子供にこそ教えたい「TPO」

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皆さんは「TPO」の意味を知っていますか?

T・・・Time(時)
P・・・Place(所)
O・・・Occasion(場合)

それぞれの状況に応じて自分の振る舞いをコントロールするために使われる言葉です。

本来は「TPOに合わせた服装」のようにファッションの世界で使われていたようです。
確かにドレスなどは「夜」なのか「昼」なのかで形が違ってきますし、パーティーの内容によって色や服地まで変わってくると言います。

今回はこの「TPO」を子供への指導に当てはめて考えてみましょう。

 

「TPO」を感じ取れない子供達

保育園の園児だけに限らず、街中で子供を見かけると、「TPO」を全く無視してるな…と感じることがあります。
いや、無視といういより誰からも教わっていないのかな?と思います。

例を挙げると、
ファミレス…本来は食事をとる場所。
大声を出したりましてや走り回るところではない。

病院…具合が悪い人が来る所。カバンやおもちゃで席を占領するのは問題外。
大きな声でわがままを言うのは大迷惑。

電車…大勢の人がいる場所では小さな声で話すのがマナー。
ずっと騒いだり音を出してゲームをするのは迷惑。

もっとありますがこの辺でやめておきましょう。
これらの全ては、子供が悪いのではありません。
厳しく言うと「親」の責任です。

それぞれの場所で「ここではこう振る舞うんだよ」と教えていないからですね。

保育園で食事中に走り回る子はいませんよね?
それは保育士が繰り返し繰り返し伝えているからです。
私たちは自然に、当たり前に「TPO」を踏まえた保育をしているのですね。

 

話し声のボリューム

まずは話す時の声の大きさを知らせていきましょう。
先にあげた「TPO」に合わない行動だなと感じる時は、ほとんど「声」が大きいと思います。

自分の要求を親に伝えるのは子供にとって当然の姿ですが、その時の状況で声のボリュームを調整する事を知らないと、いつも「うるさい」状態になってしまいます。
年齢が低いうちは「シーだよ」と保育士が声をひそめると子供も真似してヒソヒソ声になります。
「みんなまだ寝てるからシーだよ」
「みんな紙芝居見てるから小さい声で教えて。どうしたの?」
のようなやりとりの中で声を小さくする経験をさせていきましょう。

幼児クラスになったら、数字で表すのも一つの手です。

5…遠くの人を呼ぶ声。大声。
4…保育室やホールでみんなの前で話す声。よく聞こえる声。
3…目の前の人に聞こえる声。普通の声。
2…周りの人に聞こえにくい声。ひそひそ声。
1…耳もとでやっと聞こえる声。内緒の声。
0…声を出さない。
(一例ですので園で考えてみてください)

これで大切なのは、声の大きさは自分でコントロールできる事を知る事と、どんな時に0、1、2、の小さな声を使えば良いのかを考える力をつける事です。
色々な場面で「今は3の声でいいのかな?」などと問いかけていってください。
そして0の声にするには、我慢が必要だということもわかるといいですね。

 

声のコントロールは心のコントロール

自分でも経験がありますが、怒ったり興奮している時はつい声が大きくなってしまいませんか?
周りが見えず、自分をコントロールできていない証拠です。
つまり自分で声の大きさを変えられるという事は、周りをよく見て自分をコントロール出来ているという事です。

街中で見かける子供たちは、自分をうまくコントロールができていないので、多くの人を不快にさせているのです。
親の責任とも書きましたが、つまりは親自身も自分をコントロールできていないわけです。
保育園の子どもたちが「TPO」に合わせて声のボリュームを変えられるようになったら、街中の気になる子供達の数も減っていくのではないでしょうか。

まずはあなたのクラスから始めてみてくださいね。

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