応じて支給されるお金。
この処遇改善費について現場で働く者として意見を言わせて頂きます。
行政への書類提出
まず[処遇改善費]このネーミング自体がまるで[行政として今まで安い給与でごめんなさい。
今からこの安い給与を改善しますね!]という意味にしか思えて仕方ないです(笑)
それはさておき、処遇改善費の請求の仕方の複雑さに驚く事があります。
それは保育士として何度か転職していたとしても、その勤めていた保育園すべてに[在職証明書]を発行してもらい、それに何年勤めていつ産休育休を取ったか等、事細かく記入してもらう必要があるからです。
転職回数が多い保育士は退職したすべての保育園に問い合わせ、書類を取り寄せ、現職保育園に提出し、その保育園から各保育士の在職証明書を一括で自治体に提出します。
このデジタルな時代にそのようなアナログな作業はとても手間を要します。
処遇改善費は紐付き??
手間と時間をかけて手元に届いた処遇改善費の請求書類ですが、これは保育士個人からではなく保育園として一括して自治体に申請するしか申請方法はありません。
行政から保育園に保育士処遇改善費として支給されたお金。
はたしてそれはきちんと現場の保育士の給与に反映されているのでしょうか?
自治体として、処遇改善費は紐付き補助金といって、保育士の給与以外には使ってはいけないという名目になっています。
しかし、昨今の保育園事情は社会福祉法人、株式会社、NPO等、様々な運営形態が入り混じり、紐付き補助金とは名ばかりで違う使い道をしている運営母体もあるとか無いとか、、、。
その辺はきちんと自治体に目を光らせてほしいものです。
現場の保育士として思う事
最近の小中学生の卒業文集に将来なりたい職業として保育士をあげる子どもたちが少なくなってきているそうです。
中には高校3年生の進路を決める3者面談で子どもが保育科に進学したいと言うと保護者の方が大変だからやめなさいと反対するケースもあるとか。
それもこれもやはり保育士=激務で給与が安いというイメージがついてしまっているからだと思います。
それにはまず、保育士になっても最低限の生活に困らない給与が貰える事、そして何より社会貢献ができる素晴らしい職業だと広く認識してもらう必要があります。
この記事を読んでいる保育士の中には短大大学の保育科に進学する為に奨学金制度を利用した方もいるのではないでしょうか。
しかし保育士になったものの、給与が安くて奨学金が返せず別の職業に就いた方が良いのかもと悩んだ事はありませんか?
ぜひ今後も行政にはきちんと保育士の処遇改善を進めて頂き、運営事業所はその行政からおりてきた補助金をきちんと保育士の給与に反映してほしいと願うばかりです。