音楽を保育の中へ

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私は、歌うことも楽器を演奏することも音楽を聴くことも大好きです。だからこそ、音楽の楽しさを保育に取り入れたいと考えています。幼少期に取り入れたものは、身に付きやすいと言われていますが、果たして、音楽を取り入れることで子どもたちがどのように育っていくのかについて考えてみようと思います。

音楽と保育の関係

私の音楽好きの源は幼少期にあり、私は、音楽から、多くのことを学びました。
表現することの難しさ、一人では全てを表現しきれないこと、だからこそ、感じる達成感。

保育の中では、歌を楽しんだり、楽器を演奏することは、ある程度の年齢に達しなければ難しいですね。
しかし、音楽には、様々な方法があります。
もちろん、道具が無いとしても、リズムを自分で表現することを楽しむことができれば、それは十分、音楽と言えるでしょう。
「リズムを表現する」ということは、難しく聞こえるかもしれませんが、音楽は、いわば、声や言葉で気持ちを表現することと変わらないのです。
音楽という、声や言葉ではない方法で表現を楽しむことが出来る子どもは、より一層、豊かで柔軟な表情をするようになると私は考えます。

 

表現を楽しむ方法

ここでは、楽器や物を使わずに音楽を楽しむ方法をいくつか提示していきたいと思います。
主に、未満児で活躍している先生方のためになればと思います。

体操やふれあい遊び

ピアノやギターなどを演奏することが難しい場合には、ラジカセでCDを流し、音楽を取り入れていくことも方法の一つでしょう。
CDで流す時間があるのならば、なるべく広い環境で体を動かせるようにしてみましょう。

また、異年齢と混合で体操をする時間を作ることも子どもにとっては、刺激のある時間になります。
安全に気を付けながら楽しんで体を動かしましょう。

わらべうた

わらべうたは、体を大きく使うものから、一部分を使うことを楽しむものまで様々です。
手遊びと違う点は、昔ながらの独特な言い回しや表現が含まれている事ですね。

子どもたちは、新しい音楽も好きですが、昔から親しまれてきた音楽は、子どもたちの心の奥をしっかりと掴むので、先生へ眼差しが釘付けになることが多く、「もう一回!」と言うほどリズムが頭から離れなくなることもポイントです。

保育士の口調や声で表現できることが最も大切なので、子どもの目を見ながら語り掛けるように行ってみましょう。

リズム運動

私の園では、『さくら・さくらんぼのリズムとうた』を取り入れた保育をしています。

「あひる」や「かえる」等の動物をイメージしたゆっくりな曲調のものから、「汽車」などの速いリズムのものまで、1曲が約30秒ほどで構成されています。
私の園では、以上児は、テーマ曲を決めて取り組んでいますが、未満児にとっても、体の使い方を楽しく知ることができるため、保育士が歌を口ずさんで手本を見せることで自然と体が動くようになっていきます。


『さくら・さくらんぼのリズムとうた』
(斎藤公子/著、群羊社/刊)

年齢別の音楽の取り入れ方

上記までで紹介してきた音楽を楽しむ方法を、さらに、年齢別に合わせてどのような効果が得られるのか、何をねらいにしていくべきか、を考えてみましょう。

0歳~2歳

保育士が楽しんで体を動かしている姿を見せることで、「音楽は楽しいもの」というイメージが形成されていきます。
ピアノの前に行くと自然と歌を歌ったり体を揺らすなど、ピアノ一つで活動の合間も楽しい時間になります。

「好きな音楽を繰り返し楽しむ」というねらいを達成することで、「待つ」ことや「集中して体を動かすこと」「周りを見ることができる力」に繋がっていきます。

3歳~5歳

先ほども紹介しましたが、リズム運動を行うことで、つま先から頭までの体の使い方が分かっていきます。
さらに、「空間を見極める力」もねらいとなります。

どこに身を置くことで友だちとぶつからずに体を動かすことができるのか、を見極めることは、様々な場面において、相手との関わり方を考える際に必要な力になります。

 

まとめ

音楽は、一生付き合っていかなければならないものではありませんが、幼少期にたくさんの音楽と触れ合い、様々な媒体を知っておくことは、感情を豊かにし、そして、人と協力する力にも繋がっていくと考えます。

「楽しい」という気持ちは人の心を大きく動かすものなので、保育士の方々は、どの年齢の子どもたちにも楽しい気持ちを表現して見せ、一緒に感情を共有する時間を多く作っていきましょう。

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