子供の心のよりどころ

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泣き続けた新入園児もようやく落ち着いてくるころですが、こんな子はいませんか?

  • 毎日何かおもちゃを手に登園してくる
  • タオルやハンカチが手放せない

なんとかお母さんと離れられても手にはしっかりと「何か」を握っている…
そんな時の対応を考えてみましょう。

 

「おもちゃ」が手放せない

おそらく4月には大泣きをして、お母さんからなかなか離れられない状況があったのではないのでしょうか。
数ヶ月経って、なんとかバイバイできるようになってきたものの、手には必ず何かが握られている。
「おもちゃ」を持ってきてはいけないのが多くの保育園のルールですから、困ったものです。

持ってきたおもちゃは他の子の目につくと、使いたくなり、園では管理しきれなくなります。
時に取り合いになったりトラブルの元にもなります。
「持ってこない」という状況に近づけていきたいですよね。

まずは様子をしっかりと観察です。

実は、朝泣かれるのが嫌でお母さんの方からおもちゃを渡していることはないでしょうか?
毎朝違うおもちゃを持ってくる子にはこのパターンが多いかもしれません。
お母さんから離れる不安を、親の忙しさを理由に「おもちゃ」で誤魔化しているのですね。

「お母さん、おもちゃを渡すのやめてくださいね」と言うのは簡単ですが、それでは実は解決しないのです。
おもちゃに頼っているのは、実はお母さんの方だからです。
「忙しい、泣かれたくない、気持ちよく仕事に行きたい」そんな想いを解決してくれるのがおもちゃなのでしょう。
子供は、そんなお母さんの気持ちを敏感に感じ取ってしまうのだと思います。

保育士には何ができるでしょうか。

まずは、子供が安心しておもちゃを手放せる環境を作りましょう。
「持ってきたらダメなの。しまいなさい」では不安が増すばかりです。
「大事なおもちゃが壊れないように、先生の机で待っててもらおうか。見たくなったら先生が見せてあげるから大丈夫だよ」
「今日は車を持ってきたの?じゃあ、カバンのポケットで待っててもらおうか?自分で入れられるかな?見るときは先生と一緒ね」
などのように、「手から離すけれど場所がわかっていていつでも見られるよ」という安心感をもたせます。

これができるようになったら次のステップです。

朝お母さんのカバンにおもちゃを入れるようにしていきます。
「車さんもお母さんと一緒にお仕事いってらっしゃーい」のように、そこでお母さんともおもちゃともバイバイと伝えていきます。
持ってくることに慣れている子には辛い瞬間で、多くの子が泣くと思いますが、「自分で」入れることができるまで繰り返していきます。

ここまでできるようになったら、次はお母さんに頑張ってもらいましょう。
まずは渡さないこと。
次に自分で持ってしまったら、どこかに置いて「待っててね」のやりとりをすることです。

そもそもがお母さんを求めている代わりのおもちゃなのですから、お母さんがしっかりと向き合えば手放して登園できるはずですよね。
ぜひここまでのステップを踏んでみてください。

 

「タオル」が手放せない

これは、おもちゃを持ってきてしまうのとは少し訳が違います。
おそらく、普段からタオルを手放せず四六時中持っているものだと思います。
お母さんと離れる不安だけでなく、何か他の不安をそれで落ち着かせているのでしょう。
あるいはタオルにお母さんを重ねているのかもしれません。

ですから、一度にそれを手放すことは到底無理ですね。
「おもちゃ」以上に時間をかけていかなくてはなりません。

タオル程度の大きさならば手に持って過ごすことも可能ですが、やはり活動的ではなかったりしますし、中には洗うことをも拒否する子もいたりします。
どのように段階を踏んでいくのか考える一方で、なぜそれに固執しているのかを探っていかなければなりませんね。

以前見ていた子はなんとタオルケットを抱えてきていました。
ものすごく多忙なお母さんとのスキンシップ不足が見て取れたので、まずはお母さんに働きかけて「抱っこ」を飽きるほどしてもらうようにしました。
一方でタオルケットは少しずつ切って小さくしていくようにしました。

その時絶対隠れて切らないようにしてもらいます。
「タオルケットさん今までありがとう。半分切って半分バイバイね。」
「Yちゃんはますます元気になったから、また半分バイバイね」
と、半分の半分と時間をおいて切っていきました。
半分の半分ですから、あっという間にミニタオルです。
その頃には時々カバンから出して触るくらいで大丈夫になっていました。

これはたまたまうまくいった例ですが、大切な心の拠り所を決して無理に取り上げないようにしてください。
むしろ一生側に置いていてもいいくらいだと、私は考えます。
ただ、集団で活動する中でその子の何かを妨げるような時には、上記のようにうまく卒業できる過程を考えてあげるといいと思います。
スヌーピーに出てくる「ライナス」がいつも持っている毛布がこれにあたります。

一度調べてみてくださいね。

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