新年度が始まってバタバタしていた日々を過ぎて、気がつくともう夏が来ますね。
クラスも落ち着いて来て、子供たちとも保護者とも「信頼関係」が築けてきましたか?
今「はい。信頼関係が築けてきました」と答えた皆さん。
本当ですか?
本当に「信頼関係」が築けていますか?
子供との信頼関係
信頼関係とは、大雑把に言うと「お互いに信用して頼ることができる関係」のことです。
保育士と子供達の関係においては、毎日長い時間を一緒に過ごし、
「あなたの全てを受け止めているよ」
という気持ちが子供に伝わった時に、子供からの信頼を得ることができます。
そして子供達の様子を細かく観察し「子供を知る」ことで、私たちもまた、子供を信頼することができるわけです。
おそらくどの保育士も、子供との信頼関係はバッチリ築けていると思います。
年間計画の初めにある「信頼関係を築く」と言う項目の評価は二重丸ですね。
保護者との関係を見てみよう
では、保護者との関係はどうでしょうか。
「毎日笑顔で話しているし、文句を言われたこともないです。だから信頼関係は大丈夫です」
そんな声が聞こえて来ます。
ではまず最初に聞きますね。
【あなたは保護者を信頼していますか?】
あなたが担当するすべての保護者のことを本当に信頼しているかは、普段の様子からわかってしまうんですよ。
ズバリそれは、保護者の悪口を言っているかいないかです。
「あのお母さんさー、今日も絶対仕事休みだよ。仕事の格好じゃなかったもん。遊びに行きたくて子供預けるなんて最低だよねー」
こんな事を言った事がありませんか?
これは実在した私の先輩の言葉です。
この先輩はこういった疑わしい出来事があると、他の保育士に「悪口」を言いまくるのです。
そして、それで終わりです。
保護者に確認もしなければ、園長に報告もしません。
皆さんはどう思いますか?そして、皆さんならどうしますか?
笑い合うだけが「信頼」ではない
私は、そういう時は園長に報告し許可をもらってから、保護者に確認をします。
相手の様子にもよりますが大体こう話します。
「お母さん、今日いつもと雰囲気が違うけれど、お仕事じゃなくてどこかに用事で出かけますか?」
そうすると様々な返事が返って来ます。
「具合が悪くて病院に行きます」
「今日は午後からの仕事なんです」
このようにはっきりと言ってもらえれば問題なく対処できますね。
困るのは、明らかに仕事ではなく遊びに行くんだなということがわかってしまった時です。
遊びぐせがついてしまっている保護者も中にはいます。
そういう場合は園長を交えて、保育時間などを再確認しながら、園のルールを伝えていかなければなりませんね。
また、精神的な疲れから「子供と離れたい」と思ってそうしてしまう方もいます。
そんな時は、責めるよりも前に保護者の気持ちに寄り添わなくてはなりません。
「仕事行かないならお休みですよ」と伝えるのとは違うアプローチが必要になってきます。
このように「仕事が休みなのに預けてしまう保護者」の例を一つとってみても、時には厳しく、時には柔軟に、そして時には真剣に向き合わなければならないことがわかります。
前述した先輩は「影で悪口」を言い、保護者にはニコニコと接して終わりにしていました。
これは「信頼関係が築けている」と言えるでしょうか?
言えないと私は思います。
まずは「知る」ことから始まります
子供との信頼関係はどうやって築きましたか?
子供のことをよく「知ろう」としましたね。
保護者だって同じです。
保護者が、どんな気持ちで、どんな境遇で、どんな考えで今そこにいるのかを「知り」ましょう。
その為にはコミュニケーションをしっかりととっていくことです。
よく話すことで、よくわかり、何かがあった時に寄り添って対処ができる。
そんな関係になった時に、初めて
「信頼関係が築けました」と言えるはずです。
まとめ
もしもあなたが、少しでも「悪口を言う先輩」と重なる部分があったら、自分の姿を客観的に見直して見てください。
そして胸を張って「信頼関係が築けました」と言えるように努力してみてくださいね。