保育園では「転ぶ」怪我は避けては通れませんね。
走ったりジャンプしたり、元気に飛び回っていると「転ぶ」ことはよくあることです。
でも、転んだ時のその怪我…何かおかしくないですか?
転んだ時に怪我をする場所は?
あなたの園の子どもたちは転んだ時にどこを怪我しますか?
ひざですか?
手のひらですか?
それとも顔ですか?
ちょっと思い出しながら読んでみてください。
昔のこども
私が子供の時は、砂利道が多くて転ぶとそれはそれは痛い怪我をしました。
「ひざ」にです。
昔は赤チンという薬を塗ったので、膝はいつも真っ赤な色をしていました(赤チンとは、今はない真っ赤な傷薬です。知っている方はきっと私と同年代ですね)。
そう、転ぶ時は手と膝をつくので、そこが血だらけになるわけです。
自分の記憶を辿っても、そこ以外を怪我したことはなかったと思います。
恥ずかしながら大人になったにもかかわらず、先日転んでしまいましたが、ちゃんと膝をついたので怪我をしたのは膝だけでした(え?転んだの?大人なのに?というツッコミはなしで!)
今のこども
私が保育士になりたての頃は、こどもが転んだら膝の手当てをしていました。
ところがいつからか、顔の手当てをすることが増えてきたのです。
ひどい時は「歯」がグラグラしてしまい、歯医者に駆け込んだことも1回や2回ではありません。
なんで「手が、出ない?膝をつかない?」とずっと疑問に思っていました。
今もって明確な答えは出ていません。
ぜひ皆さんと考えたいことです。
はいはいが少ない?
勉強すると、色々な仮説の中では「はいはい」が足りないのではないかという考えが多くありました。
住宅事情で「はいはい」するスペースがなかったり、早く歩くことに重きをおく親の気持ちが焦りを生んだりすることで、「はいはい」の機会が減っているということでした。
これは私も納得できる考えでした。
「はいはい」は四つん這いになる姿勢が、手・腕・背中・腰・足をバランスよく鍛えます。
立って歩くまでのただの通過点のようですが、人間が生きていく上での大切な「身体」を作る動きなんですね。
そして、四つん這いの姿勢は、まさに「転んだ時の姿勢」。
これこそ今の子供に足りないものかなと思いました。
これに気がついてからは、たとえ幼児クラスであっても、「はいはい」の姿勢の遊びをゲームなどに取り入れるようにしました。
足りないと思ったら、どのタイミングでも補う事が大切です。
案の定「はいはい」の姿勢が苦手な子がたくさんいました。
乳児期の遊びも見直そう
乳児は立って歩くようになると「歩行の確立」が大切なので、そちらの活動が増えてきます。
でも、立って歩くようになっても、やはり「はいはい」の姿勢の遊びをたくさん取り入れてほしいと思います。
マットを山のようにして四つん這いで登ったり、保育士に抱えられた姿勢でマットに手をついてみたりと、色々な遊び方ができます。
遊びの中でたくさん、身体のバランスをとる遊びを経験させてあげてください。
保育士だから出来る事
なぜ転ぶ時に手が出ないのか…という答えは、いつか医師や学者の方々が導き出してくれると思います。
でも私たち保育士はそれを待っていることはできません。
目の前の子供たちは、毎日成長しているからです。
ぜひ自分なりに、よーく子供を観察してみてください。
そしてこの時期にどんな発達をしていて、どんな働きかけが必要かをしっかりと勉強しましょう。
何気ない「なんで顔を怪我するんだろう?」という疑問が、目の前の子供の発達を助けることにつながるかもしれないと思うと、私たち保育士は常に「観察して」「疑問を持ち」「勉強」していかなければならないと身が引き締まります。
あなたは、どんなことに疑問を持っていますか?
その疑問を大事にしてくださいね。
痛い膝をさすりながらお届けしました。