振り返れば、いてくれる。それが幸せ。 三項関係を大切にしよう。

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今回のタイトルはなんだか愛の告白のようですね。
私は今振り返ったら父と目があいました(^0^)

さて、子どもが振り返った時は誰と目があうでしょうか。
保育園では、私たち保育士ですね。
では家庭では?
お母さん?お父さん?
本当に目があうのでしょうか?

今日は大切な【三項関係】のお話です。

 

【三項関係】って何でしょう

三項関係とは簡単に言うと、子どもー大人ー物、の3つの関係を指します。
生まれたばかりの頃は、子どもー大人、子どもー物、の【二項関係】です。

泣いたら抱っこしてもらえる。不快を取り除いてもらえる。
笑ったら笑顔を返してもらえる。
ベットメリーをじっと見つめる。ガラガラの音を聞く。

全てが、子どもー大人、あるいは、子どもー物、の世界で完結しています。
この二項関係の時期は、抱っこなどのスキンシップから肌で愛情を感じ取り、自分が愛されていることに満たされる時期です。

そこから少し成長していくと三項関係が始まります。
遊んでいたらいたら目の前に何か見つけた。
「あっあっ」と指をさす。
お母さんを見ると「ブーブーあったねー」と笑っている。
安心して手を伸ばす。
お母さんが「ブッブッー走るかなー」と嬉しそう。
このやり取りで「ブーブーは楽しいもので、触っても安心なもの」と認識します。
ブッブッーの音も耳に残りますね。

遊んでいたら何か四角い箱がゴーッと音を立てている。
振り返るとお母さんが「ストーブあったかいね」と笑う。
触ってみたくなって近づくと「あっちちよ!ダメよ」と怖い顔。
ストーブはあったかいけど触るとあっちち。近くはだめ。と認識します。
(もちろん繰り返しが必要です)

他にも
「あ、にゃんにゃんがいたー」とお母さんが言うとそちらをみてネコを見つけることができる。
「ちょーだい」「どうぞ」のやり取りができる。などがあります。

 

三項関係が壊れている???

先日公園で、ベビーカーに赤ちゃんを乗せたお母さんがベンチに座っていました。
赤ちゃんは走り回る子どもたちを見たり、お散歩の犬を見たりしてはそちらに注目して「あーあー」と声を出していました。

お母さんはどうしていたでしょうか。
残念ながら、スマホをずっと見ていました。
ベビーカーもお母さんの顔が見えない方向に向いていたので、赤ちゃんはお母さんを振り返ることもできません。
「あーあー」と声をあげると、ぐずっていると思うのか、後ろからベビーカーを揺すっていました。

私が「あーあー」と言いたい気分でした。
お母さん違う違う。
赤ちゃんは、今いろんなことを発見して吸収しようとしているよ。
でもお母さんがそこに気がつかないと、その瞬間がどんどん過ぎちゃうよ?

そのお母さんの事情はわからないのですが
(もしかしたらいつもはちゃんと向き合っているかもしれない)
スマホを開いている大人が目の前にいる子どもと三項関係を築けるとは思えません。

 

いつだってどこだってキャッチボール

改めて【三項関係】などと言うとお母さんお父さんたちは、「何それ?難しくてできないよ」と感じるかもしれません。
でもそれを、「気持ち、言葉のキャッチボール」だと考えるとわかりやすいかもしれません。

私の姪がよちよち歩きの頃、実家でおじいちゃんと私といた時の話です。
姪は台所の下の扉を開け、菜箸やおたまをわしづかみにして、おじいちゃんに向かって歩き始めました。
それはそれは嬉しそうに。
おじいちゃんはとっさに「あっ」と言いました。
姪はその言葉を聞くが早いか、踵を返し扉まで戻り菜箸を元に戻しました。

姪は、おじいちゃんの表情と「あっ」と言う言葉を聞いて、瞬時に「これはいけないことだ」と感じたのですね。
ちょっと言葉は悪いですが「やばい」と言った感じでしょうか。

保育の勉強をしていた私は、なんて面白いものを見れたんだろうと思いましたが、これこそ【三項関係】だったのですね。
「面白いよおじいちゃん」と姪が投げた気持ちを、おじいちゃんは「それは遊ぶものじゃないぞ」と投げ返しました。
それを受け取った姪は「やばいやばい」と引き返したわけです。
見事な気持ちのキャッチボールです。

 

振り返ればそこにいてほしい

おじいちゃんは、可愛い孫をずっと見ていたのでしょう。
すぐにその行動に気づきました。
お父さんお母さんたちが日々忙しさに悲鳴をあげているのを理解した上であえて伝えてほしいと思います。

「子どもが振り返った時に、目があう所にいてください」と。
そして「スマホではなく子どもを見ていてください」とも。

【三項関係】は、相手の気持ちを理解するためのスタートであり、言葉を獲得するための大切なやり取りだからです。
「発達においてとても大切なんだ」と知ってもらうだけでも効果があると思います。
いつ子どもから気持ちのボールが飛んでくるかな?と意識すると、子供を見る回数が増えるかもしれません。
今、大人から気持ちのボールを投げるチャンスだと気がつくかもしれません。

 

テレビやスマホは一方通行

大人のスマホについて書きましたが、子どもたちもまたスマホやテレビ、DVDなどに触れる機会が多いと思います。
私はそれを否定しません。
生活の中で外すことはできないからです。
また、とても優良な内容のものも多数あるからです。

でも【三項関係】の大切さを知っていれば、そこに大人の姿がなければいけないことは容易にわかると思います。
テレビもスマホもDVDも一方的だからです。
スマホは子どもの気持ちをキャッチしませんし、もちろん投げ返しません。
でもそこに「面白いね」と共感する大人がいると、途端に見事な【三項関係】が生まれますね。

改めて聞きます。
子どもがふりかえったら、だれと目が合いますか?

あなたがお母さんお父さんに問いかけてみてくださいね。

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