卒園が近くなると、
「もうすぐ一年生」と子どもたちの期待はどんどん膨らんでいきます。
ピカピカのランドセルを背負って元気に学校に通うイメージで心いっぱいになりますよね。
では、お母さんお父さんたちはどうでしょうか?
実は、子どもの期待感とは真逆に不安でいっぱいの様子が見られるのです。
なぜでしょうか?
目次
子どもの手を離すその時
毎朝親子で登園している保育園。
年長になってしっかりしてきても、
朝の支度など親は見守ることができます。
時には手を貸したりして。
ところが入学した次の日から、
子どもたちは「一人」で登校し
「一人」で靴を下駄箱にしまい
「一人」で上履きを履き
「一人」で教室までたどり着かなくてはなりません。
(もちろん現実は先生が見ていますし、上級生も手伝ってくれますが)
もうここまででも、心配の種がたくさんありますね。
親は、「自分の手の届かないところ」
に子どもを送り出すことで
心配でいっぱいになってしまうのです。
通学路一人で歩ける?
集団登校があるなら良いのですが、
一人で登校する地区もあると思います。
さて、本当に道を覚えて「安全に」歩けるのでしょうか。
そうなるためのポイントを保護者に伝えてあげましょう。
・親と一緒に何回も歩いてみる
・危険なポイントを何度も確認して覚えさせる
・少し離れて子どもだけ先に歩かせてみる
・子どもだけで歩くということにして、親は隠れて見守る
・道順を地図にして一緒に楽しみながら覚えてみる
「知っている道だから」と思うのが最も危険です。
ポイントは、「安全に歩いているか」です。
子どもが一人で歩く姿って見たことないですもんね。
信号ちゃんと見て渡れるかな?
困った時はどうするの?
登校時でも、学校内でも、
困った時にどうすればいいのかを教えておきましょう。
・外では、助けを求められる場所を作っておく
(近所の家、お店の顔見知りの方、コンビニなど)
・学校では、担任に限らずどの先生でも声に出せば、
助けてくれることを知らせる。
(黙っていては、察してもらえないこともあると伝える)
・保健室などの存在を知らせる
保育園と比べて全体の人数が増える学校は、
自分から発信しないと伝わらないことが多いです。
「困っている」「わからない」「痛い」「辛い」
などが自分で言えるようにしておきましょう。
いい人そうな大人だって危ないよ
一人で外にいるということは、
悪い大人がいるということも知らなければなりません。
しかし、本当に悪い人は悪そうなそぶりは見せません。
唐草模様の風呂敷を持った泥棒はいないのと同じこと。
家族以外の人には注意するように伝えます。(たとえ顔見知りでも)
・他人と話す時は必ず離れて立つこと(腕を掴まれないため)
・行動に迷う時は別の大人に助けを求めること
・(親がいない時間の場合)家ではなく学校や学童に戻ること
・嘘にだまされないように、
誰かにいつもと違うことをするように言われたら
「親」か「先生」に聞かなくてはならないこと。
(お母さんが呼んでいるよ連れていってあげる・・・など)
名前は読めるようにしておこう
字が読める(書ける)ようにしておくかどうかは、
ここでは言及しませんが(それぞれですから)
自分の名前は読めた方がいいです。
落し物の名前が読めれば、自分のものだと気がつきますよね。
小学校はとにかくみんなが同じものを使いますからね。
挨拶をしっかりと
新しい出会いにあふれる一年生です。
自分から元気に挨拶することはとっても大切です。
挨拶すると気持ちがよくて、
相手も嬉しくなることを伝えましょう。
連絡は子どもから聞く
園では、保育士から直接お知らせができたり様子を伝えることもできました。
しかし学校では、子どもの言葉で連絡や様子を聞かなければなりません。
事実を正しく伝える練習は、普段の生活でしておきましょう。
私は年長担任の時は、
「明日の持ち物はお子さんから聞いてください」と連絡ボードに書いていました。
もちろん別の形で親には伝えます。(こっそり)
ここで重要なのは、聞く方の姿勢です。
「明日はクッキングするんだよ。」
「あーじゃエプロンね」
では50点。
「明日はクッキングするんだよ」
「あ、そうなの、あら、じゃ何か持って行くものはあるの?」
親が先取りせずに、子どもが考え、
または思い出して伝えられるような受け答えをします。
自分で考えて伝えて、
忘れ物をしなかったという成功体験をたくさんさせてあげましょう。
また、学校に行ってから
急に「学校どうだったの?」なんて聞いても答えてなんかくれません。
保育園時代から、子どもの話をじっくりと聞く時間をまちましょう。
「聞かれる」から話すのではなくて
「聞いてほしい」から話すのです。
落ち着いて勉強できるかしら
これも普段いかに子どもとコミュニケーションをとっているかが鍵になります。
「親」に自分の話を聞いてもらえない
「子ども」が「先生」の話を聞けるとは思いません。
話を聞いてもらえる体験をたくさんしている子が、
他人の話にも意識を向けることができるのです。
人間は誰かにしてもらったことを、
他人にもすることができるのです。
優しくしてもらったから、僕も誰かに優しくできる。
抱きしめてもらったから、私も誰かを抱きしめてあげられる。
話をたくさん聞いてもらったから、僕も誰かの話をじっくりと聞ける。
一度親子の関わり方を見直すのもいいと思います。
私たちは安心感を与えましょう
「そんなんじゃ一年生になれないからね」
親がつい子どもに言ってしまう言葉です。
焦る気持ちがそんな言葉を生むのでしょうか?
私たちは、お母さんお父さんたちの不安な気持ちを取り除いてあげましょう。
そのために、今まであげたことを
具体的にアドバイスしてあげてください。
理由なく「大丈夫」というよりも
「こうすれば大丈夫」と言われた方が安心できるものです。
元気でハツラツとした姿の一年生になれるように
私たちも、ラストスパートです。